2018.01.10

HRカンファレンス-2017秋-セミナーレポート Part.3 選抜教育に必要な組織体制と選抜基準としてすすめる「3つのP」と4つのタイプ

選抜教育に必要な組織体制の整備とは?

先ほどの組織体制というところでは、選抜人材教育委員会というものを作っていただいて、トップマネジメント、そして事業部長クラス、そして人事部門にも入っていただきます。こちらのライン部門選抜対象者とその上司で、本当にこの研修に参加するのかといった、上司の推薦の動機と本人参加の動機、こういうものを明確にしていただく。そうすることによって、この方はチャレンジに耐え得るのではないかということを選んでいただいて、来るからには毎回、そのプロセスで上司からしっかりと関わっていただく。そしてコメントも書いていただくということをしていただいております。

上司の関わりの効果は、分析しましたところ、成長が高い受講者はやはり上司が有能です。成長が伸び悩んでいる受講者、これはもともとポテンシャルが低い層です。彼らには、上司自身の関わりが弱い、もしくは上司の人材育成能力というのが発揮できていない、もしくは上司の人材育成能力が低いという共通点が出ておりました。上司というのは非常に重要なのだという検証ができております。

 

 

誰をどのような基準で選抜するか
選抜基準としてすすめる「3つのP」と4つのタイプ

では、最後の選抜・育成の基準ということが整っていないというお話がございましたけれども、基準の3つのPということで、言わずもがなのパフォーマンス、そしてもう一つはパフォーマンスを生み出すためのプロセスです。最後に私どもが重要視しているのはパーソナリティ。このなかでもっとも化けやすいタイプはどういうタイプかということを随時検証させていただいております。

 

ここで、選抜人材のタイプということで大きく4つ出させていただいております。上が好業績。右側に順方針、こちらに反方針と出ておりますが、順方針のほうは方針に則って非常に高い業績を上げる突出・突破タイプ。この人たちは放っといてもどんどん突き抜けてまいりますのでよいのですが、問題はこちらの従順・順応タイプです。結構、上位で、しっかりと方針に基づいて、上司の意向に基づいて仕事をしてきたというお利口さんタイプでしょうね。じつは、このタイプが意外と化けにくいというのがだんだん分かってまいりました。

それよりも化けやすいのが、こちらの反抗・反逆タイプ。10人から15人に1人ぐらい交ざったりしているのですが、過去に評価が悪かった、上司と反りが悪くて地方へ飛ばされた。そういうような経験を持つ方で、あまり会社組織とか上司だとか方針というものを信じていないタイプです。こういったタイプが実は化けるということが分かってまいりました。反抗・反逆タイプの人たちは選抜人材から面倒くさい人材ということでネグレクトされやすいのですけれども、こういった方を意図的に入れることで、彼ら自身が非常に危機感を持つとか、こういったタイプに対してフィードバックをかけること選抜人材内で彼らが動き出し、グループダイナミクスみたいなものが非常に起きるなというケースをよく拝見いたします。

行動を起こしやすいタイプは
3つの社会活動動機のなかから特定できる

いずれも、行動を起こしやすいタイプというものが、人間が持っている3つの社会活動動機のなかから特定できております。
その3つの動機のひとつは達成動機。自分で目標を定めて達成する、モチベーションが高い人材です。もともと選抜された人たちはそれが高いはずなのですけれども、じつは従順・順応タイプが意外とそうでもないということなのです。

 

もうひとつがパワー動機といわれるもので、これは自分自身の影響を他人、もしくは組織に与えたいというものです。こういう人たちは昇進・昇格意欲が非常に高い人たちです。 もうひとつ、3つ目が親和動機といわれるものなのですが、これはみんなと仲良くやりたい、親しくやりたいというタイプなんです。意外と、さっきのおとなしいタイプ、従順・順応タイプはこちらが高くて、達成動機やパワー動機が弱い。もしくは、こっちが中程度ですので、これが掛け算になっていくと、じつは非常に行動が起きにくいということが言えるのではないかなと思っております。

なので、ミッション・ビジョンから連なる、そういうものを作ってキャリアビジョンを明確にして、360度サーベイのフィードバックをしながら、達成動機、パワー動機を高めていくよう、施策を設計しております。つねに、自分はここを目指すのだ、組織はここを目指すのだという目標設定の原点である自己決定。ここを強めるようなところへ研修のなかで持っていくということですね。

さて、いままでのような考え方は、私が新卒時代の出身であったリクルートで体験したことをベースにしております。金融不況時代、1998年でございますけども、マネジャー5人のメンバーを率いて金融不況時代にまったく業績が上がらないところを、このミッションによる使命の自覚ということを自分自身で行って、V字回復を本当に経験したという私の体験からも重要ではないかということで実践させていただいております。

 

それでは終わりになります。

ここにいらっしゃるみなさまと共に、変革はおそらく下の方たちの育成というものに携わっていらっしゃると思いますが、下の方、つまり下位を変えるのではなく、私も代表として、隗(かい)より始めよと。まずは自ら始めることを肝に銘じて、みなさまと共有して、私のパートを終わらせていただきます。

本日は、どうもありがとうございました。

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