2024.02.8

【エンゲージメント】基本の解説&高め方4つのポイント

最終更新日:2024年2月8日

石橋 真
監修者
石橋 真
略歴
リ・カレント株式会社 代表取締役社長

監修者詳細

エンゲージメントとは

エンゲージメント(engagement)とは、「契約」「約束」「誓約」などを意味する言葉です。
ビジネスでは主に従業員の会社に対する思い入れや愛着心といった意味で用いられます。

▶従業員のエンゲージメントを計測する診断「E³サーベイ」

▶組織活性化の鍵となるエンゲージメントは「共感度」に注目せよ

HR領域におけるエンゲージメント

HR領域における「エンゲージメント」は会社に対する愛着心や仕事への情熱、従業員と会社の双方向の関係性や結びつきの度合いを表し、エンゲージメントが高い状態だと従業員が仕事や組織に対して自発的な貢献意欲を持ち、主体的に取り組めていると言えます。

リ・カレントはこのエンゲージメントを、組織と職務(ワーク)の2つの観点で捉えています。

「組織エンゲージメント」は、従業員と組織の結びつきを表し、組織自体に愛着があり、貢献したいと思っている状態の度合いを表します。

「ワークエンゲージメント」は、従業員と職務の結びつきを表し、仕事に対して活力や熱意があり、没頭できている状態の度合いを表します。

なぜエンゲージメントが職場や組織にとって重要なのか

エンゲージメントの高い職場では、従業員が自らの仕事に誇りを持ち、積極的に挑戦し、成長を続ける姿勢が見られます。

エンゲージメント向上が企業にもたらすメリットは、主に次の2つが挙げられます。

離職率低下

エンゲージメントの高い職場では、従業員が自らの仕事に満足し、組織に長期間関与したいと考える傾向があります。
従業員の定着率が高まることで、組織は人材の継続的な育成や、離職に伴う採用やトレーニングのコストを削減できます。
また、組織の安定性と信頼性も向上し、業務の効率性を高めることができます。

生産性向上

従業員が仕事に情熱を持ち、自らの役割にコミットメントを示すことで、業務の質と効率が向上します。
エンゲージメントの高い職場では、チームワークが促進され、問題解決やイノベーションが活発化します。
これにより、組織全体の生産性が向上し、競争力を強化することができます。

エンゲージメントサーベイと従業員満足度調査の違い

「エンゲージメントサーベイ」と「従業員満足度調査」は混同されがちです。

どちらの調査も従業員の声を調査し平均化して人事施策に活かすという点では同じですが、調査をする上での企業と従業員の立ち位置や調査する内容が異なります

エンゲージメント調査では、会社への愛着・思い入れ、組織と従業員がお互いに成長しあう関係性など、組織と従業員の双方向の結びつきを調査します。
調査内容としては、企業や職場の上司や同僚などとの関係に価値を感じ(=共感)、仕事で積極的に貢献する行動を調べます。

従業員満足度は、組織が提供する職場環境や待遇、報酬に対する従業員の満足度など会社から与えられたものに対して従業員がどれだけ満足しているかをチェックするものです。
調査内容としては、組織や給与、勤務形態、仕事内容、職場の物理的環境や人間関係などに対する満足度を調べます。

両者の大きな違いは、企業と従業員の立ち位置に現れます。

エンゲージメントサーベイでは企業と従業員は対等な立ち位置であるのに対し、従業員満足度調査では「企業:与える⇔従業員:受け取る」という立ち位置で調査が行われます。

エンゲージメントを高める4つのポイント

自社のエンゲージメントを高めるには、いくつか押さえておきたいポイントがあります。

それぞれのポイントを部分的に行う企業もありますが、「診断結果を見て終わり」「職場の実態と異なる変革施策に反発が起きる」などエンゲージメント向上施策が中途半端にとどまってしまう原因となるのでおすすめしません。
以下4つのポイントを連動させることを推奨します。

自社のエンゲージメントの現状診断

まずは、自社のエンゲージメントの現状を正確に把握することが必要です。

エンゲージメントの測定においては、会社・組織を「経営」、「上司」、「職場」、「職務(仕事)」などに分類し、各分類についてそれぞれやるべき施策が実行されているか事実を評価します。
また各分類の施策に従業員がどの程度共感し、主体的に考え行動しているかを測定します。

測定結果によって「施策」とそれに対する「共感」のギャップが可視化され、本質的に取り組むべき問題が整理できるようになります。

▶従業員のエンゲージメントを計測する診断「E³サーベイ」

E3サーベイ

エンゲージメントの維持と向上のための戦略立て

現状診断をもとに、エンゲージメントを維持し向上させるための戦略を策定します。

各社それぞれの現状と目指す姿に応じて戦略は様々ですが、エンゲージメントの現状のみを把握して課題の推測はできたとしても、具体的な課題内容は各職場にヒアリングをする必要がある場合がほとんどです。

そのため、エンゲージメントについてだけではなく従業員の企業に対する認知・理解度を同時に計測し、エンゲージメントとのギャップを分析すると、より具体的な施策設計に繋がります。

エンゲージメントを促進する組織風土醸成

従業員が組織に対して熱心に関わり、意欲的に仕事に取り組むためには、組織全体がエンゲージメントを育む環境を整える必要があります。

組織風土醸成には、経営層による取り組みと従業員の参画が相互に補完し合うことが重要です。
特に前項で挙げた、エンゲージメント診断結果と従業員の企業理解度にギャップのある点に着目することで組織風土の課題が鮮明に分析できます。

人材育成施策との関連付け

日常業務における社員のエンゲージメント向上のカギを握るのが、管理職によるマネジメントです。

先述の組織風土醸成や制度改革と並行して、人材育成施策にもエンゲージメントの視点を連動させることで施策の効果を高めることができます。

特に若手・中堅社員にとってのワークエンゲージメントに、風土・制度といったハード面よりも直接業務で接する管理職の影響は大きいものです。

▶20代社員のエンゲージメントを高める3つの打ち手

「会社を辞めるな」は逆効果?:20代社員のエンゲージメントを真に高める3つの打ち手徹底解説

まとめ

本記事では、ビジネスにおけるエンゲージメントについて解説しました。

特にHR領域においては、会社に対する愛着心や仕事への情熱、従業員と会社の双方向の関係性や結びつきの度合いを表す「エンゲージメント」。

エンゲージメントを高めるメリット、混同されやすい従業員満足度調査との違いやエンゲージメント向上施策についても解説しています。

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