堀井講師Changeordie
2020.06.17

それでも会社がなんとかしてくれると思いますか? 会社任せな現状維持中堅社員に「Change, or Die」の危機意識で内発的な変革促す!

昨今コロナウィルスの影響で、3月・4月から在宅勤務を導入した企業様も増えていると思います。また、2020年4月からは働き方改革関連法が中小企業においても義務化の対象となり、働き方や事業のあり方に変革を余儀なくされています。形式的な改革にとどまらず、真の改革を推進するためにはどうすればいいでしょうか。

今回は、リ・カレントで紹介した研修プログラム「Change, or Die(変革か、死か)」のテーマを再度振り返りつつ、今組織に求められる本質的な変革について検討します。

研修プログラム「Change, or Die」の資料は
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コロナウィルスの影響下、中小企業も待った無しの働き方改革

5日間の有給取得義務化、時間外労働の上限規制など、4月に本格施行した働き方改革関連法により、中小企業でも制度導入・規制の準拠が義務化の対象となりました。

また、コロナウィルスの影響により突然在宅勤務の導入を余儀なくされ、通常の仕事を行うことが不十分な環境のまま制度をスタートさせた企業様も多いのではと思います。これまで対面で行っていた業務プロセスのオンライン化対応や、事業の大きな方向転換といった対応を迫られる企業様もいらっしゃるかもしれません。

Change, or Die(変革か、死か)は“マネジメントの父”ピーター・ドラッカーの言葉です。「変化するものが生き残る」というメッセージは、今の私たちの行動に深く問いかける言葉ではないでしょうか。

Change, or Die(変革か、死か) 変革のマインドを自分事化する

1.なぜ働き方改革は進まないのか?“できない悪循環”に陥る組織と個人

残業時間の上限規制、有給休暇取得の推進等、制度の導入は先行するものの、なかなか本質的な変革にならないという悩みの声をよく耳にします。例えば、「残業時間だけが削減され、業務効率化の方法が検討されず、マネジャーがそのしわ寄せを処理している」「在宅勤務を導入したが、対面で仕事をする時と比較し業務の理解度やチームワークが浅くなった」等の問題の声が挙がっています。

このように、制度を設けるだけでは、働き方改革の背景にある問題の本質的な解決にはなりません。制度を現場でどう活用するかまで含め、経営陣・従業員全員が考えなければ本質的な解決にはつながらないのです。

では、依然として問題があることに気づきながら、なぜ解決に向かっていないのでしょうか。その理由として、組織・人が思考停止する“できない悪循環”に陥っていることが考えられます。

人・組織が思考停止する悪循環の例

・社員一人一人に当事者意識がない

・組織の中に「どうせ変わらない」「言いたいことが言えない」という空気がある

このように、社員一人ひとりに自分が変革の一員だという意識がなく、結果組織に「言っても仕方がない」という風潮が広がり、また個人の意識が下がる……という思考停止の悪循環に陥っていることがひとつの原因です。

2.悪循環のブレークポイントは「情動」の人材育成

制度導入で人が動かないように、理屈で語っても人を動かすことはできません。論理的な正しさと同時に、情動に働きかけることが重要です。そのためには、組織のありたい姿のイメージを語ることが効果的です。

理屈で制度を説明するのではなく、まずイメージを語り、情動に働きかけることで、周囲を巻き込み変革を起こす人材を社内から育てることが重要です。

3.イメージを語ることは効果的な課題解決

明確なイメージを語ることは、短時間での課題解決にも効果的です。ありたい姿のイメージがないまま改善を繰り返す「フォアキャスト思考」と、ありたい姿から逆算して施策を打つ「バックキャスト思考」では、後者のほうが短期間で成果を出すことができます。

目の前の問題を確実に改善することも重要ですが、イメージを共有し、バックキャスト思考を取り入れることで、効果的な問題解決を進めることができます。

フォアキャストとバックキャスト思考で問題を解決する

Changeを乗り越えるのはビジョンの力

1.Changeのカギは、明確なビジョン

イメージを共有することが、“できない悪循環”を断ち個人・組織が動くカギになるという説明をしました。このきっかけから、本当のChange(変革)を起こすには、変化に伴う恐れや不安を乗り越える本気のビジョンが必要です。

リ・カレントで行ったChange Or Dieや働き方改革のセミナー時に、事例として取り上げた富士フイルム社が既存事業からの転換を決意し第二の創業を成し遂げたのは、銀塩フィルムという事業がデジタルカメラの台頭に伴って無くなることから業態変容をしなければならなかったという外的要因があったものの、その背景には経営者のビジョンとその想いを社内外に語り共有した結果です。

昨今のコロナウィルスの感染拡大は、私たちに単なる働き方の変革のみならず、これからの事業の在り方、一人ひとりの生き方の変化を問うものです。この変革を乗り越えるには、ビジョンを語り、それを共有することが必要不可欠です。

2.私のビジョンを組織のビジョンへ 情緒的共感の力

前述の富士フイルム社の成功は、経営者一人から始まったビジョンが組織に浸透し、組織のビジョンへと発展したことが大きな要因となりました。このように、「私のビジョン」を「組織のビジョン」へ広げることが重要です。

一人のビジョンを組織へ展開するためには、情緒的共感の力がキーになります。人は、「Why(なぜやるのか、どんな姿を目指すためにやるのか)」を語られることで情動をつかさどる大脳辺縁系が刺激され、モチベーションが高められるということが科学的に明らかになっています。このことからも、情緒的共感を得るには、まずは一人が「Why」を語り、それを組織全員にとっての「Why」となるまで語り、対話を続けることが必要です。

ビジョンを組織に展開するための情緒的共感の力

3.働き方改革における氷山モデル

働き方改革を氷山モデルと捉えると、水面から上にあるものをハードとしての「制度」、水面下にあるものをソフトとしての「組織のコミュニケーションのあり方」「価値観・パラダイム」とたとえられます。一見、水面上にある制度導入で解決したように見えても、実は水面下の組織のソフトを変えることが、働き方改革でもっとも大きな課題になります。

制度導入のみで手を打っても、組織に属する一人ひとりにとっては外圧でしかありません。真の問題解決は、従業員一人ひとりが当事者意識をもち、考え方やコミュニケーションの方法を変え、制度に適応する、内発的な変革があって初めて達成されるのです。

まとめ 働き方改革の本質は、組織体質の改革

単なる働き方にとどまらない、組織の在り方を問われる今だからこそ、「Change, or Die」のメッセージは私たちに肉薄しています。働き方改革の実践は、今後の大きな変革を乗り越える第一歩といえるかもしれません。

働き方改革は、組織の価値観の改革です。一人一人が共通の「Why」を語る当事者となり、組織がワンチームとなって本質的な改革に取り組めるかどうかが、「Change, or Die」の命運を分けることになるのではないでしょうか。

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