組織活性化の鍵となるエンゲージメントとは~「共感度」を可視化するエンゲージメントサーベイ「E3-Survey」のご紹介~

2020.12.21

研修や福利厚生、社内制度、待遇など、従業員が気持ちよく働くための環境を整えているにも関わらず、従業員は組織への愛着が少なかったり、「言われたことだけやっていればいい」と受動的な態度が見られる。そんなふうに、経営・人事と現場の間で意識の乖離を感じていないでしょうか。

人生100年時代の考え方の浸透、働き方改革、コロナウイルスによる環境変化と、様々な要因によって、組織と個人の関係性が変化し、今は「個人が組織に雇われる」より、「個人が所属する組織を選ぶ」意識が強いと言えます。コロナ以降在宅勤務を取り入れる企業が増え、物理的に離れた環境にいることで、組織としての帰属意識を持ちにくくなっていることも、一つの要因でしょう。そんな中で従業員が組織にどれだけ愛着を持ち、仕事に取り組めているか、いかに従業員が成長し組織の中で力を発揮できるような働きかけをするべきか、喫緊の課題となっているのではないでしょうか。

従業員が組織に貢献意識を持ってパフォーマンスを発揮し、組織としても成長する会社になるためには、従業員の組織に対する「エンゲージメント」がキーとなります。今回はリ・カレントが考える「エンゲージメント」について、また組織と従業員のエンゲージメントの現状を調査するエンゲージメントサーベイについてご紹介します。

1.エンゲージメントとは

人事領域における「エンゲージメント」は会社に対する愛着心や仕事への情熱、従業員と会社の双方向の関係性や結びつきの度合いを表し、エンゲージメントが高い状態だと従業員が仕事や組織に対して自発的な貢献意欲を持ち、主体的に取り組めていると言えます。

リ・カレントはこのエンゲージメントが表す結びつきを、組織と職務(ワーク)の2つの観点で捉えています。「組織エンゲージメント」は、従業員と組織の結びつきを表し、組織自体に愛着があり、貢献したいと思っている状態の度合いを表します。「ワークエンゲージメント」は、従業員と職務の結びつきを表し、仕事に対して活力や熱意があり、没頭できている状態の度合いを表します。

従業員のエンゲージメントが高い職場は、業績や顧客満足といった社外への影響だけではなく、離職率が低いことや品質上の欠陥が少ないことなど、社内へもいい影響があることが調査(※)から明らかになっています。
※出所:ギャラップ社調べ(2017)

つまりエンゲージメントの向上は、従業員が主体的に仕事に取り組み、組織としてパフォーマンスを発揮するために重要だと言えます。

2.エンゲージメントをどのように計測するのか?

「エンゲージメント」が重要であるとはいえ、抽象的で目に見えないものであるため、エンゲージメントについて話し合うためには定義が必要です。リ・カレントは、エンゲージメントを従業員の会社や仕事に対する「共感度合い」であると定義しています。

エンゲージメントの測定においては、会社・組織を「経営」、「上司」、「職場」、「職務(仕事)」の4つに分類し、各分類についてそれぞれやるべき施策が実行されているか事実を評価します。

また各分類の施策について、従業員がどの程度共感し、主体的に考え行動しているかを測定します。(前述の「組織」と「ワーク」の分類では、「経営」「上司」「職場」が組織、「職務」がワークに相当します。)測定結果によって「施策」とそれに対する「共感」のギャップが可視化され、本質的に取り組むべき問題が整理できるようになります。

「共感度」は、従業員自身と組織の重なり度合いによって測られます。上司がよかれと思って設けている制度や部下に与えていることが、部下に共感されていない場合があります。例えばこんなケースがありました。コロナによるリモート環境でコミュニケーションの機会を作るために上司が朝礼・夕礼制度を設けたところ、部下から好意的なフィードバックがあったにもかかわらず徐々に参加率が下がるようになりました。そこで部下に匿名アンケートをとると「マネジャーに監視されているように感じた」という本音がうかがえたという事例です。この事例のように、部下が上司や職場に対し共感しているかどうかは、直接的なフィードバックでは見えない場合があります。。

今回、リ・カレントは前述の「共感度」指標に基づき組織のエンゲージメントを可視化するエンゲージメントサーベイを開発しました。エンゲージメントサーベイによって、従来あいまいであった従業員の組織に対する「共感度」を定量的に数値化し、現状を客観的に把握することができます。

3.従来の従業員満足度調査とエンゲージメントサーベイの違い

従来も「従業員満足度(ES: Employee Satisfaction)」と呼ばれる尺度で従業員の組織に対する満足度は調査されていましたが、これは二つの意味でリ・カレントが考えるエンゲージメントとは異なり、問題があると考えています。

従来の顧客満足度調査の問題点の一つ目は、会社が与えた物に対する一方通行な評価のみで、従業員目線でのフィードバックが得られない点です。

従業員満足度は、組織が提供する職場環境や待遇、報酬に対する従業員の満足度をチェックするもので、従業員が能動的に組織に働きかけられているかを測る尺度がありません。一方エンゲージメント調査では、組織と従業員が対等な関係と捉え、会社への愛着・思い入れ、組織と従業員がお互いに成長しあう関係性等、組織と従業員双方向の結びつきの強さを調査します。

問題点の二つ目は、組織に対する満足度しか測れず、職務に対する満足度が分からない点です。エンゲージメントは「組織」と「職務(ワーク)」二つの観点がありますが、ワークエンゲージメントの観点が欠けています。従来の従業員満足度調査では、組織に対して満足していても、仕事に対して満足できていない従業員の「従業員満足度」が高く出てしまうという問題がありました。エンゲージメント調査では、組織と職務の二軸でエンゲージメントを調査します。

4.組織・職務共感度による従業員の4タイプ

計測結果は、「組織共感度」と「職務共感度」の2軸によって形成される4象限の中で、従業員がどのように分布するかによって表現されます。

①天職・協働タイプ

職務共感度も組織共感度も高い、理想のタイプです。組織と一体感をもって仕事をしていて、このタイプの従業員が多い組織は一枚岩となって事業運営を進めることができます。

②受動・従属タイプ

組織共感度は高いものの、職務共感度が低いタイプです。会社には満足しているものの仕事に対して受動的な従業員で、与えられた仕事だけをやればいいと考える傾向があります。このタイプの従業員が増えると、組織が縦割り化し、従業員の成長意欲が低くなり結果事業成長の鈍化につながる恐れがあります。

③自律・独立タイプ

職務共感度は高いものの、組織共感度が低いタイプです。一匹狼で、チームで一緒に仕事をする意識が低いため、パフォーマンスを発揮していたとしても、独立・転職してしまう場合があります。

④受動・妨害タイプ

職務共感度も組織共感度も低い、ぶら下がりタイプです。従業員がこのタイプに陥っている場合は早急な対応が必要です。

前述の従業員満足度調査では、「②受動・従属タイプ」「③自律・独立タイプ」も満足度が高い結果が出てしまう恐れがありました。リ・カレントのエンゲージメント調査では、組織共感度・職務共感度の2軸で測ることで、組織の本質的な問題を可視化することができます。

<測定結果イメージ>

5.エンゲージメントサーベイをどう活用するのか

サーベイは、調査して終わりではありません。問題を可視化し、どう対策を立てていくか対話をするためのツールです。

リ・カレントでは、組織開発を次の3ステップで提唱してきました。

STEP①「腹決め現状把握」
組織の現状を事実データを基に同じ言葉で認識する。組織の打ち手と、その共感度合いに気づく。

STEP②「腹割り対話」
当事者全員を集め、“腹を割った”対話を行う。「言えない・聞けない」のない、安心・安全が担保された環境を整えた上で本音をぶつけ合う。

STEP③「腹落ち未来想像」
個人の挑戦を皆で支援する。会社としての挑戦を皆で喜ぶ。
参考:HRカンファレンス2018秋「理念浸透による組織開発 ~『仕組み先行型』から『共感ベース型』へ~」Part.2

これまで「共感」を数値として客観的に見ることが難しく、現場と組織が同じ目線に立って対話することが難しいことが問題でした。サーベイは組織・従業員双方向のエンゲージメントを数値で現れるため、組織の問題を客観的にとらえることができます。エンゲージメントサーベイの結果を、組織開発のSTEP①「腹決め現状把握」の材料として用いることで、その後本質的な問題にフォーカスした組織開発に取り組むことができると考えています。

コロナにより大きな環境変化があった2020年は、従業員のエンゲージメントは多くの企業が考えるテーマになりました。体の健康診断をするように、エンゲージメントサーベイで組織の健康診断をして今後の組織開発に向け対話を始めてみませんか。


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