ストレングスファインダー🄬で『3年目自信なし迷子』を『自分を信じる冒険家』に変える!自己点火力向上プログラム
「ストレングスファインダー🄬を活用して
『3年目自信なし迷子』を『自分を信じる冒険家』に変える自己点火力向上プログラム」
のセミナーレポートをお届けします。
みなさま、3年目社員のキャリアをどのように支援されていますか?
100年時代・AI・VUCAといったキーワードが並ぶ中、
身につけたいのは「変化に強く、自分の手でキャリアを作っていける力」のはずが……
- 正解を探しがちで、言われことの枠を出ようとしないように見える
- 働くということがそもそも「楽しいことではない」という概念が強いようだ
- 「自信が無い」が口癖で失敗を恐れて一歩踏み出せない
そんな若手社員の特徴を前に、試行錯誤している企業も多いようです。
今の時代、20代最初のキャリアで身につけてほしいのは「自己点火力」。
遊びをもって実験し、そこから自分の”スイッチングポイント“を見つけ、
勝ちパターンを自らつかんで再現性を高め、得意技を増やしていく力です。
新たな時代を生きる若手社員が、自分で自分を成長させ、
キャリアを切り開く第一歩を踏み出すためのストレングスファインダー🄬を用いた
新しいアプローチを、セミナー内でご紹介しました。
自社の3年目社員に感じること
セミナーの参加者の方から自社の3年目社員について伺ったところ、次のような意見が挙がりました。
- できることが増えてきて、やりたいことが出てくる反面、まだ自分が定まっておらずに「本当にここでいいのかな」と迷っている
- 期待を持って入社したが、いろいろな現実が見えてきてもやもやし始める時期。
自分が変えられることにフォーカスした考え方をできるようになってほしい - 転職を考えたり、周りを見ながら「やりたいことをとるか、収入をとるか」で迷っていたり等、揺れている人が多いように感じる
「キャリア」と一言にしても、捉え方は様々です。
本セミナーでは、
3年目社員自身が仕事人生をハッピーに過ごすこと、
彼らを含むチームが若手の活性化によって良くなっていくこと、を主眼として、
ストレングスファインダー🄬を3年目社員のキャリア育成にどのように活かしていくかを紹介しました。
ストレングスファインダー🄬とは
ストレングスファインダー🄬は、強みになりうる最も優れた潜在能力の源泉を見つけるためのビジネスツールです。
ストレングスファインダー🄬では、人の持つ才能を34に分類し、資質(Theme)と呼びます。
人は日常的に上位10個ほどの資質を、利き手のように使っています。
自分の使いやすい道具が何かを知ることで、よりその人らしい強み開発やチーム作りのヒントとすることができます。
開発のベースとなっているのは、ポジティブ心理学やインタビューです。
セミナーでは、「資質」の考え方を体感するため、利き手ではない手でご自身の名前を書いてみるというワークを行いました。
利き手でない手で字を書いているときには、急かされるとなんとなく辛い、緊張する、改めて考えないと行動できないといった感想が出ました。
利き手とは、考えなくても自然と使えるもの。資質も同様に、上位のものほど意識せずに普段から使っているものなのです。
ここで、若手社員のキャリアを考えるうえで押さえておきたいのが、ストレングスファインダー🄬の結果は変化するものであるということです。
ただし、30位以下にあったものが急にトップとなるような例は少なく、上位10~20個での順位の入れ替わりが起き、特に20代までは変化が大きく見られるそうです。
実際に弊社社員の中でも、入社直後と1年後でトップ5の資質がすべて入れ替わったり、20位ほどにあった資質がトップに上がってきたりということが起きました。
学生から社会人となり求められる力が変化したために、発揮しやすい資質が変わったということだと楠講師は言います。
資質の発揮状態 バルコニー/ベースメント
こうした資質は持っているだけでは強みではなく、バルコニー/ベースメントという2つの発揮状態があります。
バルコニーとは、自身のためだけでなく共にいるメンバーのために使うことができている状態。逆にベースメントとは、自身の欲望を満たすために暴走してしまうような状態です。
例えばポジティブという資質は、バルコニー状態であれば周囲の人を元気づけ、背中を押してあげられる強みとなりますが、
ベースメント状態であれば人の話をよく聞かず「なんとかなるよ」と言ってしまうという弱みにもなり得ます。
では、自身が発揮しづらい能力はどのように補うのか。
できないものは人の力を借りる、弱みは強みでカバーする、というのがストレングスファインダー🄬の基本的な考え方です。
資質とはみなが持っているものですが、すべてを兼ね備えた人はおらず、万能になろうとする必要はないということです。
34個の資質理解
資質は大きく4つの系統に分けられます。
実行力系・・・物事を完了させるために強い力を発揮する
影響力系・・・人々を動かすために強い力を発揮する
人間関係構築力系・・・自身より誰かのために働くときに力を発揮する
戦略的思考力系・・・物事を進めるときにまず考えることを大切にする
セミナーでは、若手社員における資質の活かし方を中心に、34個の資質について詳しく説明を行いました。ここではいくつかをご紹介します。
達成欲
忙しい状態を好み、生産的であることに強い満足感を覚えます。
反面、休むことを空白ととらえてしまう、会議における「アイディア発散のための雑談」を嫌う、と言った言動がベースメント状態では見られます。
頑張っているときには「少し休んだら?」と声をかけられるより「もう少しだから頑張ろう」と後押しされることで、モチベーションが高まります。
最上志向
常に上を目指す性質があります。
他人の業務に対しても向上を強く求める傾向があり、ベースメント状態の場合、上司や先輩の力を自身の基準で測り「何であんなできないやつに……」と不満を持ってしまうといった言動が見られることがあります。
期限ぎりぎりまで提出物を作り込む、短い時間で最大効率の成果をあげるといった状況で力を発揮することができます。
ポジティブ
周囲の気持ちや考えを敏感に察する才能の持ち主です。
反面、自分以外の人が叱責されているのを見るだけで、自身も精神的に疲弊してしまうような面があります。
特に3年目社員など上司・先輩の姿を見て過ごすことが多い立場では、周囲の思ってもみないところで知らず知らずのうちに負担を感じてしまうことがあり得ます。
未来志向
10年後、50年後など、未来を見据えて物事を考えることを得意とします。
反面、目の前の業績のみに集中するなど先行きが見えない状態で物事に取り組むと、ストレスを感じます。
未来志向を上位に持つ人同士で話をすることで、互いにエネルギーを引き出すことができます。
3年目社員のストレングスファインダー🄬活用事例
では、実際に3年目社員はストレングスファインダー🄬をどのように活用しているのでしょうか。
弊社の3年目社員(TOP5:最上志向、ポジティブ、適応性、成長促進、包含)および講師への質疑応答で挙がったものから、いくつかをご紹介します。
──ストレングスファインダー🄬を受けてよかった点は?
「強みは自分ではよくわからない。
ポジティブが上位に入っているのだが、自分ではネガティブだと思っていた。
この会社に自分がいていいのか、自分に手がかかっているのではないかと悩んでいるとき、ストレングスファインダー🄬を受けたことで『自分ってポジティブなんだ!』と自信が持てた」
──上司がフィードバックにストレングスファインダー🄬を活用すると良いと言うが、
ストレングスを使わなくてもフィードバックはできるのではないか
「もちろんできるが、『強み』を仲介することで、耳に痛い内容でも受け入れやすくなる。
あなたの性格がだめ、あなたがだめと言われると受け入れづらく、つらい。
『あなたの”ポジティブ”が、変に働いているよ』と言われると、『うまく働いてないな、どう活用するかな』と自分の持っている資質を飼いならす感覚になり、次はどうするかを考えやすくなった」
上司と共通言語を持つことでFBが機能しやすくなりますが、必ずしも部下の34資質の順位すべてを上司が知っておく必要はないと楠講師は言います。
重要なのは、ストレングスファインダー🄬によって、若手社員が自分の中で何が起きているのか深く理解し、自分の成功パターンを知り、経験学習サイクルを回していくこと。
そのためには互いの資質上位5つを把握し合う程度で良いのだそうです。
──例えば人間関係系ばかり上位にある若手に実行力を期待するとき、どうすればよいか
「資質が一見ないからといって、できないわけではない。
自分の道具をどのように使ってアプローチしていくか、資質の活かし方を知ってから苦手と思っていた仕事も面白くできるかもしれないという感覚をつかんでいった」
人それぞれ資質の発揮方法は違います。たとえば一見リーダーシップとは結び付きづらい”成長促進”という資質でも、得意先を育てるという観点で活用することでリーダーシップを発揮させることもできるのです。
若手社員がうまく資質が使えたと感じるシーンや彼ら自身が持つ成功パターンを丁寧に聞き出すことが、彼らの”自己点火力”を高めるヒントになるのだと言います。
これからの時代のキャリアを考える
では、資質を強みとして開発していくには、どうすればよいのでしょうか。
苦手なことや理不尽なことに立ち向かう中で、For Usの視点で自身が最もエネルギー高く取り組める方法を考え、見つけることが肝要だと楠講師は言います。
好きなこと・得意なことだけをやり続けてしまっては、いまどきの若手社員の特徴としてもよく挙がる「失敗を恐れる」傾向を助長することにつながります。
特に3年目社員のキャリア開発においては、苦手な領域に対して、下位の資質を無理に発揮しようとするのではなく、上位の資質でどのように補っていくのかを考えることが大切です。
本来は上長側が3年目社員のキャリアを考える機会を作ってあげられると良いですが、往々にして上長の方はキャリア開発よりも実務の成果に目がいきがちな状況にあります。
残業削減が叫ばれる中、3年目をはじめとした20代社員は、リーダーや管理職になる人が持っているような”壁を超える”経験をどんどんしづらくなってきているのです。
VUCAと表されるこれからの時代、予測不可能な変化に対応する力が求められることは言うまでもありません。そのため、キャリアの考え方もこれまでとは変わってきます。
従来のキャリアの考え方は綿密なプランニングをし、その計画通りに事を進めるというものでした。
しかし、プランニングに頼りきりでは、これからの時代に巻き起こる変化に対応できません。
その前提を踏まえ、3年目社員のキャリアにおいて重要となるのは次の3つです。
- 目標より挑戦
「期待(あれもできそう、これもやりたい)」と「不安(自分はこのままここにいてもいいのか)」に揺れ動く3年目社員には、自分らしいキャリアを作ることができているかどうかに目を向けさせることが大切です。
効率よく作り込まれたキャリア予測ほど、想定外の変化に弱いものです。中長期的な目標を立てることに苦心して現状に留まるより、繰り返し挑戦し、その結果から普遍性の高い成功・失敗パターンを自分で見つけだすことで、自分らしいキャリアを形作ることができます。 - 自分らしさ・武器
キャリアの初期(20代)に、自分の内なる動機にドライブされたやり方で成果を出す経験を得ることで、自己効力感をもって自分のキャリアにポジティブに向き合うようになります。
自身の行動・選択に自信を持つことで、「自分に向いている仕事は何か」と環境を移すことで自身の現状を変化させようとするのではなく、「この仕事では、自分の能力をどう発揮することが向いているか」と自分で変えられることに思考の軸を切り替えることができます。 - チーム力、コラボレーション
多様な価値観とスピーディな変化におけるイノベーションは一人のスーパーマンからは生まれません。チームとして協力し、高い成果を出そうというプレッシャーが、20代の成長実感には強く影響します。
ただし、共倒れにならないよう、メンバー間の助け合いを生むには個々人が自立した力をつけていくことが大前提であると3年目社員自身にも理解させることが必要です。
私たちにサポートできることは何か?
こうしたキャリアを3年目社員が築いていくために、育成担当者(人事部門、上司)に求められるのは、彼らが自律的に挑戦し学び取るための”武器”を手にするサポートを行うことです。
具体的には次の3つの観点で、3年目社員が経験の中から学びを得られるよう、研修などの仕掛けとして落とし込んでいくことが重要です。
ストレングスファインダー🄬の活用方法は多岐に渡り、今回ご紹介した3年目社員キャリアへの活用は一例に過ぎません。
同時に、ストレングスファインダー🄬を使うこと自体が目的になってしまっては、活用は難しいのだと楠講師は言います。
楠「ストレングスファインダー®はキャリアにもチームビルディングにも、解決したい課題へ柔軟に使えるツールです。
だからこそ、『解決したい課題が何なのか」にきちんと目を向けたうえで活用方法を考えることが大切です」
おわりに
セミナー後、ご参加いただいた皆様からは次のような感想が寄せられました。
「ストレングスファインダー🄬とは、の入門が良くわかりました。どう使うかは課題テーマありき。納得です。」
「講師の方自身が常に強みを使ってお話しいただき、様々なお話から理解につなげることができた」
「若手のキャリア開発へのアプローチが整理できた」
今回ご来場いただいた皆様は、ストレングスファインダー🄬自体にご興味をお持ちの方が多かった様子でしたが、活用例の一つとして、若手育成にストレングスファインダーが活きてきそうだ、というご実感をいただくことができたのではないでしょうか。
さらに詳しい研修内容のご紹介は、下記より資料をダウンロードください。