セミナーレポート・ヒューマンキャピタル2017「いまどき若手のナゾを解く5つのメンタリティ×育成3つのアプローチ」 Part.1

2017.07.19

セミナーレポート「ヒューマンキャピタル2017」
「いまどき若手のナゾを解く5つのメンタリティ×育成3つのアプローチ」 Part.1

今回は2017年6月28日~30日に行われた日本経済新聞社、日経BP社主催、企業の成長を支える「人」に関わるソリューション、サービスを一堂に集め、最新情報を提供する人事業界最大のイベント、「ヒューマンキャピタル 2017」で行われた

リ・カレント株式会社
人材組織開発プロデュース部 事業部長/森 強士
若手人材開発事業部 マネジャー/楠 麻衣香

 


 

の2名による講演、「いまどき若手のナゾを解く5つのメンタリティ×育成3つのアプローチ」のセミナーレポートをお送りします。

「言われたことしかできない」「わかりました!が全然わかっていない」「例年に比べるとなんとなくだらっとして見える」若手社員を育成する管理職からすると、理解できない現象が後を絶たないなかで、「いまどき若手」の行動のナゾを、彼らの生きてきた時代背景から読み解いた5つのメンタリティをもとに、若手が自ら成長するためのOff-JT施策と、職場における育成指導者としての関わり方を、3つのアプローチとしてご紹介します。

当日の会場は満員で立ち見の方まで出るなか、隣り合わせたお客様である人事担当者の方々それぞれのディスカッションタイムもあり、これからの時代についての動画なども流され、大盛況のセミナーとなりました。ここでは、当日の講演の模様を振り返る形で、当日の資料なども交えつつ、レポートとしてお届けします。

若手世代を理解するための一つのツールとしての「5つのメンタリティ」

楠:みなさんが、実際に職場で、もしくは研修の現場でお会いしている若手、新入社員でも3年目、5年目、どんな世代の方、どんな年齢でも構いません。20代の社員の方で、最近遭遇した特徴的だなと感じたこと――たとえば、みなさんの心情としては「えっ、そんなことしちゃうの?」とか、もしくは「ちょっと理解できない」「自分ではそういうことやらないなぁ」というようなことですね。
こう言うとネガティブなことがどうしても頭に浮かぶのですけれども、ボジティブなことでももちろん結構です。「それは僕にはできないな」というところでも構いませんので、何かひとつ、みなさんが具体的に遭遇した20代の言動というところで、隣の方と共有をしていただきたいと思っております。
では、お願いいたします。

 

(シェアタイム)
お隣の方とちょっとご挨拶
いまどき若手の特徴的な言動は?

 

楠:みなさん、このまま30分話してていてもいいかなちというぐらい、いろいろと遭遇されているところもあるんじゃないでしょうか。
今、みなさんがちょっと小耳に挟んでいるような言動を、何でそうなっているの?というところを、私どもからの情報提供ということで最初にお話をさせていただきたいなと思います。
弊社、リ・カレントでは、年間延べ約2,000人ぐらいの20代の方と研修会などでお会いをする機会がございます。
そのなかで、昨年「いまどき若手の5つのメンタリティ」と「10の成長力」ということで、特性を発表させていただきました。
ここでは「メンタリティ」という言葉を使っておりまして、これは心理学用語で「物事を考えるときの特徴的な心情」もしくは「心的構造」というふうに定義をされています。いわゆる受け止め方、とらえ方の傾向、フィルターというようなことで考えていただければと思います。
ですので、このメンタリティ自体には良い悪いというのがないんですね。これはあくまでレッテルを貼るためのものではなくて、若手世代を理解するための一つのツールとしてとらえていただければと思います。

この「5つのメンタリティ」をこれからご説明するのですが、これがどうして出来上がってきたのか。これには、3つの大きな要因があります。1つは家庭環境ですね。2つ目が学校教育、そして3つ目は社会経済、こういった彼らの育ってきたさまざまな環境によってこのメンタリティというものは出来上がってきていると分析をしております。

指示されたこと以上のことをやらない「で、いいや」メンタリティ

では、まず1つ目の「で、いいや」メンタリティというところをご紹介させていただきます。これは、全般的に「そこそこで満足です」という感覚です。いわゆる思い切り歯を食いしばって、もっともっとやってやろうというよりも、言われたことを無難に間違いなくやっておけば合格点というような、そういう感覚です。

特徴的な言動としては、指示されたこと以上のことをやらないとか、研修などで「10分間ディスカッションお願いします」というふうに話しても5分ぐらいで終わってしまう。そこで何が起きているかというと、一人一人発言をして、それ以上深めたりとか、もしくは何か違う意見があるから擦り合わせをするとか、そういったことが起きないというようなことが、ここ3年ぐらい、特に新入社員研修のなかで見られるようになってきました。
ポイントは、彼ら自身は決して手を抜いているわけではないんですね。彼ら自身は100%で取り組んでいる。ただし、私たち上の世代から見ると、どうにも80%ぐらいに見えるという、このギャップが生まれているというところがポイントです。
何でこうなってしまったのか、何でこういったメンタリティを持っているのかというところをお話ししますと、一番大きい要因はやっぱり時代背景ですね。今年の新入社員、大卒でストレートで入社をされると1994年、平成6年生まれになります。バブル崩壊が1992年なので、彼らの生まれるもう2年前にはバブルが崩壊している。今の若手世代が生まれたときには、既に世の中的には不況な状態なんですね。
弊社の代表が、今、51歳。1989年入社の人間なんですが、私がよく入社したころにちょっと業績が悪くなったりとか、困難な状況になるとよく「やれば上がるから大丈夫だ」と言われていたんです。「やれば上がる」ってどういうことかなと思ったんですが、まさにこのメンタリティからすると、いわゆる不況の時代で、やったらやった分だけ何か返ってくるという原体験が必要に少ないといわれています。なので、そういったものを持ち合わせていないというのは一つ大きな要因なのではないかなと。
一方で、いい面としては、言われたことについてはしっかりと手を抜くことなくやり切るという側面があります。これは新人のときは意外と大事なことで、仕事の質を上げていくためにはやっぱり量をこなしていかなきゃいけない。そのときに、四の五の言わずにまずやるといった、指示をされたことについてしっかりやるといった感覚は、良いものとして評価できるのではないでしょうか。これが「で、いいや」メンタリティです。

どこかに正解を探し求めてしまう「正解を検索」メンタリティ

そして2つ目、「正解を検索」メンタリティです。これは、どこかに正解というものを探し求めてしまうというものでして、物事には正解というものがあるんだという感覚と、その正解というのは自分の外側にあるという、この感覚なんですね。
たとえば、入社してすぐ、もしくは若手のメンバーに「報告書書いといて」とか「議事録録っておいて」もしくは「週報書いて」というふうに、口頭で書き方を説明して出てきたものを読むと、妙に見慣れたことのある、中身を読んでみると別に彼じゃなくても書けるというような中身がありまして、「これ、どうしたの?」ってよくよく聞いてみると「『日報 書き方』ってGoogleで調べてそのまま出しました」とか「『報告書 書き方』で出しました」と。そんな感じなんですね。
みなさん、私たちもよく分からないことを検索してしまうことはあるとは思うんですけども、仕事って正解がないですよね。これは、私たちはよく分かっている感覚だと思うんですが、どうするかというと、自分なりに考えて、自分の意思を持って何かをやってみて、それをトライして振り返って、また次の自分の経験につなげていく。これがいわゆる仕事のなかでの進め方だと思うのですけれども、そういったことが「どこかに正解がある」と思っていると「正解じゃないものだと怖くてできない」「行動になかなか一歩つながりにくい」ということがどうしてもあります。
自分で考える力というのがなかなか鍛えられてこなかったという背景もあります。たとえば上司とやりとりをしていても、その上司が言っている意図って何だろうなとか、お客さまは今なぜここでちょっといぶかしげな顔をしてるんだろうなっていうことを自分なりに考えて意図を探っていくというような力がなかなか鍛えられてこなかったという背景があるように思います。
一方で、この検索文化で鍛えられてきた力がありまして、それがキーワード力です。キーワード力と情報処理能力。興味のあるテーマについては、芋づる式に情報を集めることは得意です。あとは複雑なことを一言でキーワード化するという能力が非常に高い。ものすごくたくさんの情報に囲まれて生きているので、大量な情報を処理をしてマニュアルを作るとか、そういったものに非常にたけている、そういった強みがあります。これが「正解を検索」メンタリティです。

 

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