2018.01.10

HRカンファレンス-2017秋-セミナーレポート 「変革実践型」次世代リーダーを輩出する~30代・40代選抜人材育成4つのポイント~ Part.1

今回のセミナーレポートは、昨年11月に開催された「HRカンファレンス2017-秋-」の講演の様子をお送りいたします。「HRカンファレンス2017-秋-」では、前半をリ・カレント代表取締役の石橋が、後半はリ・カレントのプロフェッショナルパートナー講師の井口幸人様よりGE時代の経験を交えながら次世代リーダー育成のしかけについてお話しいたしました。

ここでは、当日の講演のなかから、リ・カレント代表取締役、石橋の講演の様子をお伝えいたします。リ・カレントは人材組織開発の研修会社として、次世代リーダー育成の支援をしています。本講演では、厳しい外部環境の要請や多様化する組織の状況のなかで、いかに次世代リーダーを選抜・育成するのかという考え方と実例を提言いたしました。

 

石橋:当社は250社ほどのお客さまとお付き合いがございますけれども、そのなかでも5社の選抜教育に直接トレーナーとして関わらせていただいております。その経験からいただいた大事なポイントをみなさまと共有できればと思います。
今日は第1部を私のほうで、第2部はGEでコンサルティングをされておりました井口さんにお願いしております。井口さんと私どもの間でも1社、製薬会社様の次世代リーダーの教育を一緒にさせていただいております。
私からは30代40代の現職、課長、ちょっと手前の方たちがターゲットのお話をさせていただきます。部長の方が役員になるというところではございませんので、ターゲットをご確認いただければと思います。

次世代リーダーの選抜・育成についての問題点
不明瞭な育成のゴールと組織体制の不備

選抜教育のプロセスということで、みなさまの会社でも、このような半年間とか1年間にわたる1泊2日ないし2日間の研修を4~5回繰り返していき、最終的に経営幹部にプレゼンを行って、そのなかの成績もしくは結果によって昇格とか異動が決まるというような仕組みを取られているかと思います。
当社でも同じような仕組み、プロセスで研修をさせていただいております。
こういうことを実践するなかで、産業能率大学が「次世代リーダーの選抜・育成について、どういう問題点があるのか」ということについて、239社のアンケートを取ったデータがございます。そのなかで一番多かったのが「育成のゴールが明確になっていない」。次が「企画実施するための組織の体制が整っていない」。こういった声がございました。

 

 

じつは、私が本当に選抜・育成に関わったのは5年前からです。最初に「石橋さん、やってくれないか」とお声が掛かけていただいたのは、財閥系の金融サービス会社様です。当時の人事課長さんが非常に問題意識を持たれていたのが、MBA式の知識教育をやっているけれども、どうも行動に転換しないと。また、仕組み上いろいろな提言をするのだけれども、結局はそれを事業化することはない。そういうなかで、本当に腹の据わった課長職、部長職がそこで育成できるのかというなかで「石橋さん、何か案はないですか?」ということで仰せつかったというのが最初の事例です。

別にこちらの事例に合わせて当社のサービスを考えたわけではありませんが、こういった問題点に合わせて、当社ではどういう考え方で研修を行っているのかをご紹介したいと思います。

次世代選抜育成のゴールは
職場実践継続によるぶれない軸作り

まず、育成のゴールということです。階層別の教育のゴールは、やはりきちんと教える。そのなかで階層ごとに期待される役割を認識し、そしてコミュニケーションやリーダーシップのスキル、そういったところを習得するということがゴールだと思っております。
最初に関わった財閥系の金融サービス会社様は、技術習得の思考力を中心にした、その辺が結構メインになられていたのかなと思っておりまして、私自身は第一次選抜で選ばれた以上は、選ばれた人間が自ら変わり、組織をいい方向に変えていく。そういうある種のプライドや使命感を持つ矜持が大事ではないかと直感いたしました。それによる使命感が軸に座っていけば、きちんと行動に転換するのではないかと。そういうコンセプトを掲げておりました。

実際、職場で自分の使命を具体策に落として実践を継続していくうちに、半年間とか1年のなかでぶれない器になっていく。そういうコンセプト、ゴールを掲げているということです。
これをどうやって実践するのかということですが、先ほどの仕組みのなかで、変革型のマネジメントと変革リーダーになるためのビジネスキャリアを自己選択、自己決定していくシミュレーションを中心にした研修を行い、強いモチベーションと使命感を高めていくといったところにいきなり入るやり方をしております。

人を動かす選抜人材になるための
ミッション(使命)を軸にするチェンジマネジメント

そのなかで、ミッションを軸にするミッション・ビジョン・バリューのチェンジマネジメントを行います。環境変化、それから部署の基本的ミッション。経営理念、経営方針から連なる部門のミッションと、環境変化のなかでもどういった資源のヒト、モノ、カネ、情報、ブランド、そういったものの強みがあるのかということをとらえながら、課長の一歩手前にいる受講者自身が「課長の視点」で、もしくは「部長の視点」でこの部門の組織のミッション・ビジョンを掲げたらどうなるか。そのシミュレーションを行うことや、いろいろな映像を使い考えていくところを、まず第1段階として行います。

具体的にいうと、チェンジマネジメントで必要とされるミッション・ビジョン・バリュー。これが目的にあたります。そして、目標の類型は、戦略と目標。手段の部分は、戦略、戦術とか施策、実際のプランニングになります。この一連の体系を学習していただきながら、自分のものを設定していくということを行います。

HRカンファレンス-2017秋-セミナーレポート Part.2 徹底した巻き込み 現場実践により 選抜教育で成果を生み出す仕組みを作るに続きます

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