日本企業の人材・組織開発の変遷|リ・カレント株式会社

2014.04.1

日本企業の人材・組織開発の変遷

 

バブル経済崩壊後

日本企業は右肩上がり経済で強みを発揮していた雇用慣行である「終身雇用」「年功序列」を否定し、人的リストラを断行、組織をフラット化して、成果主義的人事制度を導入しました。
経営者や会社組織に対する社員の忠誠心は薄れ、モチベーション低下に拍車がかかりました。
階層別研修は、ピラミッド型組織の維持をねらいとするものというレッテルを貼られて大幅に削減されました。
一方で将来のビジネスの種を育てられる人材をつくるための「選抜型経営人材研修」と、人材の自律促進のための自己選択式カフェテリア型研修が始まりました。
しかし「選抜研修」による「突出人材層づくり」が組織文化的にうまくいかない企業も多く出ました。
また「自己選択型研修」は主体的なキャリア開発意識と組織文化の育たない企業ではなかなか根付いていないのが実態です。

失われた15年における人材育成風土の喪失

失われた約10年から15年の間で新卒採用が抑制された結果、後輩や部下を育てる経験の乏しい若手・中堅社員や管理職が増えました。
また組織フラット化と成果主義的人事制度によって、個人のチームにおける役割貢献よりも、個人としての担当業務の成果貢献が強調されました。
結果として「組織として期待される役割を果たす」「チームとして同じ方向を共有し、協働して成果を上げる」「後輩や新人の面倒を見る」という組織人やリーダーとして当たり前であった意識や行動が希薄になっていきました。
かつての日本企業の村落共同体的な「いつでも、どこでも、よってたかって新人や若手を育てる」という人材育成風土が弱まっていったと論じても過言ではないでしょう。

経済再生期におけるOJTの形骸化

日本企業が負の遺産を償却して、上場企業がバブル期を超す好決算を出し始める2000年代後半から、大手企業には大量の新卒が採用されました。
しかし組織力が低下してチームワークの機能しない組織の中で、新入社員のOJTは、かつてほど上手くは機能しませんでした。OJTという名の放任が現場で起きたのです。
知識量は多いけれども、主体的には動けない新入社員側に対して、新人指導担当者のOJTや指導ノウハウの欠如と、組織で一体となって新人を育てていく共同体的組織能力の低下が一挙に露呈しました。

リーマンショック以降の経営と組織の課題

GDP世界NO.2からの脱落、隣国の経済力の追い上げ、円高による輸出競争力の低下…
困難と戦う日本企業の姿がクローズアップされています。
今、日本企業の抱える経営と組織の課題は大きく分けると5つ程挙げられるのではないでしょうか。
「グローバル化による国際競争力アップ」
「イノベーションの創出」
「企業ウェイの浸透と人材、組織能力の強化」
「組織の世代を超えたナレッジの伝承」
「ダイバーシティーの推進」
いずれも大きなハードルが待ち受けている挑戦的課題です。
各社が各様の取り組みを試行錯誤しながら進めていますが、しかし、人材・組織開発について決定的な有効打を見い出せている企業は少ないのが実情でしょう。
明快な軸や組織イメージを持たない人事制度や社員教育は単なる流行やテクニック論で終わってしまいます。そして日本企業らしさや企業の個性を壊してしまいます。
かつてほとんどの企業が導入した成果主義的人事制度が上手く機能しなかった原因は、社員が会社に対して心理的な主従関係で結ばれ、職能資格という職務と賃金が明確には連動しにくい制度をとる日本企業が、個人が会社と対等な関係で職務給制度で結びついている米国の仕組みや組織形態を、そのままモノマネして導入したことによって、制度と人心のミスマッチが生じたからだと言えるのではないでしょうか。
やはり日本企業には日本人なりの価値観、仕組み、文化があり、それを尊重する方が上手く行くのです。
では、今後、日本企業はどのような軸を持って、人材・組織開発を行なっていけばいいのでしょうか。

 

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