ストレングスファインダー🄬を活用して 『3年目自信なし迷子』を『自分を信じる冒険家』に変える 自己点火力向上プログラム

2018.12.25

みなさま、3年目社員への育成支援はどのように行っていますか?

今も昔も、3年目はキャリアの踊り場に立つ時期。仕事がそれなりにできるようになり、ある意味組織の限界も分かったつもりになると「隣の芝が青く見える」ときでもあります。また、近年の若手は「仕事にはそこまで期待しない」という仕事への諦め感を持つ人も一定数見受けられます。
私たちとしては「変化に強く、自分の手でキャリアを作りだせる力」を期待したいはずなのですが……

  • 正解を探しがちで、言われたことの枠を出ようとしないように見える
  • 働くということがそもそも「楽しいことではない」という概念が強いようだ
  • 「自信が無い」が口癖で失敗を恐れて一歩踏み出せない

そんな若手社員の特徴を前に、試行錯誤している企業も多いようです。

今の時代、20代最初のキャリアで身につけてほしいのは「自己点火力」。
仕事の中で試行錯誤しながらある意味「実験」し、自分なりの”スイッチングポイント“を見つけて、勝ちパターンをつかんで再現性を高め、得意技を増やしていく力です。

今回は、新たな時代を生きる若手社員が、
自分で自分を成長させ、キャリアを切り開く第一歩を踏み出すための

「ストレングスファインダー🄬を活用して
『3年目自信なし迷子』を『自分を信じる冒険家』に変える
自己点火力向上プログラム」

のセミナーレポートをお届けします。

自社の3年目社員に感じること

セミナーの参加者の方から自社の3年目社員について伺ったところ、次のような意見が挙がりました。

  • できることが増えてきて、やりたいことが出てくる反面、
    まだ自分が定まっておらずに「本当にここでいいのかな」と迷っている
  • 期待を持って入社したが、いろいろな現実が見えてきてもやもやし始める時期。
    自分が変えられることにフォーカスした考え方をできるようになってほしい
  • 転職を考えたり、周りを見ながら「やりたいことをとるか、収入をとるか」で迷っていたり等、
    揺れている人が多いように感じる

「キャリア」と一言にしても、捉え方は様々です。
本セミナーでは、
3年目社員自身が仕事人生をハッピーに過ごすこと、そして、
3年目社員が成長することで彼らを含むチームが活性化するような存在となること、を主眼として
ストレングスファインダー🄬を3年目社員のキャリア育成へ活用する方法を紹介しました。

ストレングスファインダー🄬とは

ストレングスファインダー🄬は、アメリカの調査会社Gallupが開発した、人間の強みになりうる最も優れた潜在能力の源泉を見つけるためのビジネスツールです。ポジティブ心理学をベースに、成果を出してきた約200万人のビジネスパーソンへのインタビューから開発されています。

ストレングスファインダー🄬では、人の持つ才能を34に分類し、資質(Theme)と呼びます。
Web上でテストを行うと、34種類の資質の中から、自らが得意とする資質が分かります。
人は日常的に上位10個ほどの才能を利き手のように使っていて、自分の使いやすい道具が何かを知ることで、よりその人らしい強み開発やチーム作りのヒントとすることができます。

セミナーでは、「強み」の考え方を体感するため、利き手ではない手でご自身の名前を書いてみるというワークを行いました。
利き手でない手で字を書いているときには、急かされるとなんとなく辛い、緊張する、改めて考えないと行動できないといった感想が出ました。

しかし、利き手の場合、考えなくても自然と書ける(使える)ため、一見すごいね!と言われても本人は「?」となるかもしれません。それくらい人の強みとは、自分にとっては当たり前すぎて上位の資質ほど意識せずに普段から使っているものの中に隠れている才能なのです。

ここで、若手社員のキャリアを考えるうえで押さえておきたいのが、ストレングスファインダー🄬の結果は変化するものであるということです。ただし、下位にあったものが急にトップとなるような例は少なく、上位15個前後での順位の入れ替わりが起き、特に20代までは変化が大きく見られるそうです。

実際に弊社社員の中でも、入社直後と1年後でトップ5の資質がすべて入れ替わったり、15位ほどにあった資質がトップに上がってきたりということが起きました。
学生から社会人となり求められる成果を出すために普段使う力が変化し、使える才能資質が変わった(以前よりも増えたという感覚)ということだと楠講師は言います。

資質の発揮状態 バルコニー/ベースメント

実は、ストレングスファインダー=強み発見、という名前がついていますが、テストの結果で出てきた才能そのものは強みというわけではありません。Gallupでは強み=才能×投資と定義していて、自分の持っている才能を使ったり、時に理不尽や苦手なことに挑戦することで強みへと開発していくことが重要です。
才能の使い方にはバルコニー/ベースメントという2つの発揮状態があります。

バルコニーとは、成熟していて、自身のためだけでなく共にいるメンバーのために使うことができている状態。これを「才能を強みとして使えている状態」と呼びます。

逆にベースメントとは、未熟で自身の欲望を満たすために使ったり暴走してしまうような状態。「才能を弱みとして使っている状態」です。

例えばポジティブという資質は、バルコニー状態であれば周囲の人を元気づけ、背中を押してあげられる強みとなりますが、ベースメント状態であれば状況を理解しないままに「なんとかなるよ」と言って周囲を不安にさせてしまうという弱みにもなり得ます。
弱みは避けるものではなくマネージする(正しく付き合う)ものです。自分自身で才能がベースメント状態になっている、ということを認識して暴走している才能を止めたり、ほかの上位資質でカバーすることで、自身の弱みを上手にコントロールすることができるようになります。また、無いもの(下位資質にあたるような才能や感覚)は、正しく他者から力を借りることで、「大人の相互依存状態」を目指そう、というのがストレングスファインダー🄬の基本的な考え方です。
人の持つ才能・強みは一人一人まったく違います。すべてを兼ね備えた人はおらず、自分に無い才能を身につけようとする必要はありません。自分の持っている才能に注力し、万能になろうとする必要はないということです。

34個の資質理解

資質は大きく4つのグループに分けられます。

実行力系・・・物事を完了させるために強い力を発揮する
影響力系・・・人々を動かすために強い力を発揮する
人間関係構築力系・・・自身より誰かのために働くときに力を発揮する
戦略的思考力系・・・物事を進めるときにまず考えることを大切にする

セミナーでは、若手社員における資質の活かし方を中心に、34個の資質について詳しく説明を行いました。ここではいくつかをご紹介します。

達成欲
忙しい状態を好み、生産的であることに強い満足感を覚えます。反面、休むことを空白ととらえてしまうため、若手のうちはとにかく働き者で成果が出やすいかもしれません。一方で、他者にも同じ状態を求めるため、後輩や部下がついたときに仕事が終わらない状態で帰る人を見ると「信じられない!」と相手を非難する、もしくは自分ですべて巻き取ってしまって部下の成長を阻害してしまう、といったベースメント状態になるかもしれません。
頑張っているときには「少し休んだら?」と声をかけられるより「もう少しだから頑張ろう」と後押しされることで、モチベーションが高まります。

最上志向
優秀なもの、匠の技に惹かれる才能です。自らその分野の優秀な人に会いに行ったり、セミナーに行くなど技術の向上を図るような場に出向くことでより成果が高まるかもしれません。効果効率を求める人は、残業しないようにどうやったら時間内に完璧に終わらせるかを考えて段取り力が高まることもあるでしょう。以前、優先順位付けが得意という3年目社員の方に聞いたところ、万が一納期に間に合わないと自分が許せないので(ここに最上志向が働いています)、2・3箇所修正点が入ることを見越して1週間前には上司に成果物のチェックを依頼し、必ず納期に間に合わせるのだと話していました。話しながら、まさか最上志向をこんなところに使っているなんて思わなかった!と、無意識に行っていたことを知ってとても喜んでいらっしゃいました。
一方で、ベースメントづかいになると期限ぎりぎりまで粘って場合によっては進捗報告が遅れてしまう、ということもあります。また、優秀な人が好き!の感覚が上司や先輩に向いてしまうと、力を自身の基準で測り「何であんなできない人に……」と不満を持ってしまうといった言動が見られることがあります。

ポジティブ
周囲の気持ちや考えを敏感に察する才能の持ち主です。いつも周囲を明るく楽しく笑顔の状態にしたい、という思いがあるので、ご自身もにこにこと明るい方が多いのが特徴です。反面、自分以外の人が叱責されているのを見るだけで、自身も精神的に疲弊してしまうような面があります。
特に3年目社員など上司・先輩の姿を見て過ごすことが多い立場では、周囲の思ってもみないところで知らず知らずのうちに負担を感じてしまうことがあり得ます。

未来志向
人によっては10年後、50年後といった遠い未来について、ビジュアルでありありと描くことができる才能です。未来志向の特徴は、描く未来は必ず明るくてポジティブであることです。周りの人には見えない未来がありありと見え、周囲にその姿を発信することで、チームに夢やエネルギーを与えることのできる才能でもあります。反面、未熟な状態だと場合によっては地に足がついていなかったり、夢想家と思われてしまう面もあります。目の前の業績のみに集中するなど先行きが見えない状態で物事に取り組むと、ストレスを感じます。
未来志向を上位に持つ人同士で話をすることで、互いにエネルギーを引き出すことができます。

3年目社員のストレングスファインダー🄬活用事例

では、実際に3年目社員はストレングスファインダー🄬をどのように活用しているのでしょうか。

弊社の3年目社員(TOP5:最上志向、ポジティブ、適応性、成長促進、包含)および講師への質疑応答で挙がったものから、いくつかをご紹介します。

──ストレングスファインダー🄬を受けてよかった点は?
「強みは自分ではよくわからない。
ポジティブが上位に入っているのだが、自分ではネガティブだと思っていた。
この会社に自分がいていいのか、自分に手がかかっているのではないかと悩んでいるとき、ストレングスファインダー🄬を受けたことで『自分ってポジティブなんだ!』と自信が持てた」

──上司がフィードバックにストレングスファインダー🄬を活用すると良いと言うが、
  ストレングスを使わなくてもフィードバックはできるのではないか
「もちろんできるが、『強み』を仲介することで、耳に痛い内容でも受け入れやすくなる。あなたの性格がだめ、あなたがだめと言われると受け入れづらく、つらい。
『あなたの”ポジティブ”が、変に働いているよ』と言われると、『うまく働いてないな、どう活用するかな』と自分の持っている資質を飼いならす感覚になり、次はどうするかを考えやすくなった」

上司と共通言語を持つことでFBが機能しやすくなりますが、必ずしも部下の34資質の順位すべてを上司が知っておく必要はないと楠講師は言います。
重要なのは、ストレングスファインダー🄬によって、若手社員が自分の中で何が起きているのか深く理解し、自分の成功パターンを知り、経験学習サイクルを回していくこと。そのためには上長と部下、チームメンバー同士が互いの資質上位5つを把握し合う程度で良いのだそうです。

──例えば人間関係系ばかり上位にある若手に実行力を期待するとき、どうすればよいか
「資質が上位にないからといって、できないわけではない。自分の道具をどのように使ってアプローチしていくか、資質の活かし方を知ってから苦手と思っていた仕事も面白くできるかもしれないという感覚をつかんでいった」

人それぞれ資質の発揮方法は違います。
たとえば、この質疑応答に応えた3年目社員は、一見リーダーシップとは結び付きづらい”成長促進”という資質を、得意先を育てるという観点で活用することでリーダーシップを発揮させることができたと言います。
このように若手社員がうまく資質が使えたと感じるシーンや彼ら自身が持つ成功パターンを丁寧に聞き出すことが、”自己点火力”を高めるヒントになるのだと楠講師は言います。

これからの時代のキャリアを考える

では、資質を強みとして開発していくには、どうすればよいのでしょうか。
苦手なことや理不尽なことに立ち向かう中で、For Usの視点で自身が最もエネルギー高く取り組める方法を考え、見つけることが肝要だと楠講師は言います。

強みを活用すると言っても、好きなこと・得意なことだけをやり続けてしまっては、いまどきの若手社員の特徴としてもよく挙がる「失敗を恐れる」傾向を助長することにつながります。
特に3年目社員のキャリア開発においては、苦手な領域に対して、下位の資質を無理に発揮しようとするのではなく、上位の資質でどのように補っていくのかを考えることが大切です。

本来は上長側が3年目社員のキャリアを考える機会を作ってあげられると良いですが、往々にして上長の方はキャリア開発よりも実務の成果に目がいきがちな状況にあります。
残業削減が叫ばれる中、3年目をはじめとした20代社員は、リーダーや管理職になる人が持っているような”壁を超える”経験をどんどんしづらくなってきているのです。

VUCAと表されるこれからの時代、予測不可能な変化に対応する力が求められることは言うまでもありません。そのため、キャリアの考え方もこれまでとは変わってきます。
従来のキャリアの考え方は綿密なプランニングをし、その計画通りに事を進めるというものでした。しかし、プランニングに頼りきりでは、これからの時代に巻き起こる変化に対応できません。その前提を踏まえ、3年目社員のキャリアにおいて重要となるのは次の3つです。

  • 目標より挑戦
    「期待(あれもできそう、これもやりたい)」と「不安(自分はこのままここにいてもいいのか)」に揺れ動く3年目社員には、自分らしいキャリアを作ることができているかどうかに目を向けさせることが大切です。
    効率よく作り込まれたキャリア予測ほど、想定外の変化に弱いものです。中長期的な目標を立てることに苦心して現状に留まるより、繰り返し挑戦し、その結果から普遍性の高い成功・失敗パターンを自分で見つけだすことで、自分らしいキャリアを形作ることができます。
  • 自分らしさ・武器
    キャリアの初期(20代)に、自分の内なる動機にドライブされたやり方で成果を出す経験を得ることで、自己効力感をもって自分のキャリアにポジティブに向き合うようになります。
    自身の行動・選択に自信を持つことで、「自分に向いている仕事は何か」と環境を移すことで自身の現状を変化させようとするのではなく、「この仕事では、自分の能力をどう発揮することが向いているか」と自分で変えられることに思考の軸を切り替えることができます。
  •  チーム力、コラボレーション
    多様な価値観とスピーディな変化におけるイノベーションは一人のスーパーマンからは生まれません。チームとして協力し、高い成果を出そうというプレッシャーが、20代の成長実感には強く影響します。
    ただし、共倒れにならないよう、メンバー間の助け合いを生むには個々人が自立した力をつけていくことが大前提であると3年目社員自身にも理解させることが必要です。

私たちにサポートできることは何か?

こうしたキャリアを3年目社員が築いていくために、育成担当者(人事部門、上司)に求められるのは、彼らが自律的に挑戦し学び取るための”武器”を手にするサポートを行うことです。
具体的には次の3つの観点で、3年目社員が経験の中から学びを得られるよう、研修などの仕掛けとして落とし込んでいくことが重要です。

ストレングスファインダー🄬の活用方法は多岐に渡り、今回ご紹介した3年目社員キャリアへの活用は一例に過ぎません。同時に、ストレングスファインダー🄬を使うこと自体が目的になってしまっては、活用は難しいのだと楠講師は言います。

「ストレングスファインダー®はキャリアにもチームビルディングにも、解決したい課題へ柔軟に使えるツールです。だからこそ、『解決したい課題が何なのか』にきちんと目を向けたうえで活用方法を考えることが大切なのです」

■おわりに

セミナー後、ご参加いただいた皆様からは次のような感想が寄せられました。
「ストレングスファインダー🄬とは、の入門が良くわかりました。どう使うかは課題テーマありき。納得です」
「講師の方自身が常に強みを使ってお話しいただき、様々なお話から理解につなげることができた」
「若手のキャリア開発へのアプローチが整理できた」

今回ご来場いただいた皆様は、ストレングスファインダー🄬自体にご興味をお持ちの方が多かった様子でしたが、活用例の一つとして、若手育成にストレングスファインダーが活きてきそうだ、というご実感をいただくことができたのではないでしょうか。


今回セミナーでご紹介した3年目社員育成プログラムの詳細を含めた、1~3年目社員+OJTトレーナー育成体系の資料は下記フォームからダウンロードください。

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