いまどき新人を読み解く Vol.4 いただき上手!叱られキャッチャーで成長力をつける

2016.01.15


【成長力編】3.「クローズドマインド」メンタリティを支える成長力

今回は、いまどき新入社員の早期戦力化するために身につけるべき力の「3.「クローズドマインド」メンタリティを支える成長力」をご紹介します。

いまどき新入社員に求められる「10の成長力」

この「10の成長力」は、「5つのメンタリティ」にそれぞれ2つずつ対応しています。また、研修場面だけではなく、職場でのOJTでも取り入れていただけるよう、育成ポイントも併せてご紹介します。

3.「クローズドマインド」メンタリティを支える成長力

3-5.態度力向上でいただき上手!
3-6.叱られキャッチャーで成長力をつける

3つ目の「クローズドマインド」メンタリティについては、2つの力を併せて説明します。
近年ではOJTトレーナー制度の整っている職場も多く、新人は「先輩・上司は教えてくれるもの」と思いがちです。しかし、先輩・上司も皆自分の仕事で手一杯な上、教えたくなる新人とそうでない新人がいれば、やっぱり人間ですから前者にパワーを割こうと思ってしまうものです。

つまり、新入社員にとっては「教えてくれる先輩・上司」という見方から「先輩・上司が教えたくなるような自分」という見方へ変えて、自分のあり方を常に高める意識を最初に持たせることが重要です。それをここでは「いただき上手」と呼んでいます。

いただき上手への道を分解すると3つのステップに分けることができます。

いただき上手3つのステップ
• フィードバック(指摘)がたくさん集まってくる自分でいること(態度力の向上によってフィードバックの量が多い状態)
• 受けたフィードバックを真摯に受け止め、学ぶ(耳がイタイことも否定しない)
• フィードバックからの学びを、次の行動へ活かす

ステップ1:フィードバック(指摘)が集まってくる自分でいること

新入社員の早期成長には周囲からのフィードバックの絶対量が欠かせないのですが、クローズドマインドメンタリティが最初の障壁となって、もらえるフィードバック量が少なくなることがあります。クローズドマインドメンタリティにおいては、思考・感情は表に出さない・出せない状態にありますので、周囲からすると何を考えているのかわからない、指導したとしても理解できたのかどうかがわからない、といったことが起こり、結果的に「教えがいの無い新人」となりかねないためです。

ここで有効なトレーニングが態度力の向上です。態度力とは、わからないことをわからないと言う、話を聴くときはしっかりうなずいてメモを取る、ありがとう・ごめんなさいをしっかりと伝える、といった非言語を含んだコミュニケーションを指します。

仕事とは価値提供であると最初にご説明しました。新入社員が生み出せる価値とは何か、翻って職場や顧客が新入社員に期待することは何かということを考えると、おのずと態度力の重要性を理解することになります。これまでのコミュニケーションの前提は「自分の考えを表に出すことは評価の対象であり恐れるべきこと」であったのに対し、ビジネスにおけるコミュニケーションとは「自分の言動1つによって相手との関係の質を高め、仕事を円滑にし、全体のパフォーマンスをあげることにつなげるもの」という前提に転換を図ります。(この前提なしにビジネスマナーを反復練習しても、言われた時だけ大きな声を出す社員にしかなりません)

これはビジネスにおける対人関係性を高めるうえでは最も重要なことであり、かつ、いまどき新人にはもっとも鍛えられてこなかったことでもあります。態度力を向上することは、相手目線に立つこと、主体性を開発することと同義でもあるのです。

例えば飲み会。先輩社員から飲みに連れて行ってもらった次の日は、寝不足な顔で遅刻ギリギリに駆け込むのではなく、先輩よりも早く出社し、先輩が出社した瞬間に「昨日はごちそうさまでした!」と笑顔で御礼を言う、といったことです。最近では導入研修でこうしたことをお伝えすることが増えています。諸先輩方からすると「そんなことまで教えなければいけないのか」と嘆く声も聞こえてきそうですが、まさに教える必要がある大事なことです。一部の体育会出身者でない限り、目上の人との対面コミュニケーションを学生時代には経験する機会はほとんど無い人が多くなっています。

その上、受け入れ側の職場でもこうしたある種処世術のようなことは、皆「出来て当たり前」と思っていても意外と教えてもらえないのが現状ではないでしょうか。根は優しく、目の前の人の役に立ちたいという思いの深いいまどき新人たち。その気持ちをきちんと相手に伝える、正しい伝え方さえ学ぶことができれば、対面での人間関係構築力を高めることができます。

ステップ2:受けたフィードバックを真摯に受け止め、学ぶ(耳がイタイことも否定しない)

新入社員のうちはどうしてもマイナスのフィードバックがたくさん集まってくることは致し方ありません。しかしそこから目を背けた途端、成長は止まってしまいます。フィードバックの受け止め方は、ストレスコーピングとも関わってきますので、詳細は成長力9のストレスコーピングでご紹介します。

ここでは、人事の皆様やOJT担当者からのフィードバックのコツをご紹介します。「1ストライク2ボール」つまり、1つ褒めて、2つ改善点を伝えるということです。打たれ弱い新入社員にとっては、1ストライクがあるだけでだいぶ精神的負担が軽くなる、そして「自分を見てくれている」という実感が持てることでくじけずに頑張ろうと思えるという2つの理由から、この方法をお勧めしています。

基本的にいまどき新人はフィードバックを欲しがる傾向にありますので、出来ていることと出来ていないことをしっかり伝えるととても喜びます。ただ、導入研修時はビジネス経験がありませんので、ロールプレイやシミュレーションでの彼らの動きをビデオに撮ってフィードバックするなど、彼らの言動を自ら理解できるような形をとると、フィードバックを受け止める土壌をつくることができます。

ステップ3:フィードバックからの学びを、次の行動へ活かす

経験学習サイクルでいう、内省→概念化→実践へと促すためのツールとして「叱られノート」というものを推奨しています。
叱られノートとは、日々叱られたこと、指摘されたことについてその内容と、学んだことを記す、というとてもシンプルなものです。しかし、このノートはとても大きな効果をもたらします。

叱られノート3つの効果
1.叱られるということは、その時の自分にとって出来ないことやハードルの高いことに挑戦したということ。その経験量を可視化することによって自信をつけることが出来る
2.あえて叱られたことだけを記すことで、相手の期待水準(仕事の水準)をつかむことが出来るようになる
3.日々記していくと徐々に自分の失敗パターンが見えるようになり、自らDo-CAPのサイクルを回せるようになる

ある企業では新入社員43名に叱られノートをつけるよう4月の導入研修時に周知し、8月と2月にはそのノートを持ってフォロー研修に臨むような仕掛けを取り入れました。以下のような結果になりました。

興味深かったのは、43名のうちなんとなくトップ層と思われるメンバーは、叱られノートの件数もトップ層に属していたということです。8月の段階ではほとんどノートを書いていなかったメンバーも、フォロー研修で同期と叱られノートを共有することで研修後の記載件数は増え、2月の研修時には記載研修を大きく巻き返したメンバーも一定数見られました。

そして、トップ層については、4冊目くらいからその書き方が変化していました。前に同じような内容で叱られことについてはマークをしたり、叱られた後の対処法をまとめるなど、自分の学びへと進化していたのです。もはや叱られノートから学びノートへとなっていました。
職場に行っても叱られることは、失敗を恐れるいまどき新人にとっては何よりも怖いことだと思います。しかし、その挑戦こそが成長となり、自信へとつながるのだということを、ぜひ学び方の手法とともに伝えていきたいものです。


楠 麻衣香
リ・カレント株式会社 若手人材開発事業部マネジャー

中央大学総合政策学部卒。経営コンサルティング会社、外資系研修会社を経てリ・カレントに参画。社会人1年目の挫折が原点となり、現代の新人教育のあり方の 追求に取り組むようになる。大手企業を中心とした人材開発支援に携わる傍ら、ゆとり世代新入社員育成のための「ゆとレスプロジェクト」を発足しゆとり世代 にフィットした新人研修を開発。現在は講師として登壇する傍ら、同社マーケティングや新卒採用も担う。


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