2018.10.10

人生100年時代の“ 航海図 ”を描く! 50代から考える「トリプル・キャリア」【第6回】 トリプル・キャリアで、定年後も稼ぐための「情報リテラシー」 <その2>

監修者
大杉 潤(合同会社ノマド&ブランディング/リ・カレント プロフェッショナルパートナー)

『定年後不安: 人生100年時代の生き方』(角川新書)の著者であり50代キャリアの専門家、
大杉 潤講師による連載コラム!

50代社員が定年後を見据えつつ、モチベーション高く会社に貢献するための「トリプル・キャリア」の考え方を伝授します。

トリプル・キャリアで、定年後も稼ぐための「情報リテラシー」 <その2>

今回は、人生100年時代に、「トリプル・キャリア」という人生設計を立てて、長く働き続けるために必要な「戦略的に準備すべき4つのスキル」3番目として挙げた、「情報リテラシー」の <その2>として前回に引き続き「情報インプット」について説明しましょう。

定年後の「お金」や「孤独」の不安を解決するためには、実は「情報リテラシー」が鍵になります。人生後半の充実度を決めるのは「情報との付き合い方」にかかっているのです。その基盤がまず、情報インプットです。

なぜなら、何歳になっても「知的生活習慣」を持って日々、過ごすことが、充実した人生のベースになるからです。人間は何歳になっても学び続けることで脳も進化し、新たな発見をして新しい能力を開発し続けることができるのです。

情報インプットで最も効率が良いのは「ビジネス書の多読」

前回は「脳のクセ」や、を活用した合理的なインプット方法と、インプットしようとしている事柄(テーマ)に関連する周辺情報や背景知識である「メタ情報」のインプットが大切であることを述べました。

今回は、メタ情報を一気に「情報の塊」としてインプットするのに、最も適した方法が「読書」すなわち、本を読むことであることを説明します。多読家の方はよく「本を買って読むことほど、コストパフォーマンスの良い投資はない」と言いますが、私も全く同感です。

多くのビジネス書がそうなのですが、そもそも読書家が本を大量に読んで著書を書いています。つまり、1冊の本の中には著者が読んできた書籍のエッセンスが数多く詰まっており、巻末には通常、「参考文献」の一覧が掲載されています。それら参考文献のエッセンスも含めて著者の人生がまるごと書かれている本も多いので、1冊の本から何冊分もの書籍や著者の人生そのものといった知見がごっそりと得られることになります。

私は社会人1年目から毎年300冊のビジネス書を36年間読み続け、累計1万冊の本を読んできましたが、こんなに効率の良い情報インプットはなかったと確信しています。

何故そんなに速く本が読めるのかと、よく聞かれるのですが、私の答えはいつも決まっています。
それは「1,000冊読めば誰でも早くなる」ということ。
だったら早く1,000冊をクリアした方がいい。私の場合は社会人3年目の途中で1,000冊を超えたので、その先の人生は、ずっと読むのが速いです。いわゆる速読ですが、目の玉を高速で動かすとか、ページを早業のようにめくるといったテクニックではありません。

この本から何を得たいのか、何を学びたいのかという目的、問題意識を明確にして本に向かえば、慣れれば誰でも速く読めるようになります。

4050代からの戦略的な情報インプットでは、何を学ぶのか

では、定年後にインプットを継続して「長く働く」ためには、何を学んでいけばよいのでしょうか。具体的には次の4つがポイントになります。

  • 自分の「専門性」を磨き、深堀りする情報をインプットする
  • 自分が好きで興味関心のあるテーマを追いかけ、「専門性」と結びつけることでオリジナリティのある体系にしていく
  • 世の中の大きな変化や潮流を早く正確にキャッチして、自分の専門や関心領域と結びつけて自分の頭で考えてみる
  • アウトプット(情報発信)を前提とした情報の整理・体系化を意識しながらインプットをしていく

以上をまとめると、①専門性、②好きなこと、③変化する社会ニーズ3つの観点から、自分なりの情報インプットの領域を決めて、自分オリジナルな整理の仕方をしていく、ということです。

私の場合はキャリアのスタートが銀行員でしたので、20~30代は、金融や財務などのファイナンス関連のインプットが中心でした。管理職になり、次第にマネジメント、コミュニケーション、経営学などに関心がシフトして、さらに40代になって大量の不良債権処理で銀行の経営が厳しくなると、不動産、法律、税務、交渉術などのスキルが必須になって懸命にインプットしました。

併せて、趣味のコーヒーやハワイ、スピリチュアルから健康、子どもの教育、勉強法、脳科学などへも関心が拡がっていきました。

こうしたインプットの際に、注意しなければいけないこととして、デジタル情報(ネット)とアナログ情報(リアル)をバランス良くインプットするということです。

概して、60代以降の経営層・上級管理職は紙の新聞や経済雑誌などアナログ情報のインプットが中心です。それに対して、40代以下の中堅・若手の会社員では、ネットでの情報収集がメインで、ニュースもスマホで読むため、そもそも紙の新聞を取っていません。

実はアナログでもデジタルでも、どちらか一方では、インプット情報に偏りがあり、問題があります。そのあたりは次回で詳しく述べていくことにします。

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