【セミナーレポート】次世代経営幹部候補から培う、組織内「変革」土壌~これからの変革リーダーのありようを考える4つのステップ~

2021.07.19

イノベーション推進が必要だと分かっていながら、企業変革のリーダーが育たない。長期で企業の将来性を捉えたときの危機感に目が向かず、目の前の目標達成に終始してしまう。リ・カレントでは、そのような悩みの声をお伺いしてきました。
問題は次世代リーダーとなる人材の力量だけの問題ではありません。組織としてリーダーを育成できるよう、育成担当の一人ひとりが変わる必要があります。

本セミナーでは、企業変革に関わる問題提起にフォーカスし、リ・カレントが提供するリーダーシップ研修のプログラムを紹介しながら、どのように「変革型リーダー人材」を育成するべきか、参加者のみなさんと共有しました。

このコラムではセミナーの内容をダイジェストでお届けします。登壇資料をご覧になりたい方は、こちらからダウンロードください。

なぜリーダーシップを発揮しないのか。企業のリーダーの問題点

第1部では、セミナー参加者から事前に寄せられたリーダー育成の質問について回答しながら、課題感を共有。
変革型リーダーを育成するのに重要なポイントとして2点ご紹介しました。

ポイント① リーダー像を描けているか
✔短期的な視野ではなく、組織の10年後、20年後の成長を支える人材像を描いているか
✔現場の管理職もその視点で部下を育成しているか

ポイント② 描いた人材像を育成する施策・風土になっているか
✔従来通りのマネジメント教育ばかりしていないか
✔新しい取り組みや挑戦に対して、過度なリスクヘッジを求め、主体性を削いでいないか

正しくリーダー像を描き、リーダーの主体性を育てる組織風土があって、初めて変革型リーダーが生まれる組織になると言えます。

次世代リーダーシップ研修の狙いと全体像

リ・カレントが提供するリーダーシップ研修の狙いは、「次期経営幹部候補として、リーダーシップを発揮して周囲を巻き込みながら、組織の問題を主体となって解決に導くことができる人材を育成する」こと。
そのために変革型リーダーのありようを考える4ステップをご説明しました。

ステップ① マネジメントとリーダーシップの違いを理解する

マネジメントとリーダーシップについて、混同して理解されている場合が多くあります。マネジメントとリーダーシップは補完的な関係にあり、異なる能力です。

マネジメントは会社から与えられる役割であり、人と組織を動かして成果を出すことが求められます。一方リーダーシップは個人の力量であり、周りの人を動機付けして、自ら成果を出す能力です。組織にとってどちらの能力も必要ですが、企業のライフサイクルのフェーズによって発揮するポイントが異なります。

▼企業のライフサイクル
成熟期においてはマネジメントが求められますが、変革期へ移行するべきフェーズにある企業が、いつまでもマネジメントだけをしていては、なかなか変革フェーズへ移りません。変革期はリーダーシップが求められるフェーズなのです。

ステップ②時代の変化に伴う組織課題を考える

次のステップでは、変革が求められる時代の、「変化」とは何かを考えます。
外部環境の変化や自社における問題を捉えるポイントとして、3つのポイントを紹介しました。

①広い視野での事業ドメインの捉え直し
②「洞察」と「視座・視野・視点」
③問題を捉えるものの見方~「技術的問題」と「適応課題」~

①広い視野での事業ドメインの捉え直し

自社の事業を捉える視点を変えると、提供するサービスも変わってきます。例えばトヨタ社は「自動車メーカー」という視点から「モビリティサービスを提供する会社」と定義しなおし、街づくりなどメーカーの視点からは大きく拡張した事業を進めています。
また技術の進歩についても目を向けることが重要です。今やAIの言語処理能力は人間に肉薄し、コピーライティングやデザイン、作曲など、人間にしかできないと考えられていたクリエイティブ領域にも手を伸ばしています。
自社の強みだと捉えていた技術が、もはやコモディティ化している可能性もあるのです。

日本全体まで視野を広げてみると、世界から見て日本の産業はこの30年間で大きく後れをとったと言えます。
世界時価総額トップ50社にはいる企業数は、30年前と比べ大きく減退しました。
これらの状況を俯瞰してみることで、変革に対する危機感を共有することができます。

②「洞察」と「視座・視野・視点」

かつて世界のトップを戦えた日本の上意下達・勤勉な組織ではもはや太刀打ちできません。目の前の仕事をするだけではなく、未来のある時点から振り返って現在をとらえる「洞察力」が必要です。
「視座・視野・視点」について、組織に置き換えれば課長・部長・経営といった組織の階層の高さ、部署や企業、社会、世界を横断した視野の広さ、長期で問題をとらえられる時間軸の長さになりますが、これらがリーダーの器に直結します。

長期的な視点で問題をとらえられるほど、より創造的な問題解決につながります。変革型リーダーにとって将来からバックキャストで現在をとらえる視点は重要だと言えます。

③リーダーが問題を捉えるものの見方~「技術的問題」と「適応課題」~

変革型リーダーには、周囲の人への内発的な動機付けによって問題解決を進めることが求められます。
外圧的に改善を求めることで、現場に「やらされ感」が生まれ、形だけ整える問題解決になってしまいます。
外圧的に与えられるルールで解決すると捉えた場合は「技術的問題」、問題に対して一人ひとりがどう対応するべきかを考えるべきと捉えた場合は「適応課題」と呼びます。

技術的問題ととらえ、根本的な問題が解決しない典型的な具体例は「働き方改革」。「労務管理を徹底する、残業を減らす」というルールばかりが先行しても、現場は「仕事は減らず、目標も変わらず、時間だけが減って無理に決まっている」とできない理由を会社や他人に押し付け、一人ひとりが変わることはありません。

問題へのアプローチを、一人ひとりが自分事として考えられるよう働きかけるのがリーダーシップだと言えます。

ステップ③オーナーシップと使命を持つ

問題をとらえるものの見方を理解したうえで、オーナーシップと使命がなくては変革型リーダーとして行動できません。
目の前の目標達成に固執しすぎると、リスクをとって変化・変革にチャレンジができません。実際の研修の中では、過去の変革者によって作られてきた社会・会社・仲間に囲まれた私たちが、次の世代に何を還元していくかという視点で、ディスカッションを行います。

ステップ④共感を引き出し、人を動かす

変革を推進するリーダーにとって、周囲を巻き込むためには「共感」が重要です。研修では、アメリカの公民権運動を主導したキング牧師の映像を見ながら、対立と分断を生むのではなく、新しいビジョンを見せること、組織のあるべき姿を描くことの力を共有します。

実際に組織を動かすには、個別のアプローチも重要であり、そのコンフリクトの解決方法についても研修プログラムの中ではお伝えしています。

まとめ:次世代リーダーが育つ組織づくりを

本セミナーでは、変革が求められる組織課題の共有、変革型リーダーのありようを考える4ステップをご紹介しました。

目の前の仕事だけに集中していると、ゆでガエルのように、いつの間にか時代に取り残され、衰退の一途をたどるという事態になりかねません。未来から現在の課題を捉える洞察力をもって、変革型リーダーを育成する組織づくりを始めませんか。

関連記事
関連セミナー