2018.09.21

人生100年時代の“ 航海図 ”を描く! 50代から考える「トリプル・キャリア」【第5回】トリプル・キャリアで、定年後も稼ぐための「情報リテラシー」 <その1>

監修者
大杉 潤(合同会社ノマド&ブランディング/リ・カレント プロフェッショナルパートナー)

『定年後不安: 人生100年時代の生き方』(角川新書)の著者であり50代キャリアの専門家、
大杉 潤講師による連載コラム!

50代社員が定年後を見据えつつ、モチベーション高く会社に貢献するための「トリプル・キャリア」の考え方を伝授します。

トリプル・キャリアで、定年後も稼ぐための「情報リテラシー」 <その1>

前回までは、人生100年時代に、「トリプル・キャリア」という人生設計を立てて、長く働き続けるために必要な「戦略的準備すべき4つのスキル」2番目として、「コミュニケーション術」について説明してきました。

定年後の「お金」や「孤独」の不安を解決するためには、実は「情報リテラシー」が鍵になります。人生後半の充実度を決めるのは「情報との付き合い方」にかかっている、と言ってもいいでしょう。

なぜなら、何歳になっても「知的生活習慣」を持って日々、過ごすことが、充実した人生のベースになるからです。

戦略的に準備すべき4つのスキル その3「情報リテラシー」 <その1>

今回は、定年後も稼ぎ続けるために「戦略的に準備すべき4つのスキル」その3として、情報リテラシーについて、説明していきます。まず、<その1>として、情報のインプットについて述べてみます。

人間の寿命は、最終的には「脳の寿命」で決まるとも言われていて、知的好奇心を持って脳が活発に働き続けていれば、元気で自立した生活が送れるそうです。

私たちはよく、人の名前など「もの忘れ」をすることが増えてくると、認知症を心配したり、年のせいだと落ち込んだりする人が多いのですが、最近の脳科学の進歩で分かった知見では、年を取ると蓄積した情報量が多くなるために、忘れたわけではないがうまく引き出せなくなるためだ、ということです。

高島徹治著60代から簡単に頭を鍛える法』(知的生きかた文庫)によれば、脳の中で記憶と深く結びついている「海馬」と呼ばれる器官は、「記憶の司令塔」と言われていて、必要に応じて大脳皮質から情報を取り出してくる役割を担っているそうです。

この「海馬」が、思い出すことに深く関わっていること、そして脳細胞は年を取るにしたがって数が減っていくものの、「海馬」の脳細胞だけは例外で、細胞分裂をしてむしろ増えていくことが、近年の脳科学の研究で明らかになってきました。

つまり、定年後の年齢になっても、脳を鍛え、記憶力を高めることは可能なのです。私がこれまで読んできた脳科学関連の書籍や自分自身の経験から、情報のインプットを継続的に行い、それを使える記憶として定着させるには、以下の6点がポイントになります。

  • 好きなことに関する情報を、好奇心を持ってワクワクしながらインプットする
  • 右脳を活用して、イメージや映像を思い浮かべながらインプットする
  • 収集している情報の背景、周辺情報および関連情報(これらを「メタ情報」と呼ぶ)を併せてインプットする
  • 音読や書くなど、五感を刺激しながらインプットする
  • 何度も目に付くところに表示する等、「自然記憶」の力を使う
  • 忘れることは何度も繰り返して覚え直す

これらはすべて、脳科学の研究が明らかにした「脳のクセ」を活用した合理的なインプット方法です。

とくに最初に挙げた、好奇心を持って「知りたい」という意欲が大切で、リラックスしてワクワクしながらインプットしたものは頭によく入り、記憶にも定着します。

定年後は「好きなこと、得意なこと」をテーマに仕事をしていくことを私が勧めているのも、情報のインプットがスムーズに行って結果が出やすいのと、たとえ結果がなかなかでなくても、学習が継続しやすくスキルアップが図れるためです。

つまり、結果が出るまで事業を継続することができやすく、したがっていずれ結果もついてくるというわけです。

50代が力を発揮する「メタ情報」の集積

記憶法のテクニックとして、右脳によるイメージ活用や、目・耳・手・口などなるべく五感をフルに使って何度も繰り返すことの効果については、受験生の勉強法などでもよく知られているため、ご存知の方も多いでしょう。

一方、「メタ情報」をインプットすることについては、聞いたことがない人も多いかも知れません。この方法は、ビジネス経験、人生経験の長い、定年後世代の方が力を発揮できるメソッドです。

「メタ情報」とは、インプットしようとしている事柄(テーマ)に関連する周辺情報や背景となる知識のことです。この「メタ情報」を知っていると、本来知ろうとしていることの理解が深まったり、正確な理解になったり、忘れにくくなったりするのです。

本を多読する読書家が、難解な書でも早く正確に読解できるのは、関連知識が豊富で、ものごとの本質を捉える理解力が優れているからです。

本を読むスピードも上がり、さらに多読が出来て「メタ情報」の集積が進む、という好循環になります。

 

では次回も引き続き、「戦略的に準備すべき4つのスキル」その3としての「情報リテラシー」情報インプットについて、さらに詳しく「どんな情報をインプットするのか」を述べていくことにしましょう。

 

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