2024.02.16

【管理職研修】決定版!管理職研修に使えるユニークなテーマ3選

管理職研修は、企業成長の要となる管理職の知識やスキルを拡大できる機会であり、企業の生き残りを左右する重要な研修のひとつです。しかし、毎年恒例的に実施することでマンネリ化し、効果に疑問を抱いている企業も少なくないようです。

そこで本記事では、管理職研修にユニークなテーマを導入することで効果を高めたい経営者層や人事担当者に向けて、管理職研修の目的からユニークな研修のメリットなどを解説し、おすすめのテーマを3つ厳選して紹介します。ぜひ参考にしてください。

石橋 真
監修者
石橋 真
略歴
リ・カレント株式会社 代表取締役社長

監修者詳細

管理職研修を行う上で気をつけること

管理職研修の効果を最大限に引き出すためには、研修の設計から意識しておきたい点がいくつか存在します。はじめにしっかりと確認し、留意して準備を進められるようにしましょう。

研修の目的を明確に

いくら楽しい研修を目指すといっても、ただ闇雲にユニークさばかりを追い求めるのは危険です。なぜなら、「研修をおもしろいものにする」ことは効果を高めるための“手段”であり、研修の“目的”ではないためです。

そのため、あくまでも研修が「おもしろいかどうか」ではなく、「なにを目指し、なぜ行うものか」といった目的に沿って設計を進めなければなりません。そのために、まずは研修の目的を明確化しておく必要があります。

研修を受講する対象者の要望を掴む

管理職研修といっても、一般的には「新任管理職研修」と「上級管理職研修」の2種類に大別され、それぞれ対象者や実施の目的も異なります。

新任管理研修は、プレイヤーからマネージャーへの視点転換を図る、いわば管理職としてのスタートアップ研修です。

一方で上級管理職研修は、組織の経営戦略の立案やリスクマネジメントなど、経営層に近い思考や行動を習得するために設けられる機会です。

それぞれの対象者で求める知識やスキルも異なるため、受講対象となる人材が求める要望を正しく理解し、研修に反映させる必要があります。

研修を行う時代背景を理解する

研修内容へのニーズは、受講対象者の要望だけでなく、研修が実施される時代によっても異なります。事実、管理職研修は時代とともに目的や内容も移り変わってきました。

高度成長期には地方からの集団就職に対応するため、主に仕事に関する基礎知識や一般常識を取り扱っていましたが、企業間競争が激しくなるにつれ、いかに個人のスキルアップを実現するかといった内容に移行しています。

ここ最近では、働き方や労働者の価値観の多様化に伴う変化に対応できるマネジメントやコミュニケーションスキルの習得や新しい時代のリーダーシップの獲得方法などへの注目が高まってきています。

研修によって得たい成果を明確にする

研修の目的と同様に、研修によって得たい成果や研修後の理想像なども明確化し、受講者とイメージを共有しておきたいところです。企画内容と企業のビジョンのズレを防ぐだけでなく、受講者の動機づけにもつながる部分ですので、意味のある研修にするためにも「なぜ」「何のために」この研修が必要なのかは明確かしておくのが理想です。 

管理職研修を実施する目的

先述のとおり、管理職研修は新任管理職研修と上級管理職研修の2つに大別されますが、共通する最終目的は理想とする人材の育成です。

新任管理職時代に求められている役割の理解や視点の転換からはじめ、上級管理職へとフェーズを移行するなかで管理・マネジメント力や組織の課企画・調整力、経営戦略の立案力などを身に付けながら、企業が求める管理職へと育成を進めていきます。

管理職としての役割理解

管理職のなかでも、初任管理職と上級管理職とでは求められる役割は異なります。しかし、いずれにしてもまずは「自社が管理職に期待している姿」や「今自分が求められている役割」はどんなものかというところを正しく理解できなければ、目指すべきゴールも見えず、間違った道に進んでしまうかもしれません。

効率的に、スピーディに人材育成を実現するためには欠かせないプロセスだといえるでしょう。

マネジメントの基礎力

「プレイヤーとして優秀だった人物を管理職に任命したが、思うように活躍できていない」といった話を耳にしたことがある人も多いのではしょうか。その原因として考えられるのは、プレイヤーからマネージャーへ視点や意識の転換ができていないということです。

的確な人材配置からチーム目標の設定、プロジェクトの進捗管理に至るまで、マネジメント業務は、プレイヤー時代にはほとんど経験することのない業務でしょう。

まずは基礎からしっかりと身につけ、経験を重ねていくことで円熟を目指します。

コンプライアンス

人材や価値観、働き方の多様化が急速に進む現代のビジネスシーンにおいては、労働にまつわる法令や法律の理解・習得は欠かせません。従業員が安心・安全に働ける環境づくりは、管理職が果たすべき業務のひとつです。

加えて、情報漏えい等のリスク管理、メンタルヘルスやハラスメントに対する理解なども学ぶ必要があるでしょう。これらを管理職が早い段階から網羅的に学ぶ機会を設けることは、企業側の責務でもあります。

業務管理・効率化

「プレイヤーとして優秀だった人材なら、業務の管理や効率化はお手のものだろう」と思っている人も多いようですが、チーム全体のこととなるとそうはいかないことも多いようです。

実際のところ、チームの業務管理・効率化では、ヒト・カネ・モノといった社内リソースをどのように配置し、どこに集中させるかといった見極めが重要で、これらは管理職になってみないとわからない苦労でしょう。

また、チームが目標を達成するためには、管理職によるKPI(Key Performance Indicator/重要業績評価指標)の把握や適正な進捗管理、トラブル対応も必要で、多くの管理職が初めて直面する業務です。

部下の育成・指導能力

プレイヤー時代にOJTやメンター制度といった一対一の育成を経験している人であっても、管理職ならではの「複数の部下をまとめて育成する」というミッションには戸惑う人が多いようです。それだけ、管理職として部下を育成・指導することは難しいということでしょう。

部下を育てたことがほとんどない人にいきなり育成施策の実施を求めても、応えられなくて当然です。特に、若手の価値観や仕事に対する考え方が大きく変化している今、効果的な育成方法がわからず戸惑ってしまう管理職は多いでしょう。

管理職研修を通して、今の時代に即した育成手腕を身につける必要があります。

チームマネジメント

チームマネジメントも、これまでプレイヤーとして活躍してきた人材に欠けている視点のひとつです。個人ではなく、チームを動かすことによる成果の創出を求められる管理職の立場として必要な振る舞いやスキルを、管理職研修を通して習得していきます。

組織改革・調整力

現在抱えている課題を洗い出し、必要な対策や施策を講じるのも管理職の仕事です。

チームの目標達成のためには、組織の在り方を見直す必要に迫らせるシーンもあるでしょう。しかし、従来のやり方や考え方を変えることは容易ではなく、当然ながら反発も予想されます。そういったときに、いかに周りを巻き込み、味方につけながら改革できるかは、管理職の手腕に左右されるといっても過言ではありません。

管理職研修は、組織改革のために必要なコミュニケーション能力や調整力を身につける貴重な機会でもあります。

戦力立案

管理職には、これまでの取り組みの成果拡大だけでなく、新しいプロジェクトを立ち上げるような、未来を開拓し想像する視点まで求められます。特に、ビジネスの潮流が速い現代においては、時代の流れや市場のニーズを的確にキャッチして引き寄せる計画立案力が、従来よりも早い段階から必要とされるようになってきました。

企業状況や業界にもよるものの、新任管理職研修のフェーズから戦力立案に触れておくと、チームや組織全体の早期熟成につながるでしょう。

ユニークな研修の効果やメリット

 

ユニークな研修を実施することで、どのような効果が得られるのでしょうか。ここでは、代表的なメリットを2つ紹介します。

能動的に参加してもらえる

これまで座学やインプット中心の研修を多く受けてきた場合、「研修はつまらないもの」といったイメージを持つ人も多いでしょう。

研修の効果は、受講生の意欲によって大きく異なるといわれます。ならば、「つまらない」という意識で受けるより、「おもしろい」「楽しい」と思って受講するほうが大きな効果が得られるはずです。

研修に限らず、人は自発的に「おもしろそう」と思えたことには能動的に関われるものですので、少なくともユニークな管理職研修を用意することの効果は大きいと予想されます。

受講者同士が交流できる

ユニークとされる研修の多くは、グループワーク形式です。グループワークでは、研修の実施中はもちろん、休憩時間やちょっとした余白でも受講者間のコミュニケーションが生まれやすいといわれています。

研修をきっかけにこれまで交流したことがなかった人との関わりが生まれれば、部署を超えた交友関係が構築できてビジネスが円滑になったり、思いもよらぬ新規ビジネスのアイデアが生まれたりするかもしれません。ユニークな研修の実施は、会社にとってもよい影響をもたらす可能性をはらんでいます。 

 

ユニークな研修を実現させる3つのポイント

ユニークな研修を実現させるために押さえておきたいポイントは、以下の3点です。しっかりと確認しておきましょう。

1.達成感・充実感のある研修

先ほども触れましたが、受講者が「やらされている」ような感覚を抱く研修では、せっかく有益な情報を詰め込んだ設計であっても得られる効果は薄いと予想されます。研修の効果を高めるためには、受講生が達成感や充実感を抱ける研修であることが理想的です。

受講者に当事者意識を持たせられると、研修をおもしろいと思ってもらえる可能性も高まります。受講者に「ただ参加しただけ」から「しっかり参加した」と思ってもらえると、研修に対する達成感を得やすいでしょう。

2.「やってみたい」と思えるような研修

研修は、実務に活かせる内容でなければなりません。実際の現場で役立つものでなければ、ただの知識として受講者のなかに留まってしまうだけです。

研修内容やテーマに対して受講者自らが「やってみたい」と思えるような研修であれば、身につきやすいのはもちろん、受講者が実務で実施する可能性も高いと考えられます。また、研修で誰もが楽しんで取り組めるような内容であれば、現場でも受け入れやすいはずです。

即戦力と活かせる学びが生み出せれば、その研修は大成功だといえるのでしょう。

3.ゲーム感覚で学べる研修

おもしろい研修を実施したいのであれば、ゲーム要素を取り入れるのが効果的です。「ゲームのような研修ではなにも身につかないだろう」と思う人もいるかもしれませんが、実はこの際の「楽しいワクワク感」は先に紹介した達成感・充実感や「やってみたい」という感情につながりやすいものなのです。

さらに、立場や役職に関係なく、フラットに意見を交えやすい点もメリットのひとつでしょう。普段の仕事とは異なる状況で共通のゴールを目指すことで、チームワークの重要性を実感できる方法です。

まとめ

ユニークな研修を導入すれば、受講者の意欲的・能動的な参加が期待できます。管理職研修に取り入れれば、受講者が現場に持ち帰り、組織の細部まで効果が波及するかもしれません。

とはいえ、自社に合ったユニークな研修を設計・実施すること自体、簡単な話ではないでしょう。そういった場合には、管理職研修を得意とする外部業者に委託するのもひとつの手です。

ユニークな管理職研修を活用し、自社の成長を促進させていきましょう。

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