糸永 真理愛
2012年4月に、新卒「1期生」として入社。1年目から複数の大型プロジェクトを企画・提案し、さまざまなクライアント企業の人事課題解決に携わる。
2016年4月にリ・カレントを卒業。現在はタイにコンサルティング会社を立ち上げて、社長業の傍ら社員4名をマネジメントしている。
私自身、あとで起業すると決めてたので、ベンチャーということを軸に就活をして。
リ・カレントでの仕事の経験が、自分が将来起業する上での良い経験になると思っていました。
須藤

そもそも真理愛さんの就活話から教えていただけますか?

糸永

私は大学時代に、2年間米国に留学してたんですね。米国でビジネス的なことをしていたんですけれど、その当時は学生ビザで行ってたのでお仕事ができなくて。自分で起業ではないんですけれどパーティーのプランナーみたいなことをやっていました。お屋敷みたいな大きな家に住んでいる人をターゲットに、お料理を作ってパーティーの趣旨を決めて……。チャリティーのイベントにするのであればチャリティーの振込先や現地の団体などやりとりしたり、イベントをそれぞれのお家に対して行う形ですね。向こうではホームパーティがすごく多いので、それをアレンジメントするコーディネーターみたいなお仕事をしてたんです。お料理を作ったりとか、お花のアレンジメントとかも全部やっていました。

それで、「日本に帰らなきゃな」と思ったのは、いわゆる「就活」っていうものが、日本のすごくユニークなところだと思っていて。卒業する前とか大学4年生の子だけ就活のスーツを着て、みんなで同じタイミングで就職活動を始めるということが、すごく貴重な体験だと思ったんですね。  私も日本人として生まれて育ってきたので、一生に一回しか使えない切符だから有効活用しておきたいなと思って。本当は日本に帰ってくる予定もなかったんですけれども、それでいろいろな会社を見ていました。

その当時、就活の軸にしてたのはベンチャーということです。なるべく小さな会社、新しい会社で、新人のうちからいろんなことをやらせてもらえる会社をイメージしていました。  もともと私自身、あとで起業すると決めてたんですね。起業するということは、ヒエラルキーのトップに立つっていうことなので、そういうトップに立つためには、新人から早い段階でリーダーや課長、部長になって……というすべてのレイヤーをきちんと経験してから人の上に立ちたいなと思っていたんです。  それは、新人は新人なりの苦労だとか幸せがありますし、リーダーはリーダーなりの大変さだとかやらなきゃいけないことなど、それぞれの役割を通して得られる経験や考えや醸成されてくるものが変わると思っていたので。上に立ってしまうと、下の人たちのことはもう見えなくなってしまうから、それらを全部経験した上で人の上に立ちたい。いろんな人の気持ちが、いろんな角度からわかるような経験を自分の中に置いておきたいなと思って居たので、ベンチャーということを就活の軸に置いていました。

須藤

人材業界に行き着いた理由を教えていただけますか?

糸永

私は就職活動をするなかで、もともと「人」というところにも軸を置いていたんです。企業では人が要だと思っていたんですね。英語を使ってビジネスをするというところにすごく興味があって、そこでビジネスを学びたいなと思って米国の大学に行ってビジネスの授業を専攻していくと、テキストに出てくるのが日系の会社さんばかりだったんです。トヨタとかホンダとか日本の大手の会社ばっかりで、ビジネスっていえば米国の会社かなと思ってたのに、「米国に来てまで日本の企業を学ぶんだ」と知って、本当に日本の人の育て方だとか会社の仕組みが世界の大学生が学ぶテキストに載ってるんだなっていうことに驚いて。そこで、日本の企業に興味を持ち直して、就活は日本に戻ろうって決めたんです。

須藤

最終的に日本のベンチャー企業のなかからリ・カレントに決めた理由はなんでしょうか。真理愛さんだから、きっといろんなところから内定をもらってたんじゃないかなって思うんですけど。

糸永

決めたポイントは、それは石橋さんの本当に熱いオファーがあって。あと、ベンチャーというポイントでしたね。2012年でしたか。私が入社したころは本当にオフィスの一角をお借りしている感じで、社員の方も全員で6人ぐらい……私ともう一人の同期、本当にそれぐらいで、会社は会社なんですけど、これからいろんなことができていくという。ゼロからという感覚。私も同期も新人でしたけど、私たちがやることが一つ一つの会社の成果として目に見える形で残っていくというところにすごくやりがいを感じていました。

そういうプロセスが好きだったのと、リ・カレントであれば起業するっていうのが早い段階で実現するんだろうなと感じていたので。起業したら、当然、全部自分で一からやっていかなきゃいけないわけですよね。リ・カレントを通してやっていく仕事の経験が、自分が将来起業する上での練習になるというか。石橋さんと近い距離でお仕事ができていたので、自分が起業するっていう時に、ここでこういう問題が起きたときに、これが自分の会社だったらどういうふうに捉えたらいいんだろうとか、自分が社長だったらどう考えたらいいんだろうということが、そういう視点で見える会社だったのが自分にとってはすごく魅力的でした。

須藤

リ・カレントで一番しんど楽しかったことって何でしょうか?

糸永

しんどかったことはたくさんあったんですが、私は起業するということが念頭にあったので、つらいことも「これは多分上に行ったら見えなくなるつらさだから、起業する時には絶対に自分のいい財産になってるだろうな」とか、自分が新人の時につらかったことが会社として成長するために必要なことならば、同じようなこと、同じような経験もさせてあげないとと思っていましたし、もし理不尽なつらさであれば自分で起業するとき気を付けなきゃいけないなと思っていたので。どちらのことも経験できて良かったなと、当時からそんな感じで客観的に見ていましたね。

あと、リ・カレントの頃にすごくつらくて本当に自信がなくなってしまって、石橋さんとアポの時に石橋さんの隣で泣いちゃったことがあるんですよ。そうしたら、石橋さんが「いつも自信たっぷりな人間なんてかわいくないよ」みたいなことを言ってくださって、それですごく救われたという思い出があります。

自分でビジネスをするときには、先方の意図を汲み取ってアウトプットしなきゃいけない。リ・カレントでの経験はすごく良かったなと思います。
須藤

ちなみにリ・カレントを卒業しようと思ったきっかけがあればお聞かせいただけますか。もともと起業はするつもりだったんですよね。

糸永

リ・カレントを辞めるタイミングで起業したわけではないんですけれど。日本で主にダイバーシティの組織開発みたいなプロジェクトを経験するなかで、厚労省が定める数値に合わせて、例えば「日本の女性の課長をここまで増やしていこう」「マネジャー層をここまで増やしていこう」みたいな数字の前提で動きだして、そのプロジェクトに則って日系の大手の人事部の人たちとお話ししていて……。

よく石橋さんも仰っていましたけれど、「ここまで行きたかったらそれより上のゴールを設定しないといけない」って言うじゃないですか。それはその時から感じていて、日本の厚労省などが「日本の女性のマネジャーを何人まで増やす」とか定めているんだったら、海外のもっと進んだ意見、やり方や考えを取り入れて、本当はもっと上のところを目指さないとそこまで全然到達できないなと思っていて。

リ・カレントのなかで提案書とかを作るときに、ドイツとかヨーロッパとかオランダとか、そういう「ダイバーシティ化」っていう言葉がないぐらい進んでるような国の友人から意見をもらったり、海外のマッキンゼーなどの資料をベースにして作ったりと、海外の友達と話しているうちに、自分も「もっと外に出て行って、そういう考えとかやり方、戦略を空気のように感じてみたいな」と思いだして、もっともっと外に目が向いていった感じです。もともと海外志向が強かったとは思うんですけれど。

じゃあ海外に出てみようと思って、海外における駐在員のポジションで転職活動を始めて、ご縁があってタイに来てという流れですね。

須藤

いま真理愛さんが独立してやられてる会社の事業について教えていただけますか?

糸永

お仕事は、大きく分けて人のコンサルティング、企業のコンサルと、もうひとつは会社の起ち上げをやってるんですね。人のコンサルティングに関しては、タイにいる日系と欧米系の会社さんのクライアントに対して人の採用、育成、評価といったコンサルティングをしています。一方で、企業のセットアップ、設立支援というところでは、ビザを取るところも含めて、タイに進出しようとしている日系の会社さん、欧米の会社さんの会社のレジストレーションとかコンサルティングの支援をしてます。

須藤

社長としての真理愛さんは、そのなかでどういう役割をされているんでしょう?

糸永

現在タイ人の社員が4人いるのでそのマネージングもしてますし、社内の人事制度も全部自分で作って、給与制度も作って、トレーニング制度も作って……。トレーニングも社内も社外もしながら人を育てて、プロジェクトが入れば社員の子と一緒にアサインしてプロジェクトのマネジャーもします。主なお客様が日系の企業の社長さん、MD(マネージング・ダイレクター)という支社長さんがお客様になるので、その方へのコーチングなどは日本人であれば英語が話せるタイ人とか、英語が話せる方であれば私が入っていったり。会社のマネジメント、全部やってる感じですかね。

須藤

リ・カレントでの経験で、今のお仕事に活きているものはありますか?

糸永

いろんな人とお仕事をするなかで、自分で先方の意図を汲み取ってアウトプットしなきゃいけないということはありますね。社内、社外でいろんな人と関わるなかで、それぞれの方のニーズに合わせてお仕事をするという体験は、タイに来たときに今度は国籍も、いろんな宗教とかも入ってきたりするので、そういった意味でもリ・カレントでの経験はすごく良かったなと。

タイに来たら、今度は、ジェネレーションXYZという世代間ギャップもありますし。私も32歳になったので、新卒で入った人が22歳とかとなると、もう10歳も違ってしまう。国を超えてもいろんな価値観の人とお仕事ができたのは、大変でしたけれど良かった、鍛えられた経験でもあるなと思います。

海外で培った経験を踏まえて、女性の海外進出支援や企業の支援をやっていきたい。
須藤

最後の質問ですが、真理愛さんの今後のキャリアビジョンを教えてください。

糸永

キャリアビジョンとしては、短期的なビジョンとして30代ではタイで人事のプロフェッショナルとなって、こっちの支社長さんたち、MDさんたちの右腕となりながら、タイを拠点とする日系企業のパフォーマンスを上げていくことっていうことと、タイでは人事の機能がまだまだ昭和的というか、「人事といえば給料計算」みたいに数字を握る人が強いみたいなところもあるので、人事の機能の重みというか、価値みたいなところも上げていきたいなと。タイ人のキャリアを通じて、タイにより豊かな生活をもっと浸透させていけるようなサポートがしたいなと思ってます。

30代の後半になったら、あと5年ぐらいはタイで頑張ってタイの現地のマネジャーにまとめてもらえるぐらいに人を育てたら、今度はスペインに行きたいなと思っていて。40代になったら国外だけじゃなくて、今度は日本に帰って日本のグローバル戦略とかをやってみたいですね。その時代になると日本の企業ももっと変わっていると思うので、海外で培った経験を踏まえて、女性の海外進出支援や企業の支援とか、いろんな形で日本でもお仕事をしていけるような経験をこの10年間のうちに積んでおきたいなと思ってます。

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