「アレコレやらねば」な新任管理職を「コレダケやれば」に変えるたった1つの習慣

2022.03.22

マネジメントの原則からマイセオリーを創出する”マネジメント経験学習サイクル”

ジョブ型人事制度、DX推進、リモートワークの浸透など外部環境の急激な変化に伴い、様々な企業が制度や組織体制変更を余儀なくされる中、その影響をもっとも受けているのが管理職です。

皮肉なことに変化に対応しようと改革を進めている企業ほど、管理職が負担を感じる傾向は強く、同時に人事担当者と管理職では「管理職の役割」の認識に大きな差があります。

いわば、「人事が認識している以上に管理職が自身の役割を広く捉え、変化に振り回される」状況が生まれているのです。

常に経営方針(経営陣)と現場実態(部下)との板挟みの状況で、管理職が自身の役割を正しく知り、マネジメントを続けるためには、変化に対応しながらもぶらさない、軸として立ち戻る”原則”が必要です。

今回のセミナーでは、板挟み管理職が”ぶれないマネジメント”の軸を手に入れるたった1つの原則を紹介し、彼らが確信を持ってマネジメントを行うための、経験学習サイクルの回し方についてお伝えしました。

管理職のやりがい:従業員満足度(ES)の源は、幸福感

マネジメントとは、「組織の目的を実現するためにメンバーと協働しながら成果を上げ、顧客満足(CS)と従業員満足(ES)を両立させること」と定義されています。

プレイヤーは顧客満足(CS)がやりがいだと思いますが、管理職のやりがいの中心は従業員満足度(ES)です。
その中でESの源であり、昨今問題になっているテーマとして取り上げられるのが幸福感です。

ポジティブ心理学の創設者マーティン・セリグマンは、幸福感を形成する5つの要素をPERMA(パーマ)モデルと定義しています。

P(Positive Emotions)=ポジティブ感情
E(Engagement)=共感・参画
R(Relationships)=関係性
M(Meaning)=意味・意義
A(Accomplishment)=達成

従来の考え方は、目標達成・業績が良ければ幸福になるというものでした。しかし、様々な心理学の実験や検証によって、先に幸福感を感じれば業績が上がるということがエビデンスとして証明されています。
つまり、幸福感と従業員のパフォーマンスには大きな関係があるのです。
マネジメントのやりがいの中心となるES向上には、幸福感を高めていくことが重要になります。
それでは、従業員の幸福感、およびその先につながるパフォーマンスを高めていくために、管理職に求められていることは何でしょうか。

ここからは、”ぶれないマネジメント”の軸となるマネジメントの原理原則について触れていきます。

マネジメント・マトリクス:取り組むべきは、先手を打った問題解決

管理職に求められる、先手を打った問題解決行動。
マトリクスで分解してみると、業務・人それぞれの側面において維持と改善のアプローチがあります。特に大切なのが人間関係(人の側面×維持)を基にした人材育成(人の側面×改善)です。

また、プレイヤーから管理職の大きな変化として、PDCAサイクルのあり方が変わることが挙げられます。
プレイヤー時代のPDCA(Plan・Do・Check・Action)から、管理職ではCareが加わったPDCCAに変化します。つまり、1人1人が幸福なキャリアや仕事、エンゲージメントをCareしながら、問題解決をしていくことが求められます。

経験学習サイクル:まずは自分自身が実践していく

そして、スキルを身に付けるには「経験」からの学びが必要であり、経験から学習することを強化していくことが重要です。
特に人材育成などの対人関係に必要なスキルは、人と向き合わないと向上していかないため、この傾向が顕著です。

しかし、経験をしただけでは学習したことにはなりません。そこで重要になるのが、経験学習サイクルです。

経験したことを内省して振り返り、その経験から何を学び、どのように応用できるのかを持論化することが、学習能力を高めることに繋がります。

経験学習サイクルのメッセージの中核は、「部下にいかに経験学習で学んでもらうか」という側面が強くなっています。しかし、部下に経験学習で持論を引き出せるコミュニケーションを取れる管理職は、自らもマネジメント経験における学習サイクルを回しています。

つまり、まずは自分自身が実践するということが重要になります。

管理職としての5つのスタンス:ぶれない軸を手に入れるために

一方で、経験学習サイクルを思った通りに回せていないケースは少なくありません。
その背景としては、大きく3つの課題が浮かび上がります。

・管理職の上位者である部長、役員層にマネジメントのモデルがいない
・管理職の評価が「結果業績偏重」、マネジメントプロセスに置かれていない
・管理系業務が増大しており、マネジメントの本来業務にパワーをかけられない

このような悩みを抱えている新任管理職の方は多く、解決する策の一つとしては、管理職としてのスタンスを確立していくことが重要です。

管理職としてのスタンスには、大きく5つの切り口があります。

第一スタンス:メンバー・ファースト
第二スタンス:利他利己の両立
第三スタンス:目的志向
第四スタンス:ファクトの尊重
第五スタンス:ポジティブ認知

本記事では、第一のスタンス:メンバー・ファーストについてご紹介します。

経営の資源はヒト→モノ→カネ→情報という順番で、ヒトが最初にきます。つまり、経営の目的を実践する管理職は、ヒト中心のメンバー・ファーストで仕事をしていくことが重要です。

冒頭に記述した通り、マネジメントはESとCSの両立ですが、優先するのはES(成長感・帰属心)です。しかし、数値目標を重視するような上位者のマネジメントになってしまうと、どうしてもCS(売上・利益)を優先してしまいますので、注意が必要です。

また、生産性や稼働率を強調されてしまった場合にも、設備などに対するモノを優先されてしまって、ヒトが後回しにされてしまう傾向があります。しかし、お金を生み出すモノ・設備を動かしているのは最終的にはヒトであるということを強く意識し、習慣化していくことが求められます。

こうした5つのスタンスが管理職のぶれない軸の基盤となっていきます。

これからのマネジメント:経験学習から組織学習へ

経験学習は進化していて、これまでのリフレクション(進行形の内省)からエンジョイメント(意味の変化)に移行すると良い、という調査結果もあります。

自分自身のマネジメント経験を振り返っていただくと、失敗の中にも何か意味・意義があったのではないでしょうか。そのような実感を得られることで、チームが一丸となるような目的に置き換えていける管理職になっていきます。

チームで「経験学習サイクル」を回すミーティングを実施し、経験学習を進化させ、最終的に組織学習にまで発展させてみてはいかがでしょうか。

詳しいセミナーの内容・学習デザインの設計事例を含めた詳細資料は以下からご覧いただけます。

関連記事
関連セミナー