『ストレングスファインダー®×フォロワーシップ』で 5年目社員が真のリーダーへ! ~自己成長×組織貢献で殻を破る、新!徹底的強みアプローチ~

2017.04.24

【プログラム内容】
第242回 目からウロコのHRDセミナー

みなさんは「5年目社員」に、どんなイメージを持っていますか?
新入社員や3年目社員に比べると、明確な像を描きにくいのではないでしょうか。
それもそのはず。ひと口に5年目といっても、この頃から同期の中で様々な“差”や“違い”が顕在化し、広がっていくからです。

大卒・新卒なら28歳前後。すでに実務担当者として活躍している人もいれば、企業や職種によっては、5年目で「まだ新人扱い」という職場もあります。人によっては、結婚などのライフイベントを機に、生活が激変することもあるでしょう。また、会社としては、採用して3年間程度は育成に注力するものの、以降はつい“放置”しがち。5年目に特化して、教育機会が提供されることはまずありません。したがって、個々の成長は、本人の努力や現場の環境しだい。どうしてもばらつきが出やすい年次なのです。

それはすなわち、彼らがリーダーの卵としてひと皮むけるか、そのまま“ゆでガエル”になってしまうか、最後の分岐点に立たされていることを意味します。セミナーはまず、こうした5年目というキャリアの“現実”を共有するところから始まりました――。

今回は、リ・カレントが得意とするフォロワーシップの実践に、世界的な信頼度を誇る自己分析ツールを応用して「強みに基づく能力開発」を促す新手法をご紹介。「『ストレングスファインダー®×フォロワーシップ』で5年目社員が真のリーダーへ!」のセミナーレポートをお届けします。


講師:清水 裕一
リ・カレント株式会社 プロフェッショナル・パートナー
株式会社コアインテグリティー 代表取締役
Gallup認定ストレングスコーチ
MBTI(r)認定ユーザー(Japan-APT正会員)
一般社団法人日本アンガーマネジメント協会
アンガーマネジメントファシリテーター


1.小さくまとまりがちな5年目社員に新しいステージに合った成長課題を

彼らはいったい何を考えているのか――
現在の5年目=28歳前後のメンタリティは、10年前、5年前と比べても変わってきています。数多くのいまどきの若手社員と接してきた清水講師は、その経験から顕著な傾向が3つあると指摘します。
・多忙さなどに起因して、会社や上司に対して「思い込み」を持ったり、自己を過大評価したりすることから、転職を考え始めることがある
・日々の業務に忙殺され、自分自身を客観的に捉えられずにいたとしても、それまでの経験上、きっかけと観点を与えれば、成長・飛躍のための気付きを得やすい
・近年の傾向として、人事サイドも、5年目社員自身も「どこでも通用する力を持つ人材」を志向している

これぐらいの年次になると、組織の力学や仕事全体の流れがかなり見えるようになってきますが、見えるがゆえの不安や不満に囚われる5年目社員も、また少なくありません。

「この先もずっと同じ仕事をやり続けることになるのか…」「会社の方向性はおかしいと思う」「上を見ていると自分のキャリアの先が見えた感じがする」「これだけ頑張っているのに評価が低い」etc…。

講師が挙げる例に心当たりがあるのか、何人もの参加者の方が頷かれていました。

一方で、何事も「1万時間経験を積むとプロになれる」という考え方があります。
1日10時間働いて年間200日勤務とすると、5年目終了時点でちょうど1万時間ですから、その意味では、仕事や会社、働き方について、自分なりの「観」(=ものの見方)が形成される、または形成され始める時期であるともいえるでしょう。

講師自身の実感にもとづく分析に触発されて、参加者の方々からも5年目社員に対する鋭い指摘が飛びました。
とくに共感を呼んだのが、「5年目になって1人で仕事を回せるようになったけれど、自分の仕事しか見えていない」「活発に動くのは自分のテリトリーだけ。社内横断的に動けない」「経営層の視点と自分たちの視点にギャップがあることに気がついていない。だから愚痴になってしまう」といった意見です。意識や思考、行動が小さくまとまり、殻を破れずにいる――そんな5年目社員の現状に対する人事担当者の方々の強い問題意識が伝わってきました。

5年目社員を一段引き上げるポイントとしては、そうした傾向があることに気づかせた上で、「新しいステージに合った成長課題を提示すること」が有効であると、清水講師は指摘します。
5年目社員が、愚痴をこぼしたくなるほど忙しいのは、仕事を一人で回せているからにほかなりません。それだけ周囲に頼られている証しともいえるでしょう。そのことを人事がきちんと認めてあげて、「あなたはすでに新しいステージに立っている」と、ポジティブなメッセージを送る必要があるのです。

2.誤解だらけの「フォロワーシップ」、貢献力×批判力でリーダーの右腕に

では、5年目社員にとって「新しいステージに合った成長課題」とは何なのか。
それが本セミナーのメーンテーマである「フォロワーシップ」です。

「フォロワーシップ」については、言葉そのものの認知がまだ進んでいないため、誤ったイメージを持っている人も少なくありません。
「リーダーシップを発揮する人さえいればフォロワーは不要」「フォロワーは主体性や自主性がなく、上司や権威者に盲目的に服従するイエスマン」といった誤解やネガティブな思い込みが流布しているのです。

しかし実際は、チーム内に効果的なリーダーシップが見られるときには、 優れたフォロワーシップが発揮されていることが明らかになっています。また、真のフォロワーは、リーダーに忠実である以上に、組織全体のビジョンや達成すべきことに対して忠実でなければいけません。
つまり、リーダーがビジョンの実現に向けて効果的にリーダーシップを発揮していればフォロワーとして支え、そうでない場合はちゃんとNOをいう――それがあるべきフォロワーシップの姿であり、自ら考え、動くことや論理思考に基づく批判力もそこに含まれると、清水講師は強調します。

「指示などなくても、すべきことをわきまえていること。つまり、知性、独立心、勇気、そして強い倫理感をもって行動すること」

フォロワーシップをこう定義したのは、カーネギーメロン大学のロバート・ケリー教授です。
ケリー教授は、従来のリーダーシップ研究が強いリーダーや完璧なリーダーを求め過ぎ、リーダーを神格化していると指摘。そうした“リーダーシップ神話”に対する疑問から、フォロワーシップを深く研究するようになりました。
リーダーシップについては、困難の突破や現状の改革と結びつけて論じられることが多く、崇められやすいのはたしかでしょう。“完璧なリーダー像の裏返し”として、そういうリーダーがいないと何もできないかのような、ネガティブなフォロワー像がステレオタイプ化したと考えられます。

チーム全体のパフォーマンスのために、上司や組織のために、そして5年目社員自身の成長のために、フォロワーシップの実践はきわめて重要です。

➀【対成果】チームの成果を上げるには、フォロワーシップが必須である

ある調査によれば、組織が出す結果に対して「リーダー」が及ぼす影響力は1~2割に過ぎず、それに比べて「フォロワー」の影響力は8~9割もあることが分かっています。

➁【対上司】優れたフォロワーがリーダーに成長する

「フォロワーシップを発揮できなければ、本物のリーダーにはなれない」(柳井正ファーストリテイリングCEO)など、多くの著名なビジネスリーダーたちがその重要性を強調しています。

➂【対自己】フォロワーシップを実践すると「活躍する人」になる

フォロワーシップは基本、「貢献力」と「批判力」の2軸から成ります。
そして、その2軸の掛け合わせによって、下図のように「協働者」「実践者」「従属者」「破壊者」「逃避者」の5つの基本類型に分かれます。

5年目社員が目指すべきフォロワーシップのあり方は、貢献と批判を使い分けて成果を出そうとする「協働者」の役割。
いわばリーダーの右腕人材です。

3.自分はまだ自分を知らない!? 「先回りフォロワー」になる殻破りの秘訣とは

具体的に、フォロワーシップを学び、実践するためにはどうすればよいのでしょうか。

有効なアイデアの一つとして、清水講師から「ストレングスファインダー」と呼ばれるツールを用いた「強みにもとづく人財開発」の手法をご紹介いただきました。

「ストレングスファインダー」とは、世論調査で知られる米ギャラップ社が「人は自分の弱点を改善するより、自分の強みを活かすことで成功に近づく」という考え方に基づいて開発したツールです。同社は数十年にわたる調査結果をもとに、人が持つあらゆる能力のうち、成功の可能性に直接関連する才能を抽出し、34の資質に分類。これを強みの源泉として特定しました。177個の設問に対する答えを分析することで、その人に現在、最も強く表れている資質の上位5つが明らかになります。

ここでいう「資質(才能)」とは、生産的に適用できる本人の傾向性、すなわち思考・感情・行動の自然な繰り返しパターンのことであって、「強み」そのものではありません。
強みとは、特定の作業において、ポジティブな結果を一貫してほぼ完璧に生み出す能力。大切なのは「資質を育て上げて強みにする」という発想だと、清水講師は強調します。

ストレスファインダーで診断された上位5つの資質を強みとして完成させるためには、➀「知る」➁「肚落ちする」➂「活かす」の3ステップからなる能力開発が有効です。

診断で自分の資質が分かっても、ピンと来ないという人が、じつは少なくありません。
資質は、自分にとって特別なものではなく、ごく当たり前にやっている考え方、感じ方、動き方なので、「みんなも同じだろう」と思い込んでいるのです。他者にとってそれは、普通でも当たり前でもなく、むしろ難しいことなのだという事実に気づくこと――自他の違いを客観視することが、能力開発①の「知る」ステップです。

自分の資質について認識できたら、次に、日常ではそれらがどういうときに、どういう状況で効果的に使われているのか、あるいは使われていないのか、仕事や職場での役割にひきつけ、自分事として振り返ってみましょう。それが②の「肚落ち」のステップです。
本セミナーでも、事前に参加者の方々にストレスファインダーの診断を受けていただき、お互いの資質について話し合ったり、振り返った結果を発表したりすることで、能力開発①、②のステップをご体験いただきました。

そして、能力開発ステップ③の「活かす」。ここで、フォロワーシップの実践について理解します。清水講師から提示されたのは、上位5つの資質からなる「強みの輪」を活用するアプローチです。
フォロワーシップの実践における具体的な課題を解決するために、例として「最上志向」「学習欲」など資質ごとのフォロワーシップ発揮例が紹介されました。

4.プロデューサーの声

5年目社員というと、企業組織の中では手厚くフォローすべき対象から落ちやすい年次である一方で、実は次世代を担う社員を生み出すためには最もケアすべき層でもあるといえるでしょう。

まだプロとして「これで立とう」という軸が定まり切っていないこの層に、ストレングスファインダー®という共通のツールによって自分の強みを明確にすることは有用だと感じました。

同時にフォロワーシップという概念を持つことで、より視野を広く視座を高めて組織全体が見えるようになる、

まさに「一皮むける」第1歩として効果的なアプローチだと思います。

 

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