人生100年時代の“ 航海図 ”を描く! 50代から考える「トリプル・キャリア」【第1回】なぜ、長くなった人生に「幸せ」を感じられないのか?

2018.06.26 / Written by 大杉 潤(合同会社ノマド&ブランディング/リ・カレント プロフェッショナルパートナー)

『定年後不安: 人生100年時代の生き方』(角川新書)の著者であり50代キャリアの専門家、
大杉 潤講師による連載コラム!

50代社員が定年後を見据えつつ、モチベーション高く会社に貢献するための「トリプル・キャリア」の考え方を伝授します。

なぜ、長くなった人生に「幸せ」を感じられないのか?

平均寿命が延び続け、人生が長くなっても定年後の不安が大きく、「幸せ」を感じられないという40代・50代の会社員や主婦の方が増えています。

また、社会人になったばかりの若手ビジネスパーソンも元気のない先輩社員を見ていて、将来に希望を感じられなくなっています。

こうした閉塞感に覆われた日本の企業社会において、「人生100年時代」の到来をどんな心構えで迎え、将来に備えて何をしていけばいいのか。これから本連載で、具体的・実践的な考え方や行動習慣を提示していきます。

定年後の3大不安と言われる「お金」「孤独」「健康」は、ずっと働き続けるという選択をした瞬間に、実はすべて解決してしまいます。

人生80年時代は、65歳で定年再雇用が終了した後に、余生として15年を過ごすという人生設計でした。ところが、人生100年となると定年後の期間が35年もあり、とても余生を過ごすという感覚では済まされません。

余生を同じ15年と考えるならば、少なくとも「85歳まで現役で働く」という人生設計を立てる必要があるのです。

私がこういう話をした時に、多くの中高年会社員の方々の反応は、「そんなに長く働きたくないよ。」というもので、殆どの方が同時に顔をしかめて、私に冷たい視線を向けてきます。

そうした反応になるのも無理はありません。彼ら、彼女らが頭の中でイメージする「働き続ける」という印象は、現在の仕事の延長で、とても「楽しい」と言えるものではないからです。

グローバルでの競争が厳しく、日々生き残り競争をしている日本企業で働く会社員は、ベテランも中堅も若手の社員も、皆忙しそうで、決して幸せそうな表情をしていません。私が接する多くの会社で働く人たちを見ていると、楽しそうにワクワク働いているのは、社長だけです。

とくに創業者であるオーナー社長だけが楽しそうで、あとは大半の人たちが皆、働く姿が苦しそうなのです。

人生100年時代を迎えた今、私が提唱しているのは、戦略的に人生を設計しましょう、ということです。

長する会社には必ず、企業理念があり、経営戦略があります。同じように、人生100年を展望した「人生理念」や「人生戦略」をしっかりと立てて、少なくとも85歳まで、できれば死ぬ直前まで「生涯現役」で楽しく働き続ける「人生設計図」を作りましょう。

まさに人生100年時代の“ 航海図 ”です。
ほんとうに「幸せ」を感じられる人生にするためには、働いてお金を稼ぎ続けるための「キャリアプラン」が大切です。

私が提案する「人生100年時代」に合ったプランは、働く期間を3つのステージに分ける「トリプル・キャリア」という考え方です。

まず「ファースト・キャリア」が会社員として働く期間です。この働き方のメリットは何と言っても、毎月必ず決まった金額の給料が入ってくるという収入の安定性です。ただ、働く場所(会社オフィス)、働く時間(勤務時間)、働く仲間、仕事の内容はすべて会社が決めるので自由度がありません。そして最大の弱点は「定年」があることです。

したがって、60歳定年か、遅くとも65歳の定年再雇用終了時には、働き続けるには、次の「セカンド・キャリア」に移行する必要があります。ここで再就職の転職をするのが通常かも知れませんが、私がお薦めするのは「雇われない働き方」に移行すること。

仕事の内容を、好きなことや専門性を軸にして、世の中のニーズに合った仕事を、なるべく低リスクのスモールビジネスで手掛けることです。

独立起業というのは、一般的にはハードルが高いと思われていますが、自宅を事務所にして人を雇わず、せいぜい配偶者だけの規模で、借金や大きな投資をしないファミリービジネスとして事業をする形態であれば、それほどリスクは大きくありません。

ところがこれもずっと続けることは難しく、75歳前後で、体力面・健康面の壁があり、このタイミングで「サード・キャリア」に移行する必要があります。

これは、働く場所や移動距離、働く時間、仕事の内容を思い切って絞り込み、ゆとりを持って仕事をする、という働き方です。好きな場所で、好きな時間だけ、好きな仲間と、好きな仕事だけをする「理想的な働き方」と私は呼んでいます。

こういう働き方であれば、あなたも何歳まででも働きたい、と思うのではないでしょうか。この「サード・キャリア」まで予め展望した上で、60歳定年時か、できればその少し前のタイミングで「セカンド・キャリア」に移行する戦略的な人生設計を、50代のうちから考えましょう。

次回からは、その具体的な準備方法をお伝えしていきます。

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