CASE

個人と組織も未来を変えていく
人材開発担当者様の挑戦ストーリー

管理職 組織開発

感動と成長をもたらす
『人事制度×社員教育×組織文化』改革

クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン株式会社様
クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン株式会社様

執行役員 副社長 兼 管理本部 本部長 若月貴子様
※肩書はインタビュー当時のものです

変革ストーリー

概要:

2006年12月に日本進出を果たしたクリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン(以下KKDJ)は、創業時の大きすぎる成功体験が起因し、2012年には様々な経営課題が浮き彫りになっていました。それらの困難な状況を乗り越えるためには今後のさらなる成長フェーズを見据えた企業改革の実施が必要であると考えていた当時、第2創業期を乗り越えるためのパートナーとしてKKDJの経営チームにない「個性」や「面白さ」が印象的だったリ・カレント様及び、代表である石橋社長に興味を抱きました。

導入プロセス:

2012年度より、今後の成長フェーズを見据えた企業改革として、人事評価制度・店舗運営体制の見直し、人材登用、トレーニングの強化などを実施しました。リ・カレント様とパートナーを組ませて頂きながら、組織・人事についての課題を克服するとともに、新たなベクトルに向けた変革を図っていきました。特に大きな一例としては、新設した経営と店舗の結節点となるSV(スーパーバイザー)職を社内公募し、アセスメントのプロセスと能力開発プログラムを組み込みながら、「人材の棚卸し&スターの発掘と育成」を実現することに注力しました。

職場での変化・今後の取り組み:

組織改革としてはまず年度ごとの経営目標を明確にし、人事面では新評価制度と合わせ育成体系を整えていきました。具体的な年度項目としては下記の通りです。
2012年度:「設計」人事制度・組織改革に重点を置いたプランの策定を図りました。
2013年度:「変革」新人事制度の導入、人材登用、意識改革を実施しました。
2014年度:「躍進」これまでに投入した施策の見直しとブラッシュアップ、組織活性化推進、企業ビジョンの浸透を進めました。
2015年度:2016年度新卒採用におけるポテンシャル人材の獲得と育成計画策定を進めています。

創業期の成功と第2創業期の課題

私は2012年3月から現職に就き、管理本部本部長として経営企画・経理・財務・人事・総務などを担当してきました。入社前は当社に対し「若い」「明るい」「モチベーションの高い」会社というイメージを持っていました。

KKDJというと店舗数を順調に増やしていて成長フェーズの段階にある企業に見えたのです。しかし入社1カ月かけて会社の状況を見ていくに従い、分かったことが3つありました。
1つ目は、会社も個人も目標設定が明確ではないこと。2つ目は、正確な現在の数値を誰もが把握できないこと。3つ目は、組織と人にモヤモヤ感がある、ということでした。なぜそんな状況に陥っていたのかを考えていくうちに初期の成功のインパクトがあまりにも大きく、そのイメージのままで5年、6年が経過し、組織としての課題が放置されたままだったことに気付かされました。

KKDJが日本に進出した2006年12月、1号店である新宿サザンテラス店には連日長蛇の列ができ、その様子が日々メディアに大きく報道されるなど日本デビューは大成功の幕開けとなりました。日本上陸から9年目となる今、事業拡大を続けるKKDJは国内60店舗、従業員数は約2000名を超える規模まで成長しています。

しかし、創業時の成功体験が大き過ぎたがゆえの課題を抱えていたのも事実であり、戦略や仕組みがなくても業績が上がっていたことやお祭り状態の明るいムードで満たされた雰囲気が落ち着いていくにあたり、組織をマネジメントしていく人材が育っていない、年功序列型の給与や待遇への不満、会社の今後の成長に対する不安感といった第二創業期にありがちな経営課題が目立つようになりました。当時のKKDJは、こうした第二創業期の経営課題を整理し解決していきながらも、さらなる成長を図っていく必要に迫られる極めて難しいフェーズにありました。

若手がチャレンジできる風土×フェアな人事評価制度

KKDJの新たな組織を創るために、自分たちKKDJの経営チームに不足している「個性」や「面白さ」を兼ね備えたリ・カレント様及び、代表である石橋社長に興味を抱きました。人事担当者向けのセミナーで石橋社長の講演に参加したことがきっかけです。

2012年度より、今後の成長フェーズを見据えた抜本的な組織改革として、組織編成、店舗運営の見直し、人材登用、トレーニングの強化などを実施してまいりましたがリ・カレント様には、2013年度に新設したSV職を社内公募するにあたってアセスメントのプロセスに能力開発プログラムを組み込んだ「人材の棚卸し&スターの発掘と育成」の実現にご協力をいただきました。

SV選抜プログラムを通して、若手がチャレンジできる風土づくり、そしてチャレンジした人に新しい組織を索引する重要な役割を担ってもらえるよう登用・育成していくことに尽力してきました。社内人材の棚卸しと組織改革が進んだ結果、残念ながら会社を去ってしまった人もいましたが、残った人材のエンゲージが高まり、次のフェーズに組織が移ろうとするための基盤が整っていく確かな感触を掴むことができました。

感動と成長をもたらす「人事制度×社員教育×組織文化」改革

SV登用のアセスメント(評価)では必ず360度評価(多面評価)を取り入れるようにしてい ます。周りからの客観的な意見に心が折れてしまいがちなアセスメントですが、普通ならマイナスな意見をぶつけられて参ってしまう人もいる中で、それらの声を自身の成長のために真摯に受け止め前向きに変わっていく光景も多く見受けられます。地道に頑張って努力し改善しようと成長し続ける人が多いのは弊社の人材の大きな魅力だと感じています。

SV選抜プログラムに参加する店長の中には、40代の方もいます。 自分より若い方が相手となる一見厳しい状況下においては、ネガティブな意見を受け止めきれず途中リタイアする方もいましたが、中には「印象が暗い」という周囲の意見に対してメガネや服装、髪型を変えたり、笑顔が常に溢れるような表情トレーニングをしたりと、1年を掛けてまるで人が違うくらいの変化を努力して続け活躍している方もいます。

私は「研修」とは、社員を教育するだけではなく会社が公平に社員を評価する場でもある、と思っています。同時に、会社としては参加者に対し、出来なかったことをそのままにせず、現実を真摯に受け止め、改善努力をして、より一層成長してくることを期待しています。やはり人は努力や熱意と共に大きく成長し、そしてその姿は周囲を魅了するものだと感じています。

KKDJが求めている人材の根底にあるのは「人としての熱さ」です。採用時に求める条件としても「人としての熱さ」をどこまで持った人なのかを見ています。そうした「人としての熱さ」を持った優秀な人材を、いかに輝かせていくかが私たち人材開発担当の役割であると考えています。 いかに早く良質な人材を育成していくか、良質な人材をつくるための現場力をどのように磨いていくか、良質な人材が熱さを失わずに成長し続ける組織風土づくりが今後の課題です。

今後は、組織としての骨太さもさながら、「仕事は楽しく、面白く」といったサークル的なノリも少し残しつつ、オトナな組織として強くなっていきたいと思っています。

担当プロデューサーの声

リ・カレント株式会社 人材開発プロデュース部 プロデューサー 糸永 真理愛

~KKDJのドーナツには人を幸せな気分にさせる魔法がある~
“Creating Magic moment(CMM)”というフィロソフィーを通じて「お客様のドーナツ体験の向上」を推進しているKKDJ様にもっとも似合う言葉なのではないか、と私は思っています。

外出先での仕事の打合せや休日などKKDJ様の店舗に行くと、日本にいながらもアメリカンな気分を味わえるお店づくり、元気で明るいスタッフの皆さま、色とりどりのドーナツたちが瞬時に私を別世界に連れて行ってくれます。

弊社リ・カレントの数々の研修プログラムを通じ、店長、SV(スーパーバイザー)、エリアマネージャー、トレーナーとして活躍している方もいらして、「人が変わっていく力」をKKDJの岡本社長、若月副社長の想いを発端とする社員の皆様の姿を通して確かな手応えとして感じています。そしてその熱はいつも私自身の成長意欲を掻き立てる源泉となっています。

今回のインタビューでは、若月様の社員の皆さまを真摯に想う気持ち、組織の成長にコミットする意識が伝わってきました。
若月様が大切にされている「Warm heart, cool head」はまさに若月様を体現する言葉だと思っています。
今後のKKDJ様の躍進に引き続き協力させて頂ければ幸いにございます。

お忙しい合間を縫い積極的にインタビューに応じてくださり、ありがとうございました。

担当講師

講師:石橋 真
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