【セミナーレポート】3年目の「自称まだまだプレーヤー」を、自ら仕事を取りに行く「キャラ魅せリーダー」に!

2021.10.13

一律の階層別教育を廃止する企業も増えている一方で、人事の方から1~3年目の課題――特に「3年目社員の育成・活性化」に対しての施策を検討したいとの声は根強く上がっています。
2021年に3年目を迎えた社員は、自走が求められる2年目の矢先からコロナ渦の影響を強く受け、現在の職場での成功体験を持ちづらい中で、自身の仕事やキャリアについて考えています。

今回は、そうした3年目社員の成長意欲・組織構貢献意識を高め、
自ら仕事を取りに行く「キャラ魅せリーダー」へと育成するメカニズムについてお伝えしました。

■より詳しく知りたい方のためのダウンロード資料内容■
・自発性を引き出すための研修設計
・起承転結型リモート共創チームのビジョン
・実際のプログラム内容(アジェンダ)

現状把握:3年目社員の今を知る

3年目社員のワークエンゲージメント低下の理由

セミナーの初めに、3年目社員の現状について、調査データを活用しながら解説しました。現状、3年目社員のワークエンゲージメントが低下しているという問題が見られます。なぜでしょうか。

ワークエンゲージメントと「個人の幸福感」「離職意向」等との関係性についての調査によると、ワークエンゲージメントが低い人ほど、個人の幸福感が低く、離職意向も高い、また職場への適応感が低いという傾向があります。

ワークエンゲージメントの低下を招く要因として、次の2つがあると言われています。
  ①仕事の裁量が低い
  ②仕事の負荷に対する報酬の不足
この2つのうち、コロナの影響でリモートワークが主体になったことで、「①仕事の裁量」が低くなっているのです。

コロナという非常事態ゆえ、若手の仕事を経験する機会が減少

コロナ以前は、マネージャーがメンバーに仕事を任せ(リーダーシップ)、任された仕事を組織に貢献する(フォロワーシップ)という2つの循環で成り立っていました。

ところが、リモートワークになると、非常事態ゆえ、マネージャーが本来メンバーに任せるべき仕事を巻き取ってしまうという事態が発生
これが進行していくと、上司が多くのタスクを抱え込む一方で、メンバークラスは何も任されない、やることがない状態が長くなり、成長実感が得られなくなります。そして、仕事がない状態が怖くなり、本当は必要がない、小さな仕事をどんどん作ってしまうという事態になっているようです。

また、非対面は相手の気持ちが分かりづらく、「相談していいのか分からない」という気持ちの分断や、「自分が仕事をさぼっていると思われているのでは」、という不安にもつながっています。
では、どうすればワークエンゲージメントを高めることができるのでしょうか。

キャリアの見通しと、仕事の捉え方の変化がキー

3年目社員がワークエンゲージメントを高めるには、個人のキャリアの見通しと、自分の仕事の捉え方の変化がキーになります。しかし、マネージャーが考える「キャリアの見通し」と「仕事の捉え方」が、3年目社員に受け入れられる考えとすれ違っている可能性があります。
実際のNG例、良い例を元に、それぞれの考え方を見てみましょう。

■「キャリアの見通し」の伝え方

NG例:「いつか上司・先輩のようになれるよ」
上司や先輩と同じようなキャリアを積みたいとは思っていない若手社員が多く、動機づけになりません。

良い例:「直近6ヶ月で○○ができるようになってほしい」
プロフェッショナルとして、自分の介在価値に関心が高いことを伝えられます。また若手にとっても目標設定がしやすいため、成長実感が得られやすいといえます。

■「仕事のとらえ方」の伝え方

NG例:「こんなに達成するなんて、君は数年前の○○さんを超えたね」
誰かと比べる言い方は、著しくモチベーションを下げるので要注意。このように伝えると、「自分は〇〇さんと比べられているのだろうか」と不信感につながる可能性もあります。

良い例:「この仕事は顧客企業の○○というビジョンの実現に貢献しているよ」
他社への影響を言語化することで、若手社員の仕事の意味付けをする声掛けをすると、モチベーション向上につながります。

育成の課題:リーダー像のずれと、OJT育成の無力化

リーダーに対する固定概念から、「リーダーになりたくない」と考える若手社員が多いことも課題です。
ある調査によると、リーダーのことを「周りを引っ張ることができる」「カリスマ性がある」人物だと捉える傾向があることが分かっています。一方で、人事や事業責任者が考えるリーダーは、みんなで助け合い・協力する「全員発揮型のリーダーシップ」を掲げることが多いのではないでしょうか。
若手社員の、リーダー像に対する固定概念を是正することも一つの課題です。

また、リモートワークが主体になったことで、「とにかく先輩の仕事を見る」「経験する」というOJTが通用しなくなったことも課題になっています。

若手社員のキーワード「最適状況探し」

3年目社員を知るもう一つのキーワードとして、「最適状況探し」があります。
3年目社員は積極性がない、仕事にチャレンジしないとマネージャーや経営者からは見えるかもしれません。しかし、実際は「誰も傷つけたくないから、黙っている」という態度だと考えられます。

SNSなどインターネット空間でのコミュニケーションに触れて10代を過ごしてきた今の若手社員は、「嫌われたくない、傷つけたくない」と考える傾向があります。
会社においても、自分がなにもしない、何も言わないことがこの場を一番よくする選択だと考えている可能性があるのです。

3年目社員の現状のまとめ

3年目社員育成の課題解決には、まず3年目社員の今を知ることが肝要。
コロナによって職場環境が大きく変化した今、育成のアプローチも本格的に見直す必要があります。

自発性を引き出すアプローチ~実例でみるキャラ見せリーダーへの4ステップ~

3年目社員の現状を振り返り、次のセッションでは若手社員がリーダーになるための4ステップをリ・カレント社員の実例をもとにお話ししました。

コロナ禍を経てうかびあがったフォロワーシップ学習の課題

組織成長のキーワードとして、組織の一員としてリーダーやチームに貢献する「フォロワーシップ」が提唱されてきました。しかし、コロナ禍を経て、これまでのフォロワーシップに課題が見え始めました。

これまでのフォロワーシップ学習では、上司からの期待を把握し、上司に相連報を自らとり、上司に提案するというステップを設けていました。

しかし、コロナによってコミュニケーションや仕事の経験が不足し、次のような課題が浮かび上がっています。

貢献すべき対象が上司という発想がそもそも古い(今は「パートナー」という考え方のほうが受け入れられやすい)
・組織をまとめる経験が不足しているため、上司の観点が分からず、何を把握すればいいのか分からない
・報連相をとる意味と中身のイメージがつかない
・上司が何をしたいのかわからないため、何を提案すればいいのかわからない

現場を前提としたフォロワーシップ教育では、通用しないことがあぶりだされてきたのです。そこで、その前段として、小さなリーダー成功体験によって、上司や組織の目を持ち、全体最適の目を持つというステップが必要になっています。

実例:リ・カレント3年目社員Nさんのリーダー体験

セミナーでは、リ・カレントの3年目社員の実話をもとに、「まだまだ2年目」の態度からどのようにリーダーへ変化したのか、そのステップをお伝えしました。

「まだまだ」という口癖がある若手社員だった

2年目だった当時、仕事が増えてきてパンクしそうになっていたNさん。でも、実際に忙しかったのは社内会議のための過剰な準備でした。
先輩に相談したところ、無理に会議に出ず、その時間を使って新しい挑戦をすることをアドバイスされます。
そんなときに、「内定式プロジェクトを担当してみないか」という挑戦がやってきました。

②新しい挑戦が!内定式プロジェクトの依頼

人事部から、「同期で協力して内定式を企画してほしい」と声をかけられたNさん。
Nさんは、同期と協力してプロジェクトを進めていきました。企画を進める中で、やりがいを感じはじめ、プロジェクトのまとめ役を担うことに。

準備する中で、他のメンバーとの情報共有が少なく、企画も思うように進まず、不安に思う時期がありました。内定式は無事終了しましたが、その後の振り返りがきっかけになり、Nさんはリーダーへ大きく成長します。

成長のきっかけ:①振り返り会

依頼をしてくれた人事の方に、Nさんは「もう少し情報共有しながら進められたら良かった」と本音を打ち明けます。
しかしそこで、相手に報連相を求めているのに、自分が報連相をしていなかったということに気づいたのです。
報連相といったチームメンバーからの自発的な行動というのが、リーダーにとって嬉しいことだという気づきにつながりました。

成長のきっかけ:②先輩との対話

内定式終了後、反省点を踏まえて先輩に相談。「上司や先輩から見ると、状況を教えてくれる方が嬉しい」という言葉をもらって、大きな気づきが。
部下の自分はの役割は自分に与えられた仕事をすることだと捉え、上司や先輩に情報共有は必要ないと捉えていた自分のバイアスに気づいたそうです。

それから、Nさんはメンバーと一緒に仕事をするにあたって、コミュニケーション、自発的な発信を意識するようになりました。

③自発的な発信を心がけて、行動する

この気付きをきっかけに、リーダーの立場や気持ちになって、仕事に取り組むことができるようになったそうです。

また一番大きな変化としては、「その仕事、私がやってみたいです」と、声を大にして伝えることができるようになったこと。もちろん失敗したり、悩んだりしますが、さまざまな仕事を楽しみながら挑戦できていると言います。

Nさんの変化の過程、いかがだったでしょうか。
企画リーダーの仕事を経験したことで、リーダーの視点を知り、メンバーとしてフォロワーシップも発揮できる3年目社員にステップアップできた事例をご紹介しました。

キャラ魅せリーダーへの4ステップ

最後のセッションでは、キャラ魅せリーダーの特徴を把握し、若手社員が成長するためのステップを解説しました。

キャラ魅せリーダーとは

リ・カレントが考える「キャラ魅せリーダー」は、次のような特徴があります。

・他社へのニーズを把握している
・自身が貢献できる強みを認知している
・相互補完関係をつくる

このような特徴を持ち、自分へのセルフイメージに偏りが少ない人を、「キャラ魅せリーダー」と呼んでいます。

キャラ魅せリーダーへの4ステップ

3年目で大きく成長する社員の行動や経験の傾向を4ステップにまとめました。

ステップ1 チームの成果「アウトカム」の視点を持つ

チームのゴールを意識できる視点、「アウトカム視点」を持つことが出発点です。アウトカム視点をもともと持っていなくても、ゲームや体感・内省によって築くことができます。

ステップ2 小さなリーダー経験を体感する

Nさんのように小さなリーダー経験を積むことが望ましいですが、リーダー経験がない場合も、これまでのプロジェクト経験を内省したり、研修を行うことで、同様の効果が得られます。正解のないプロジェクトで切磋琢磨して、成功や失敗をリーダーとして体感することが重要です。

ステップ3 自分とチームの固定観念に向き合う

Nさんの事例では、「先輩に相談・共有する必要はない」が固定観念でしたが、このように過去の体験を振り返ってどのような固定観念を持っていたかに向き合うことで、リーダーへの気づきが得られます。

ステップ4 周囲を巻き込むコミュニケーション

最後のステップとして、先輩や周囲を巻き込むために必要なコミュニケーションについて学びます。

この4つのステップを経てリーダーの視点を理解することで、はじめてフォロワーシップを発揮できるのです。

起承転結型チームで、リモート共創チームを実現

最後のセクションでは、個人がキャラ魅せリーダーとして活躍した上で、チームとしてあるべき姿についてお伝えしました。

リモートワーク主体の状況において、新しい価値やアイディアを生み出すために、最適なのが「起承転結型チーム」です。
起承転結型チームでは、起・承・転・結という4つのキャラクターが発揮されます。
起・承・転・結の4つのキャラクターは、次のような特徴があります。

①起:アイディアややりたいことがどんどん出てくる直感閃きタイプ。周囲にアイディアが理解されないことも。

②承:アイディアマンの意見をまとめる役割。アイディアを具体的なタスクに落とし込むのが得意。一方で、抱え込みやすい一面も。

③転:承が作った流れを受けて、具体的なアイディアやプロトタイプに仕立てる役割。具体化されたアイディアを批判的に検証するため、企画が振り出しに戻ることも。

④結:磨き上げたアイディアやプロトタイプを、顧客とのコミュニケーションをとる役割。顧客のフィードバックとチームの板挟みにあうことも。

リーダーシップ教育として小さなリーダー体験を積む上で、起承転結のチームを作ってみてはいかがでしょうか。それぞれのキャラクターを発揮してほしいと動機づけをすることが、若手のリーダーシップ発揮の1歩かもしれません。

まとめ:若手社員の自発性を引き出すために

本セミナーを通じて、若手社員の自発性をどのように引き出すかについてお話ししました。

上司・先輩の観点を知るために、まずは若手自身が「小さなリーダー成功体験」を積むことが重要です。その体験をする後押しとして、「キャラ魅せ」のコンセプトを伝えてみてはいかがでしょうか。

セミナー資料では、さらに詳しく

・自発性を引き出すための研修設計
・起承転結型リモート共創チームのビジョン
・実際のプログラム内容(アジェンダ)

などがご覧いただけます。
ぜひお手に取ってご覧いただき、人事・育成担当の皆様の課題解決の一歩になれば幸いです。

また、3年目キャラ魅せリーダー育成プログラムに関する他社様のご支援事例や、個社様ごとのご課題感に合わせた無料相談も随時承っております。以下よりお気軽にお問合せください。

 

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