いまどき新入社員の
「5つのメンタリティ」

「で、いいや」メンタリティ
「正解を検索」メンタリティ
「クローズドマインド」メンタリティ
「貢献あこがれ」メンタリティ
「勝手にプレッシャー」メンタリティ

いまどき新人を読み解く「3つの鍵」

「ゆとり世代」ブームから5年、当時言われていた「ゆとり世代の特徴」は少しずつ変化してきたように思います。
このコラムは、リ・カレントが様々な企業の人材開発ご担当者様や研修現場で新入社員とお会いする中で感じられる「いまどき新入社員」の特徴を整理することで、今後起こりうる彼らのキャリア開発・育成上の課題を紐解き、育成方法について検討するための材料とすることを目的としています。
来年度の新入社員はもちろん、若手社員育成の一助となれば幸いです。

まず、いまどき新入社員の特徴を理解する為に、大きく影響していると思われる3つの要素をみていきましょう。
1つ目は親子関係、2つ目に学校教育、3つ目が社会経済です。

親子関係
学校教育
社会経済

1.親子関係

2016年の大卒入社予定の新入社員は1993年(平成5年)生まれですが、彼らの親は新人類と言われた世代。20~30代にバブルを謳歌、過度な受験戦争と管理教育の反動で勉強以外の個性を大事にしようという傾向があると言われ、親との対等な関係や、勉強以外の分野で自由にさせることを良しとしてきました。

「ともだち親子」「モンスターペアレンツ」という言葉が生まれた世代でもあり、それまでの親子関係・家庭環境とは異なってきたと言われています。

2.学校教育

ゆとり教育がスタートしたのが2002年、小学校3年生の時ですから、義務教育の大半はゆとり教育の中で育ちました。ゆとり教育というと、「学習要項の削減=学力低下」と結びがちですが、私たちがお会いする企業の新入社員は塾や個別指導などの課外学習によって受験戦争を勝ち抜いた人が多く、勉強についてはできる方が多い印象を受けます。

ゆとり教育の実態は、勉強以外の側面、例えば運動会の徒競走で見られた「手つなぎゴール」はその象徴とするところですが、そこで「1番になれる」という場が学校社会からなくなってしまったことです。

それまでの詰め込み教育からの脱却と応用力養成のため、個性をはぐくむことを目的とした施策でした。個性とは、集団生活で挫折・成功といった他者との関わりや、自分の得意とすることを極めたり熱中する活動を通じて徐々に「見つかっていく」ものだと思うのですが、実態は個性が見つかりにくい環境となったばかりか、「いろいろな1番」が存在しにくい学校社会において、他者と違うことがいじめへとつながっていきました。

さらにSNSというツールによっていじめが陰湿・悪質化したことで、なるべく目立たぬように、安全に無難に過ごすことで自分の身を守る、本心は気心のしれた限られた友人にだけ明かす、そうした思考を持つようになりました。

3.社会経済

バブル崩壊後に生まれた彼らにとって、ものごとは「努力すれば必ず良くなる」という実感値は持ち合わせていません。リストラを経験した家庭に育つ同級生は珍しくなく、働くことに夢を見るのは難しい中で育ちました。

そして携帯電話やSNSの台頭により、コミュニケーションとは「好きなときに好きな人と好きな形で間接的にとる」ものとなりました。

しかし、阪神大震災や9.11、東日本大震災といった生存欲求を揺さぶられる経験も多く、本当は人とつながりたい、役に立ちたい、貢献したいと思っているのにそのやり方がわからないという、私たちからするとある種のジレンマのようなものを抱えている人も多いように感じます。
いまどき新入社員には、以上の3つの要素が大きく影響しているといえるでしょう。

いまどき新入社員の「5つのメンタリティ」

メンタリティとは、意識する心理状態のことです。行動や発言の根底にある、通常、表には出てこない、人それぞれの内部統制の状態を指す心理学用語です。
いまどき新入社員がこれまで培ってきたメンタリティを理解することで、その強みを活かし、弱点を補強する形で育成につなげることが出来ます。いまどき新入社員の特徴を5つのメンタリティとして、その言動と併せてご紹介をしていきます。

1.「で、いいや」メンタリティ

言われた以上のことはやれません。そこそこで満足です。
素直で従順

先日ある人事の方が「ナゾな自分基準」とおっしゃっていたのが印象的です。よく聞いてみると、新入社員研修中のグループワークで10分間のディスカッションを指示したところ、5分そこそこで話を終えて黙って座っているグループがあり、「終わりました」と言うのだそうです。

内容を聞くと、それぞれが思っていることを順番に確認し、くっつけてまとめただけのアウトプット。こちらが求めているような「深まった議論」ではなく、「情報を集めたもので満足している」とのこと。

10分という時間を使い切らないことにも驚きですが、目的を意識せずに「ただ話して共有して満足」という状態に唖然とし、その担当者はいまの新人の「ナゾな自分基準」とおっしゃっていました。

リスクの多い時代に育ってきた彼らにとって、「より最上なものを求めて歯を食いしばって頑張りぬく」という概念は辞書にありません。人から抜きんでるように頑張ったことで嬉しかったり評価されたという原体験が減っているためです。「否定されないよう、間違わないように無難に安全に、正しいことをやる」ことで、身を守ってきました。

職場では、「指示された以上のことはやらない」と嘆く上司の話はいまや珍しくありませんが、新人にとっては「言われたことをしっかり正しくやることが良いこと」なのです。裏を返せば、とても素直で従順な人が多く、実に一生懸命です。言われたことは一生懸命実行するのですから、新人時代の仕事の進め方においてこんなに素晴らしいことはありません。目の前の指導者が自分に一生懸命関わってくれていればなおさら、その人の役に立ちたい!という思いから、より頑張ることが出来るという強みを持っています(この点は詳細を後述します)。

2.「正解を検索」メンタリティ

正解をどこかに探し求めます。職場環境にも正解を求めます。
情報処理能力が高い。キーワードつながりで横展開。

いまや「ググる」は一般用語となりました(英語圏でもgoogleは動詞として使われていますから世界的ムーブメントですね)。わからないことがあれば検索窓に入力し、ボタン一つで「正解候補」から「正しいものを選ぶ」ことで解消できます。

一つ目の「正解を検索」メンタリティは、
1.わからないことは、「検索すると見つかるもの」であること
2.「正解」は「自分の外側にあるもの」であること
という2つの側面を込めています。

以前テレビで、ある若い女優さんが、「わたし、趣味が無いんです。なので最近『趣味』ってググってみたんですよ」と真顔で話していてぎょっとしました。

しかし、まだ続きがあります。その話を受けた司会者は「で、趣味は見つかったの?」と半ば驚きながら聞くと、「はい、見つかりました。陶芸がおもしろそうかなって」との回答。「おお、それはよかったね。で陶芸はどう?」と司会者が聞き返すと、「まだやってないんです。どうやるのかわからなくてやり方を検索してます」と真剣に答えていました。

ビジネスにおいては、当然ながら「正解」というものは存在しません。いまや変化の激しい時代、過去の経験ややり方は通用しませんから、上司が答えを持っていないケースが増えています。自分で考え仮説を立てて実行して検証していく、その過程で先輩や上司に相談しながら自分の意図を持って答えをだすことが求められています。いわば、妥当解を出し続けることでその精度を高めていくことが「正解」ですし、ビジネスにおける唯一の正解は、「正解がない」ということです。

ですから職場も、新入社員には指示待ち受身ではなく、1を言ったら10やってくれる新人を求めるわけですが、そこにギャップが生じています。

正解を求めたい新人にとって、この感覚はおそらく大きなパラダイム転換が求められるでしょうし、なかなか頭でわかっていても体感知に落とすには時間がかかるように思います。「そもそも正解のないフィールドに来たのだ」ということを最初に、できれば職場配属前に理解できるかどうかで、その後の行動に大きく影響することは間違いありません。

一方で、そのサーチ力・情報処理能力には目を見張るものがあります。彼らは1つ興味を持つとそこから関連する情報を芋づる式に見つけ出すことに非常に長けています。 また、膨大な情報の中に暮らしていますから、情報処理能力が高く、難しい状況をキーワード化して整理することがとても上手です。

社内のナレッジを形式知化するプロジェクトで、1人の新入社員に目的と概要を伝えて解決策を考えてほしい、と仕事を依頼したところ、ある業務フローに関して誰もがわかるようなフロー表とマニュアルをとてもスピーディーに形にしてくれて驚きました。まさに情報処理能力、キーワード化力という強みを見た瞬間でした。これは先輩世代ではなかなか真似できない力だと思います。

3.「クローズドマインド」メンタリティ

何を考えているのかわからないと言われます。
基本的に優しい。聞いてみるといいこと言う。

「クローズドマインド」とは、オープンマインドの反対を示した造語です。特に先輩・上司、世代の違う人たちから「何を考えているのかわからない」と言われたり、集団になるとその“クローズドさ”はさらに加速します。新入社員研修で前に立つと、わかったのかわかっていないのかその反応が年々読み取りづらくなっている、ということを各社の人事担当者からよく耳にするようになりました。 「クローズドマインド」メンタリティは、自分の外側に不必要な情報は出そうとしない、という状態を指しています。これは、

1. 周囲からマイナス評価されることを根本的に恐れる
2. モバイル台頭によるコミュニケーションの質の変化

の2点が大きく影響しています。
彼らは、周囲からのマイナス評価によって自分の存在が危うくなる、という環境で、周りの空気を読み、「正解」を言うことで集団に安全に身をおくことを覚えました「自分が考え感じたこと」を素直に発信するということは大きなリスクを伴うことだったのです。
また、モバイルの発達による影響は大きく、「好きな時に好きな人と好きな分だけとる」ことがコミュニケーションの前提となりました。嫌な相手からの電話は出ない、言いにくいことはメールで済ませる…など、「異質で自分を否定されるであろう人」との関係は極力持たないという選択が出来るようになったのです。相手の理解を得るために自分の思考や感情をなんとか対面で伝えなければならない、という経験はほとんど無くなってしまいました。
1対1の時も集団の時も、相対しながらよく観察していると、自分が考えていることを隠そうとしているというよりは、自分の中にある不安を解消するために自分の内側にエネルギーを費やしているように感じられます。表面的には言葉や態度から読み取れなくても、一人一人じっくり聞いていくととても素晴らしい考えを持っていることに気づかされます。そして、人と競ったり争うことを好みませんので、基本的に優しい方が多いように思います。

ただし、「感じていても言わない」のではなく「感じたことを問われてもよくわからない」という、アンテナの感度自体が鈍くなっているケースは問題です。表情態度に現れない場合、どちらのケースなのかはよく見ていく必要があるでしょう。

4.「貢献あこがれ」メンタリティ

(どこか遠くの)社会貢献、(いつか)したいです。
身近な人のために頑張る。成長意欲は高い。

「社会貢献」この言葉はいまや採用面接で聞かない日は無くなりました。彼らがそう口をそろえて言うのにももっともな背景があります。
身近なところでは、震災や震災ボランティアの経験です。被災地での活動を通じて、人に役立つことの大切さを学んで絆を体感した、こんな無力な自分でも目の前の人に貢献できてありがとうと言ってもらえたことがとても嬉しかった、そんな風に仕事をしていきたい、という学生にたくさんお会いします。

社会情勢からみると、2000年の米国エンロン社の会計不正問題、国内では食品偽装や耐震偽装問題といった企業の不祥事が続いた当時、企業そのものの在り方を問う大きな動きがありました。厚労省による新入社員の働く目的調査では、2000年までは一貫して5%程度しかなかった「社会のために役に立ちたい」という項目が2000年を境に急増、2012年には15%まで上昇しています。その後同様の調査結果は公表されていませんが、おそらくいまはもっと上昇しているのではないでしょうか。仕事を通じて社会に貢献するという意識が若い世代を中心に広がっていることは間違いありません。

しかし、いまどき新入社員の言う「社会貢献」の文脈には、少々違和感を持つことがあります。社会的な問題を解決できる人材になる、そのために難しい仕事に挑戦したいというよりは、目の前の人に感謝してもらえることで世の中の役に立っている感覚、人とつながっている感覚が欲しい、そんなふうに見て取れるのです。つまり、社会貢献という言葉の根っこには「つながっていたい」という欲求が隠れています。

しかし、一方で「一人でいたい」という気持ちも強く持ち合わせています。4月の新入社員研修で1週間の長期プロジェクト型のプログラム中、グループワークで紛糾しているにも関わらず、昼食は1人で行く姿を目にするようになったことは非常に驚きの行動でした。気の合う相手とは一緒にいたいが、気の合う相手を自ら作るのはおっくう、気の合わない人と空気を読みながら調子を合わせるのはもっとおっくう、気を休めるためにも1人の時間が必要、そんな気持ちが働いているのです。

ですから、素のままの自分を受け入れて認めてくれる、面倒見の良い先輩やOJTリーダー、上司がそばにいると、その人のために俄然頑張るという底力を発揮します。誰かの役に立ちたいという純粋な思いから、基本的に成長欲求は高いですから、信頼できる人(=素の自分を受け入れてくれる人)のために一生懸命努力する姿勢は素晴らしい強みといえるでしょう。

5.「勝手にプレッシャー」メンタリティ

ストレスにはめっぽう弱いです。できない、わからないと言えません。
認められると力を発揮する。

「最近の新人はストレスに弱い」とはいまさら始まった話でもないのでは…という方もいるかもしれません。
ストレスを感じる多くの場面は対人関係にあります。既述の通り、異質な人と困難なやりとりをすることに不慣れないまどき新入社員たち。彼らにとって、世代の違う上下関係の中に放り込まれることは、これまで経験したことの無い人間関係を求められるため、この上ないストレスとなることは否めません。ましてや気心の知れた一部の人としか一緒にいたくないと本心で思っていればなおさらです。

ただ、そこまで事は単純ではなさそうに思います。近年では新型うつが話題となるなど、彼らの感じているストレスの実態は少しずつ変わってきているようです。

あるプロのカウンセラーの方から「万能感を捨てきれないまま社会に出る人が増えている」という話を聞いたことがあります。万能感とは、心理学用語で「自分は何でもできる」という感覚を指します。たとえば赤ちゃんは泣くことによって親をコントロールし欲求を満たす、といった具合に幼少期には誰もが万能感を持っています。通常は思春期になるにつれ、発達段階で他者との関わりにおいて葛藤や失敗、挫折などを通じて徐々に万能感を捨てていきます。

しかし、反抗期が無くなってきたといわれるように、近年の親子関係や学校社会の変化によって、万能感を捨てきれずに社会人となってしまう環境が整っているとそのカウンセラーの方はおっしゃっています。万能感が強いほど、他人をコントロールしようとするだけでなく、なにごとにも自分が影響していると考えてしまうのだそうで、これが非常に厄介な問題となります。
例えば、

  • 自分が価値の低い人間だから相手が挨拶をしなかった
  • 自分が上手く話せないから相手が沈黙してしまう
  • 周りが自分の意見を聞いてくれないのは自分が受け入れられていないからだ

といったように、直接的には影響していないことにまで自分のせいだと感じてしまいます。ですから職場においては、何か大きな失敗をした、上司から叱責を受けた等、落ち込んでしまう具体的な事象が伴わないケースが出てきています。先輩・上司からすると、モチベーションが下がっていたりメンタル的な問題を抱えている若手が、なぜそうなってしまったのか理由がわかりにくく、打ち手が遅れてしまうということが起こります。

もちろん、すべてのいまどき新入社員が万能感を持ち合わせているというわけではありません。しかし、メンタル的な問題を抱えやすい土壌を持っているのだとすれば、早期に手を打つべきということになります。

以上、3つの環境的要因を背景にした5つのメンタリティをご紹介しました。
実際には5つのメンタリティがそれぞれ影響し合っているので、きれいに割り切れるタイプ分けというものではありませんが、何か特徴的な言動が見られるとすれば、おそらくいずれかのメンタリティが影響しているのではないかと思います。

次回はこれら5つのメンタリティを持つ新入社員に対し、どのような育成が必要となるのか、そのヒントを「10の成長力」に分けてご紹介していきます。

早期戦力化するために身につけるべき「10の成長力」

前半では、いまどき新入社員の特徴を「5つのメンタリティ」としてご紹介しました。本編では彼らを早期戦力化するために身につけるべき力を「10の成長力」としてご紹介します。
この「10の成長力」は、「5つのメンタリティ」にそれぞれ2つずつ対応しています。また、研修場面だけではなく、職場でのOJTでも取り入れていただけるよう、育成ポイントも併せてご紹介します。

早期戦力化するために身につけるべき「10の成長力」

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