2016.03.15

「もてあまし抱え込み系女子」が「なでしこリーダー」に変わる日 ~期待役割にそった取組みが今一歩できていない 30代女性社員を変える4つのポイント~

【プログラム内容】
第217回 目からウロコのHRDセミナー/講師 池照 佳代 (いけてる かよ)

皆さんの周りに、自分の力をもてあましている「もてあまし抱え込み系女子」はいませんか?

「一所懸命だけど間違った方向に頑張っていて、自分の能力をもてあましている」
「目の前の自分の業務に忙殺されていて、組織視点で物事を考えられていない」
課題を持っている「もてあまし抱え込み系女子」の力を引き出して、高いパフォーマンスをあげる、また組織に貢献する「なでしこリーダー」に変えられたら、本人にも組織にもプラスの効果が大きいと思いませんか。

今回のセミナーレポートは、「女性活躍推進」「女性リーダー」に焦点をあてた
「もてあまし抱え込み系女子」が「なでしこリーダー」に変わる日
~期待役割にそった取組みが今一歩できていない 30代女性社員を変える4つのポイント~
のセミナーのレポートをお届けします。

講師:池照 佳代 (いけてる かよ)

【略歴】
有限会社アイズプラス 代表取締役
CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
EQGA公認EQトレーナー
1992年 マスターフーズリミテッド、フォードジャパン、アディダスジャパン、ファイザー、日本ポールにて、一貫して人事を担当
※「採用、教育、報酬、評価制度設計と運用」「タレントマネジメント」「ダイバーシティ」
※「女性活用プログラム」等のグローバルプロジェクト企画遂行、「キャリアプログラム」企画実行や、研修講師など人事業務全般とスタッフ・部下の育成

2006年 有限会社 アイズプラスを設立
「クライアントの目的・目標達成を実現すること」をサービスの根底とし、企業向け、個人向けの各タイプに合わせて、主に3つの事業を展開
※企業サービスでは、クライアントの一員として長期プロジェクトに参加し、「共に解決」することを軸に活動する
※短期トレーニングなど、様々なタイプの業務企画、実行支援を行う
他に
認定NPO法人キーパーソン21理事
NPO インディペンデントコントラクター協会理事

1. なでしこリーダーへと変貌を遂げる4つのポイント

新卒入社ならば7~8年目、就業経験も長くなり、担当する業務にも慣れて部下や後輩を持つ中堅層に位置する30代。組織のリーダーとして活躍してほしい30代女性社員の育成の課題として、どのようなものが挙げられるでしょうか。今回お集まりいただいた方々に意見をうかがいました。

― 「30代女性社員育成」に対しての課題・悩み ―

「結婚、出産、育児などライフイベントと重なる時期のため、仕事を頼めない」
「管理職になりたがらない人が多い」
「昇進、昇格に対する意思が感じられない。チームリーダーになりたがらない」
「モチベーションの維持と向上」
「キャリアプラン、キャリアパスなど考えられていない」
「自分たちの組織で見本となるロールモデルがいない」
「ワーキングマザーの働き方を組織がバックアップできていない」

― 「30代女性社員」に期待すること・目指してほしい姿 ―
「主体性を持ち、仕事に前向きに取り組む姿勢」
「キャリアデザイン。5年10年後に自分がどのようになりたいか描いて行動すること」
「ひとつ上の立場からの言動」
「将来の管理職候補となる部下、後輩の育成、新人のメンター」
「中堅層ならではのノウハウ、情報、できることを発信する発信力」
「女性活躍のロールモデルになってほしい」
30代の女性社員は、結婚や出産、育児などライフイベントが重なることが多く、家庭と仕事のバランスを考える方が多いのが特徴です。女性社員活躍のためには、本人の意識改革はもとより、彼女たちをバックアップする組織の意識改革、体制整備が必須であるように思います。さて、経験・スキルはあるものの、自身の力を存分に発揮できていない30代女性社員のタイプとしてどのようなものが挙げられるでしょうか。

< 4つの女性タイプ >
①「やってみよう!」なでしこリーダー
組織視点:高い/自己効力感:高い
女性ならではの視点や能力を活かして、高いパフォーマンスをあげて組織に貢献する。
②「いや、でも、だって・・・」もてあまし系 抱え込み女子
組織視点:低い/自己効力感:高い
頑張り方を間違えて空回り。能力をもて余して不満いっぱい。
緊急度×重要度の高い仕事に追われて、今一歩長期的な組織成果の観点に立てない矢印自分向きタイプ。
③「いえいえ私なんて・・・」右腕系 遠慮がち女子
組織視点:高い/自己効力感:低い
仕事での実績もある、チームへの貢献度も高い、でも口をつくのは
「私なんて・・・」「私の力ではなく・・・」過小評価で能力を活かせずもったいないタイプ。
④「ま、そこそこでいいんです・」ルーチン妥協女子
組織視点:低い/自己効力感:低い
これといったキャリアデザインもなく、日々目の前の出された仕事を着々とこなす、そこそこタイプ。

女性リーダーの課題は「自信のなさ」「スキル欠如」「人材・組織の育成環境」が問題として挙げられます。如何にこうした課題を紐解いて、環境を整備していくか、が彼女たちの活躍できる鍵となるものと考えています。

2. なでしこリーダーへと変貌を遂げる4つのポイントと研修の流れ

「なでしこリーダー」プログラムの目的は以下になります。

■次世代女性リーダーのモチベーション、リーダーシップ、当事者意識、スキルの向上
■社内での役割認識と影響力の強化
■若手女性社員のロールモデルとなる女性リーダーの育成

①自分を知る
自分の価値観を知る&皆価値観が違うことを認識する
・これまでの経験を中心に、自身の経験や変化を棚卸し、自身の強み、弱み、課題、環境、周囲の人との関わりなどを認識する
・価値観カード
・ライフチャート
・キャリアを学ぶ
②役割理解
・会社、上司から期待される役割を確認する
・目指すリーダー像を認識する
・目指す像の働き方
・ネットワークマップ
③必要な力
・目指すリーダーの必要な力を認識する
・EIKAで自分に必要な力を整理する
※EIKA=EQ(感情知性)IQ(ロジカルシンキング)Knowledge(専門知識)Action(行動力)
・代表的なスキル、知識を習得する

④ビジョン・目標設定
・○年後の姿(例)5年後の自分の姿

⑤フォロー
自分を知るライフチャート
ロールモデルとしての憧れるリーダー

3. 企業のEQ診断導入/ビジョン・目標設定・振り返り ※EQ(感情知性)

能力開発をアシストするためEQI(行動特性検査)を実施します。
EQIは、EQ理論をベースに、EQの発揮度合いを行動面から測定する検査です。
個人の“強み”、“弱み”を把握し、自己の育成ポイントを見極める事が可能となります。
また、個々の結果からは、組織風土の客観的な分析が可能(組織分析)になり、企業・事業特性に応じた研修・コンサルテーションなどの施策提供を行います。

EQ理論⇒「感情をうまく管理し利用できることは、ひとつの能力」
<期待効果>
・顧客対応力の向上
・接客スキルの向上
・マナー研修
・チームマネジメントの向上
・新組織の立ち上げ
・幹部社員の選抜
・リーダースキルの強化
・自己マネジメント

ビジョン・目標設定・振り返り
・価値観、強み、スキルを見直す
・自分の〇年後に向けて行動を1つ宣言する

4. 目指す姿と必要な支援

それぞれ女性のタイプに合わせて目指すべき姿と必要な支援を考えなければなりません。
研修のポイントは、自信、スキル、人材、組織育成など女性リーダーの課題に対して、何でも発信できる安全な場作り、価値観、強み、スキルの持ち帰り、キャリアの視点を<固定化・短期>→<柔軟化・長期>へすること、認知、フィードバック体験、ネットワークの構築などです。

あくまで一例ですが、冒頭に説明させていただいた「4つの女性のタイプ」に対して、「目指す姿」と「必要な支援」は以下のような提示が可能です。

5. リアルボイス(ご参加者の声)

・年代別、キャリア別による意識の違い、その違いにあった研修内容の構築が必要だと感じました。
・管理職を目指す女性社員が少ないのが弊社でも課題として捉えている。女性リーダー向け研修の導入による変化が見られるのならば、導入を検討したい。
・ロールモデル(働きながら育児をしている社員)はいるが、働き方に憧れを抱いていただく事が重要だと感じました。
・研修時にモチベーションが上がっても、一時的になってしまう事が多く、モチベーションをどう維持できるか課題として持っている。
・組織自体の意識改革が必要であると痛感しました。「女性リーダー」「女性活躍」のテーマは組織内で声が高まっているため、成功事例を早く作りたい。

6. セミナー感想・気付き

女性リーダー育成のポイントとして、「キャリアの視点を<固定化・短期>から<柔軟・長期>に認知させることが重要である」という言葉が胸に響いたセミナーでした。

新社会人時代は固定化されていなかったキャリアの視点が、社会人として組織に勤めていく中で「程度」が分かり、徐々に固定化されていく感覚は誰しもあると思います。その感覚が「行き詰まり」や「停滞感」と呼ばれるものではないでしょうか。

「それぞれ相手のタイプに合せて、どのように相手の力を発揮させることができるか?」
「有能な人材をどのように輝かせるか」という問題に関して、今回は「女性リーダー」に焦点をあてたお話でしたが、「女性リーダー」のみならず、性差、役職に関わらず、万人に当てはまる内容であるとも考えました。

池照講師が言う「なでしこリーダー」のロールモデルが増えれば、また組織で違った視界が開けてくるものと思います。

 

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