2021.06.16

【意識調査】20代働く若手の本音、働く理由を明確に「持たない」が9割、「持つ」若手も「報酬」と回答、2021年度最新20代若手社員の意識調査レポートを公開

リ・カレントでは、若手社員の「働く」に関する価値観、及びCOVID-19の影響が若手の仕事・キャリアの考え方にもたらす影響について、2021年度時点での若手社員を中心とした「2021年度最新若手意識調査」を実施しました。
本調査は、「若手を“育てる”育成から、若手と共に“育つ”育成へ」を掲げるトレジャリアにおいて、企業人事の皆様と共にこれからの若手育成を考えていくにあたり、まず20代の若手自身の率直な考えや声を聴くことが重要と考え、昨年より実施されています。
今の若手社員が何を求めているのか、またこれからの時代の若手育成に何が求められていくのか、企業の人材育成に関わる方々に参考情報としてご覧いただけるよう、調査結果をレポートとして公開します。

【追記:2023年10月30日】
本記事に掲載のグラフに集計ミスがございました。
現在は正しい情報に修正して掲載しております。
2023年10月30日以前にご覧いただいた皆様にはご迷惑をおかけしましたこと、お詫び申し上げます。
該当箇所:【Q4×Q9】「仕事観の有無」を集計軸として見るQ9「失敗観」の結果

◆調査概要
・調査対象:東京都在住の20代 若手社員1300名
・調査期間: 2020年5月
・調査方法:選択回答及び自由回答式インターネット調査
※構成比の数値は、四捨五入のため 100%にならないことがあります。
※実際の東京都の人口構成に合わせるために、回収サンプルに重みづけを行っています(ウェイトバック集計)
※非有効回答を含まないグラフもあります。

本調査では、東京都の20代1299名を広く回答者とし、仕事・キャリアに対する考え方やその理由を問うた全19設問のうちから、選択回答式をとった18設問の回答結果を示しています。
また、より企業人事の皆様のご参考になるよう、正社員1年目~5年目の職歴を持ち、かつ最終学歴において高校卒・専門卒・短期大学卒・4年制大学卒・大学院卒と答えた回答者を「働く若手社員」と定義した上で、働く若手社員の仕事観(何のために働くか)の有無が、彼らの仕事のスタイルにどのように影響するかをクロス集計した結果を掲載しています。

若手調査結果・サマリー 20代働く若手の本音

1.仕事観を明確に「持たない」は昨年同様9割
「自分は何のために働くのか(仕事観)」「どのように働き続けたいか(キャリア観)」:「明確な形で持っている」は、昨年調査内同設問回答と同様、1割に満たず。理由として、「仕事観とは何かそもそもよくわからない・考える機会がない」が多数挙げられた。

2.働く理由で最も多いのは「報酬を得るため」、社会・他者貢献は3位以下
働く目的・価値観を具体的に問うたところ、「報酬を得るため」の回答が最も多くなった。次いで「自分が成長するため」が挙げられ、社会貢献・他者(顧客・同僚など)貢献は3位以下にとどまった。

3.仕事のスタイルでは「失敗が気になる/失敗しないよう行動」が全体の8割、ただし仕事観を明確に持つ回答者は「まずはやってみる」挑戦傾向を示す
新しい環境で業務に取り組む際の仕事のスタイルについて、「失敗が気になる/失敗しないよう行動する」が全体の8割以上となった。
ただし、先述の仕事観=何のために働くかを「明確に持っている」と回答した対象者の多くが、新しい環境でも「失敗は気にせずまずはやってみる」と答える傾向を示した。

【Q4】あなたは自分の仕事観=
「自分はなんのために働くのか(仕事において譲れないもの・価値観)」を持っていますか

【Q5】仕事観を「明確に持っている/語れるほどではないが持っている」と答えた方にお聞きします。
あなたの仕事観(働く目的・譲れないもの・価値観)とは何ですか。選択肢から、ご自身の考えにあてはまるものを最大3つまで選んでお答えください

【Q9】ここからは、あなたの仕事のスタイルや、職場に求めるものについてお聞きします。新しい環境(入社、転職、転勤、部署異動など)で業務を行う状況において、ご自身の仕事のスタイルとして最も近しい選択肢をひとつ選んでください

【Q4×Q9】「仕事観の有無」を集計軸として見るQ9「失敗観」の結果

【まとめ】「働く理由を明確に持っている」若手に新しい環境での挑戦傾向あり、働く理由の内省・言語化支援が鍵

仕事観=自分はなんのために働くのか(仕事において譲れないもの・価値観)の有無については、仕事観を「誰かに語れる明確な形で持っている」という回答は昨年調査同様、1割弱に留まりました。また、「持っていない」「固まっていない」という回答の理由として、「(仕事観・キャリア観とは何か)そもそもよくわからない」「考える機会がなかった」が多く選ばれています。
自身が何のために・どのように働くか、明確に言語化ができている若手の割合は、中期的な傾向として、非常に限られていることが読み取れます。

また、「(仕事観を)誰かに語れる明確な形で持っている」と答えた回答者は、新しい環境で業務に取り組む際「失敗は気にせず、まずはやってみる」または「失敗は気になるが、やりながら学ぶ」と多くが回答しており、仕事観があいまいである/持っていない回答者と比較して強い挑戦傾向を示しています
また、仕事観を明確に持っている回答者は、キャリア観についても「誰かに語れる明確な形で持っている」と半数以上が回答しました。
加えて、彼らの多くが、新型コロナウィルスの感染拡大により、「仕事観・キャリア観が大きく変化した」と答えています。何のために・どのように働くかを明確に持ち、考えている若手であるほど、社会変化から強く影響を受けていることが読み取れます。

一方「(仕事観を)持っていない」とした回答者は、新しい環境で仕事に取り組む際、比較的「何事も上司・先輩の指示のもとで動く」とする回答傾向を示しています。
また、上司・同僚との人間関係については「特に期待しない」キャリア観については「持っていない」と回答する傾向を示していることからも、職場環境・周囲に対して能動的な期待を持たず、受け身がちに過ごしている可能性が読み取れます。

本調査の全体を通し、長引くコロナ禍の中で「何のために働くか」を見出せずにいる20代、また働く理由を大きく揺さぶられている20代の存在が浮かび上がってきました。
彼らが変化した社会の中で挑戦し活躍していくために、「なんのために働くのか」「どのように働き続けるのか」を改めて問い直し言語化する支援が、いっそう重要になっていくでしょう。

6月下旬、本調査結果の読み解きコラムの連載がスタート

今回の調査結果をもとに、
2021年の若手が持つ価値観・仕事のスタイルをどのようにとらえていくべきか
また彼らを新しい時代のリーダーに育てていくために、どのような育成施策が必要なのか、
弊社若手人材育成部を中心に、より詳しく読みこみ解説するコラムがスタートします。

◆連載内容(予定)
第1回:働く理由を明確に「持たない」が9割、「持つ」若手も「報酬」と回答
第2回:「仕事観は働く中で育つもの」は人事の幻想? カギとなるのは3年目までの”積み上げ”
第3回:「”転ばぬ先の壁”で身を守りたい……」調査結果から見る新入社員の心理
第4回:人事が知りたい! 若手社員と人事の「理想の働き方」に生まれるズレ
第5回:若手意識調査の結果から見る、”巣ごもり”新人フォロー3つのポイント

若手育成にあたり、最新の傾向をより詳しく知りたい方、
また、今の時代により適した若手育成施策の情報収集を行われている皆様のお役に立つ、
調査結果をより深堀した内容を予定しておりますので、是非ご期待ください。

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