プロダクトディベロップメント部(以下、PD部)とは?
前島

私達リ・カレントの仕事のメインは、研修及びいろいろな支援をご提供するというところなので、その中のものづくり的なところを担っています。主に研修の企画ですとか、教材の開発ですね。  人材組織開発プロデューサー(以下、人開P)のメンバーは、お客様と連携する総合窓口だと思っています。連携というのは、お客様にお任せし過ぎているということもなく、リ・カレントだけがやるということもなく、一緒につくっていくという意味合いですね。

コンセプトをつくるのが人開Pであり、そのコンセプトを実際のテキストとして具現化するとか、プログラムとして練っていくというところがPD部の仕事かな、と。

お客様が一番川の源流のようなもので、何かこんなことをしたいというものがあると、人開Pが一緒に川を下りながら「どういう方向に行きますかね。何に乗って行きますか?」といった方針を立てる。そこから、じゃあ具体的にそれをつくっていきましょうよ、とPD部が徐々に入っていくという感じかなと思っています。

人開Pと仕事上でどのように関わっているか?
前島

一緒に仕事をする際には、私が最初からお客様のところに行くことはあまりなく、社内打合せからスタートすることが多いです。それはなぜかというと、お客様の考えや企画コンセプトを一番分かっているのは人開Pだという前提で、お客様がお持ちの「こうしたい」というものが、われわれが思うに最善かどうかは、良くも悪くもその時点ではまだ分からない。打合せの中で、リ・カレントとしてはこれをお勧めしたいというのを共同で考えて、コンセプトを形にして、お客様に提案するという流れですね。

PD部との打合せ前に人開Pが練る企画や提案のイメージとしては、例えば、「ビフォー:今やる気が出てこない、停滞してしまっている方々がいる」「アフター:いきいきとパフォーマンスを発せるような社員になってほしい」といったことが把握できているものだと思っているんです。その後の肉付けをPD部が人開Pと一緒につくっていく。研修の形でやるのか、研修だったらこういう知識をこのぐらいの内容・ボリュームで入れていきましょう、こういう順番にしましょうみたいなところを話して決めるということをします。

なので、研修の流れを決めるだけでなく、具体的な教材がその時点でできることもありますし、教材よりちょっと手前のざっくりとした説明資料を作ってお客様へお見せしにいくこともあります。

その後、お客様のところに実際に行って、「ここは説明を足してほしい」「テキストの量が多過ぎるかもしれません」といった具体的な意見を伺って、調整していく。実際の教材を形づくっていくのはPD部の責任になるので、テキスト打合せのためにお客様と直接会いに行くことになります。

その段階にくると、人開Pの方はどちらかというと総合プロデューサーとして、例えば研修会場だったりとか、講師だったりといった運営のもろもろを差配していくという立場になっていくという感じですね。

人開Pと仕事上でどのように関わっているか?
前場

自分自身のできることはまだ少ないので、どういった形で皆さんにサポートしていただくのかというのが大事なんですね。そんな中で、人を巻き込む上でのステップは考えていかないといけないなと思っていて、最初はやっぱりスケジューリングから始まるかなと思うんです。その中でもやはり、あかねさん(前島)はワーキングマザーというところがあって。

前島

というと?

前場

というのも、リ・カレントはライフワークシナジーという観点を大事にしているので。ただスケジュールをスケジュールとして見るというよりは、その後に何があるからこの場所だと相手に不都合かなといった、巻き込む相手の状況も一緒に考えないといけないなと思います。

あとは、PD部の方と一緒に研修を考えていく際にとても大切なのは、お客様の発言や状況、「これが事実です」というところをお伝えすること。そのうえで、自分の意見を事実とはしっかりと分けてお伝えしないと、建設的に話が進んでいかないと実感しています。自分が事実と意見を切り分けられるように、あかねさんの方から問い掛けてくださったり、次は自分でうまくできたりとかを感じながら、その人と一緒に仕事をするときに自分がどんな価値を出せるのかを毎回考えています。

「今回、これができたな」と思った点を、また別の新しい仕事の際に再現できると、「ああ、自分、ちょっと成長したな」って思います。

前島

最近は「お客様のことを一番知っているのはあなたですよね」ということを絶対に確認して、「それでどう思うの?」と言うようにしています。

というのは、私がいろいろと経験があるから、こういう場合はこうだろうみたいなふうに考えてしまうので。でも、当然毎回お客様も状況も違うので、「一般的にはこうなんだけど、今回はどういうふうに捉えているの?」「それはどう確認してるの?」「あなたはどう思うの?」ということを聞きます。

それに対する人開Pの返答を、仮にその場での思いつきであったとしても、尊重するようにしています。もしそこで人開P自身が何か間違ったと思ったら、お客様に確認しに行くと思うので、それをやってもらいたいな、と。

あとは、逆に、人開Pの思いが先行して「その考えは違うんじゃないかな」と思う時もあるんですけど、それもあえて、「じゃあそれでやってごらん、いいんじゃないかな」と。本当にまずかったら言いますけど、余裕があったり、やり直すチャンスがありそうだったら、とりあえずやってみて、そこで経験することを通して気が付けばいいのかなと思っています。

印象的なエピソード
前場

そうですね。直近でご一緒した案件の中で、難しかったところ2点、良かったところ2点を挙げたいなと思うんですけど。

前島

素晴らしい!いいね。

前場

まず、すごく大きな取引先で、かつ今回は内容もだいぶ変わるというタイミングだったので、関わる多くのメンバーに対して、短い時間で必要情報をお伝えするというのがすごく難しかったです。先ほど、事実と自分の考えを分けるという話があったんですけれども、発言すべてをそのまま伝えるだけでは「結局どういうこと?」となってしまう。どの言葉を引用するか、それをお伝えすると相手はどう思うのかを考えるのが難しかったところの1点目ですね。

2点目が、自分の価値を発揮することの難しさです。リ・カレントのすごく良いところが、自分の価値を自分自身で見つけていけるところ。「こういうことをやっていいですか」と挑戦していける会社と思っています。

今回のテキスト開発で言えば、あるパートで行うワークについて「うちの会社ではこんな話があるので、こういったワークはどうですか」と自分の案をちょっと出したんです。だけど、自分が思っていたものと、今足りないピースとして想定されているものの要件が多分まず違っていたということがあって。

価値を発揮するためには、その時にお互いどのピースを必要としていて、どういうふうに、どの材料から自分の価値が発揮できるのかという定義付けをうまくご相談できていたら、また違ったんだろうなというところが、ちょっと難しかったところです。

1つうれしかったのが、お客様からいただいたアンケートで「ちゃんとテキストの中に自分の会社の名前とホームページのURLが入っていて、本当に自分たちのためにこそ作ってくれたものなんだなと思った」と言っていただけたこと。そういったところでこちらの思いが伝わっていたんですね。それがすごくうれしかったです。

前島

良かった、良かった。

前場

はい。良かったところは、案件を一気通貫して担当できたことですね。

先ほどと関連するところは多いんですけれども、お客様と会ってコンセプトを決めて、開発の方々を巻き込んで、ずっと最後の最後まで――それこそ研修の実施が終わってアンケートをやってその後の報告というところまで、一気通貫してやることで良かったこと悪かったことというのが見えてくるのが、本当に良かったなと思っています。

先ほどのアンケートに関しても、自分自身が教材開発をちょっとだけお手伝いしていなかったら起こらなかったことですし、実施報告の場でも最初にお客様と会っているからこそ、「最初にこういうことを言っていたのがこうなりましたね」とお話しできるのはうれしいなと思います。

前島

開発も一緒に携わったこの案件と、開発に携わらずに研修の立ち合いをした案件というのはやっぱり見え方が違いますか。

前場

結構違いますね。

開発に携わることで、このパートでどんな姿になってほしいというのが自分の中でも明確になっていますし、このパートはこちらの意図とはちょっと違ったなというところが見えてもきます。そういった目線を自分が持って受講生の方を見られるというところが良かったなと思います。

あとは、人開Pとして大切にしなきゃいけないなと思っているところが、働き方改革などの多く聞かれる人事課題に対して、カスタマイズであるからこそどういう意味でこの会社はその課題を扱っているかを捉えるということです。同じ言葉を使っていても会社ごとで違う、葛藤のようなところが見えてこないと開発の人にも伝えられない。受講生が実際に研修を受けているのを目にすることで、そういったところが結構見えてきたりする。その視点を得られるのは、やはり自分自身も開発に関わっていたからこそかもしれないなというところもありました。

仕事を通して感じた、前場くんの成長は?
前島

最初に打ち合わせしたの、いつ頃だろうね。夏ぐらいかな。

前場

夏ですね。

前島

夏だよね。それで実施が秋だもんね……3カ月か。はじめのころとは動きが全然違います、もう。

はじめの打ち合わせが、入社して大体4カ月の頃でしょう? 最初は大丈夫かなって本当に思っていて。というのも、今回のお客様にはこれまで毎年関わってきたんですけど、実は、先方も担当変更のタイミングだったんですね。だから、研修の中身は毎年すこしずつ変えていたんですけど、担当者が替わるとその経緯も全くなくなってしまうので、こちらも誰に合意を取るか、誰がキーパーソンなのかが最初は当然分からない。リ・カレントとしても今年はそういった気をつけるべき点があるのかなと思っていた中で、前場くんが案件を引き継ぐという状況だったので、1年目社員がやるのは結構大変だよねと思っていました。

最初の打ち合わせでは、「よく分からないけど、先輩から『この人とこの人とこの人を集めて社内で打ち合わせやるからよろしく』って言われました」という感じで来てましたね。

前場

はい。

前島

それで、「とりあえずどうしましょう?」みたいな様子だし、彼の上司も忙しいので、これは私がOJTのようなフォローの役割も半ば担うんだなと察して、意識的に「一緒に進めていきましょう」というやり方をとろうと思いました。

普段、人開Pとコラボするときは、仮に書類の不足や段取りが不明瞭だと思っても言わないことがあるんですけど、前場くんの場合は、彼の成長になるだろうなということはなるべくお伝えして、次はこういうことを用意して、これを確認したほうがいいよということを言うようにしていました。それで不安そうな目をするときは「大丈夫?」って、なるべく声を掛けるようにしていたら、あっという間に成長して。多分、その時期にいろんな案件を経験したというのもあると思うんだけど、結果的には問題なくしっかりと研修運営ができていて、全然大丈夫じゃんと思いました。

複数クラスの同時運営や講師の方へのコンテンツ説明など、最後まで難しい部分がありつつも、周りに自分の考えを託して、一緒にやってもらって。多分、彼の中でも、これでこの研修はこういう風に、この人に実施してもらえるんだ、場はこうなるんだというイメージができていたと思うんです。

すごくいろいろと大変だったと思うんですけど、いい経験で一気に成長できたんじゃないかなと思っています。

前島

最初は、私もお客様がどういうことをやりたいと言っているのかを知らない中で、彼も説明するのが精いっぱいだったんです。でも、「何か情報はないの?」と尋ね続けたときにお客様から聞いた話を出してきたり、説明を求めたときにきちんと答えてくれたんです。そのときに、「ああ、これは大丈夫。ちゃんと理解して準備が進めていける」と思いました。そうして企画を進めていくうちに、自分で調べよう、聞こうとしていて。例えばお客様についての話だけでなく、関連企業について尋ねたときにもスッと答えが返ってくるようになり、ああ、お客様のほうを向いて仕事がしていける状況になってきたなと思っていました。

前場くんも初めての引き継ぎで、おそらく情報なんてほぼゼロのところからスタートして、とりあえず先輩に言われたことを進めるところから始まったと思うんだけど、先輩からの指示が無くてもお客様の情報を調べるといった動きが、どうしてできるようになってきたのかな?

前場

きっかけは2つあるかなというふうに思っています。

1つは、自分が価値を発揮できるのはやっぱりそこなんだということが、お客様やあかねさんとの関わりの中で見えてきたこと。

もう一つが、あかねさんが本当にお忙しい中、時間を取ってくださる時に、「先出しでこういうふうにやっておくといいよ」というところをありがたいことに毎回おっしゃってくださるんですね。それに対して自分がプラス何かをお客様から引き出して持ち帰れたら、ただのミーティングよりももうちょっと付加価値の高いものになるのかなと思えたのが大きかったかなと思います。

お互いに、今後どんなシナジーを生み出していきたいか
前場

これまでは案件ベースで、そのときその企業に足りないピースを埋めるという形で関わるのが割合として大きかったかと思います。今後は、業界特徴をベースとした研修が先に1つできていて、お客様に先回りで提供するような動きができたら楽しそうだなと思います。

前島

先に1つ研修ができているというのは?

前場

今、自分がやっているのは、研修をつくっていく上で足りない情報をただお伝えするという割合が多いんです。そのお客様が今必要としているニーズにただ対処する、案件があるから研修を提案するというよりは、他の会社様の事例をもとにしたアイデアを自分自身で考えて、一緒につくっていきたいから案件がなくてもこちらから提案をお持ちするみたいな、そういった動きができたらいいなと。

前島

なるほど。人開Pはやっぱりお客様の最前線にいるので、今話してくれたようなシーズ、まだ顕在化していない育成課題のタネをつかんできてほしいなというのはあります。

例えば、今回の案件はお客様から「こういう課題がありまして」と話があったんだけれども、本当はわれわれとしては「業界状況的に、この課題に手をつけないとまずいんじゃないか?」みたいなのがずっとあったんですよね。そこをもっと「こういうふうに変えていくといいですよ」とこちらから持ち掛けるとか、お客様を動かすようなお手伝いができるんだと、ぜひ最前線でお客様に対して言っていただくといいのかなと考えています。

その過程で、他業界や世の中の動きについて伝えられるところがあるかもしれないので、何かそういう材料を共有しながら、お客様のところに行ってその話をぶつけてみるというのをぜひしてもらえると良いですね。

PD部としていろいろなプログラムをつくったり、お客様のお話を伺っているときに、漠然と「最近の5年目ぐらいって、どうなのかな」みたいなことをふと聞いてみたくなる時があるんです。そういったときに、たくさん活動している若手の人開Pに「こんなことを知りたいんだけど、あなたのお客様だとどう?」といった話をきっかけにして、何かコンテンツができるといいのかなということを思っています。

あとは、全然違う切り口でいうと、前場くんは実は内定者の交流会の時に同じグループだったんだよね。

前場

はい。

前島

それで、すごく印象に残っていて。

前場くんの代は新入社員がいっぱい入ったじゃないですか。それで、名前が覚えらんないみたいな感じだったんだけど、前場くんは内定式で一緒だったよなっていうインプットがあったので、いつか一緒にお仕事をする機会があったら面白いかなというふうに思っていたんです。その頃からこっそり思っていた前場くんのいいところをぜひ伸ばしてほしいと思って、先日の案件ではこっそりアプローチしていたつもりです。

前場

えっ?それは、ネタばらしはしてくださるんですか!

前島

ネタばらしは……そうですね。

人と違う発言をするのをあまり戸惑わずに、素直に言ったり行動したりするというのがあって。それが、社会人になって変に優等生になっていい子になって、「こういう時、こういうことを言っちゃいけないんだ」と思うようになってほしくないなと思ってました。もしかすると時々上の人に叱られているかもしれないんだけど、自覚はしつつ怒られそうな時は黙っているけど言っても良さそうな時にはどんどん発揮してもらいたいですね。それが多分前場くんの価値で、貢献できるところでもあると思うので、大事にし続けてほしいなと思います。

前場

はい!

前島

自分ではあんまり分かってない?

前場

分かっていなかったです(笑)。

前島

小利口な社会人になる必要は全然ないと思っていますので、知識はどんどんつけて成長はしてほしいんですけど、ふっと口に出す自分の疑問や気持ちを大事にしていってもらえるといいかなと。

前場

ありがとうございます。

前島

リ・カレントとしての研修企画の進め方を考えるときに、「中身をこう運んだらいいんじゃないか」といろいろ考えてくれたんだよね。今回に関してはそのやり方ではないかなと考えて途中でやり方を変えたと思うんだけど、そういう発想の仕方とかは大事だと思っています。

そんなふうに前場くんが考えようとしたところはなるべく否定しないようにしながら良き方向に導いてあげたいですね。だから、何というのか、王道から外れていてもそういう思考を持って自分で自由に発想していくのが大事なので、尊重したい。そのうち、人と違う発想だけど、それいいじゃんってうまく活かせるようになるんじゃないかなと思っています。

自分がうまくいっていると、自分と違うものが来たときに突っぱねて矯正しようとするのは簡単なんですけど、それはあまりしたくないなと思っていて。緩やかに緩やかに、良い方向に向かわせてあげたいなと。

前場

いやあ、そうしていただいていました。しかも、「この対象に対して、こういう学びや気づきを与えるのであれば、そういうワークもいいかもしれないね」みたいな形でおっしゃっていただいていたので、今回のお客様に対してはどういうふうにやるべきなのかが明確にもなりました。また、その発想いいよねという承認でもあったのですごくうれしかったのを覚えています。

前島

ありがたいです。これからも頑張ってちょうだいね。

前場

はい!

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