2022.02.8

「会社を辞めるな」は逆効果?:20代社員のエンゲージメントを真に高める3つの打ち手徹底解説

監修者
リ・カレント働楽編集部

「若手育成」はリ・カレントへお寄せいただく人材育成のお悩みの中でも特に頻度が高く、コロナ禍でいっそうご相談の増えたトピックです。

 「様々な施策を行っているが、離職率が下がらない」

「若手社員のモチベーションが上がらず、“なんとなく”仕事をしている若手が多く見える」

「次期リーダーとして成長していってほしいが、スキル面でもマインド面でも成長が伸び悩む……」

このように、実際に実施を検討されている研修テーマは「〇〇年目育成」「次世代リーダー育成」「問題解決研修」などと様々であっても、根本に持たれている若手への課題感は、業種業界を超えて共通している部分が多くあります。

今回は、若手育成における課題の下にある根本的な課題とは何なのか、それに対してどのような手を打つのが効果的か。「エンゲージメント」の観点から新しい若手育成の開発に取り組む、コンサルタント2名による解説資料をご用意しました。

「毎年若手育成は何かしらの施策をやっているけど、対処療法になりがちだな……」

「変わっていく働き方・雇用の先でも通用する若手育成を探している」

このようなお考えのもと情報収集をされている人事の皆様のお役に立てば幸いです。

■課題意識の共有①:エンゲージメント理解の共有

人事トレンドワードではありつつ、じゃあ「エンゲージメント」って何?と聞かれると一言では答えにくい印象が……。改めて、エンゲージメントとは何なのでしょうか。

人事領域におけるエンゲージメントとは、会社に対する愛着心や仕事への情熱、従業員と会社の双方向の関係性や結びつきの度合いを表します。
エンゲージメントが高い状態だと、従業員が仕事や組織に対して自発的な貢献意欲を持ち、主体的に取り組めていると言えます。

さらに、リ・カレントはこのエンゲージメントが表す結びつきを、組織と職務(ワーク)の2つの観点で捉えています

従業員のエンゲージメントが高い職場は、業績や顧客満足といった社外への影響だけではなく、離職率が低いことや品質上の欠陥が少ないことなど、社内へもいい影響があることが明らかになっています。

つまり、組織全体を見たときにも、エンゲージメントの向上は、従業員が主体的に仕事に取り組み、組織としてパフォーマンスを発揮するために重要です。

■課題意識の共有②:Why若手育成×エンゲージメント?

「エンゲージメント」というワードはどちらかと組織開発の分野でよく聞く言葉であり、若手育成に紐づけて語られることは多くありません。
なぜ、いま、若手育成においてエンゲージメントに着目すべきなのでしょうか。

「若手の離職率が高い」「若手に“やらされ感”が抜けない」「若手にキャリアの展望がない」……
よく人事の方からいただく相談ですが、こういった課題感のいずれにも、エンゲージメントが大きく関係することが調査からわかっています。

ワークエンゲージメントの高さは、個人と組織の両者によい影響を与えることが明らかになっており、特に「個人の幸福感」「組織や仕事への適応感」「離職意向」について、ワークエンゲージメントの高さ・低さが大きく影響するのです。

そして同様に、労働意欲をなくし心身のエネルギーを失ってしまう状態(バーンアウト=燃え尽き症候群)を引き起こす理由としても、ワークエンゲージメントの低下があげられます。

「仕事の裁量の低さ」「仕事の負荷に対する報酬の不足」が、疲弊感をひきおこしてしまうのです。

つまり、若手育成における課題の多くがワークエンゲージメントと関連がありながら、エンゲージメントに着目した若手育成はまだまだ進んでいないといえます。

打ち手のポイント:「若手にやめてほしくない=離職防止策」の効果は薄い

先述のグラフにおいて、課題感に対応する「組織への適応感」「離職率」といった項目を見ていると、一見“組織エンゲージメント”=組織自体に愛着があり、貢献したいと思っている状態の度合いが大きく関与しそうに思います。

「若手にやめてほしくない」と経営者の方から、組織エンゲージメント=組織自体への愛着を高めたい、というご相談をいただくこともございます。
その焦り・不安に着目して「組織エンゲージメント」のみに焦点を当てたサーベイ・育成施策も多く見かけます。

しかし、残念ながら効果は薄いでしょう

なぜなら、「やめてほしくない=離職を防止したい」という考えは時代にも現代の組織にも合わないからです。

大企業のジョブ型雇用導入などからも明らかですが、これだけ人材の流動性が高まっている一方で、人手不足の問題がありGDPも生産性も上がっていません。

経済が右肩上がりに成長していくことがそもそも見据えられない時代を迎えて、社会や組織にとっても、若手自身にとっても、「何のために働く」がすごく変化にさらされているのです。

一つの企業で長く働き、企業の成長と個人の成長が結びついていた時代はもう過去のものになっています。
これからは、その人自身がやりたいこと・出したい成果のために、必要に応じて企業に所属して働いていく時代。そんな中、「会社をやめるな」と若手に言えば言うほど、若手が成果を出すモチベーションは下がっていきます。

これからの「若手育成」に関わる人々には、育てた先のビジョンを語る責任があります。

それはどんな役職に上がれるか、というような小さいことではなく、自社にいるとどんな「プロ」になれるか、と語ること。

若手の多くは、もはや企業の中での昇進・昇格に興味がありません。彼らはポストが欲しいわけではないのです。
先行きの不透明な時代において、10年後に自分は「何のプロになれるのか」を確立させることが、若手自身にとってはこれからを見据える基盤になります。彼らに成長してもらいたい人事・経営は、そうしたビジョンを彼らに示していけるかを問われているのです。

だからこそ、「組織エンゲージメントの前にワークエンゲージメント」が重要となります。一個このタスクができるようになった、このアウトプットに納得できた。「この仕事」やりたい、この仕事のプロになりたい、と考えた若手が、よりそのワークに没頭し熱中していく中で、組織リソースを活用していく。副次的に、組織エンゲージメントが高まっていくことにも繋がります。

 

ホワイトペーパーでは、「若手のエンゲージメントを高める施策3つのポイント」を具体的にお伝えします。

ぜひ、ダウンロードして全文をご覧ください。

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