2023.06.20

【管理職向け】自社でもできる!モチベーション研修 虎の巻

「管理職に部下のモチベーションを上げる力をつけさせたいが、研修で何を学ばせれば良いのか」
そんなお悩みはありませんか?

今回ご紹介する2つのポイントを押さえれば、貴社の管理職に部下のモチベーションを的確に引き出す力が身につきます。
実際に研修を受講した管理職からも「知って終わりではなく、職場実践にすぐに役立つ」との感想をいただいています。

のべ3万人以上に研修を提供してきた研修会社が、管理職向けモチベーション研修で必ず押さえるべき2つのポイントを、実際のプログラム例とともにご紹介します。

本記事を読めば、どんな管理職でも部下のモチベーターになれる、画期的なモチベーション研修が自社内でも設計が可能になります。

石橋 真
監修者
石橋 真
略歴
リ・カレント株式会社 代表取締役社長

監修者詳細

1.管理職研修で部下のモチベーションを的確に引き出す力をつける2つのポイント

「管理職に部署メンバーのモチベーションを向上させる力をつけてほしい」
こうした要望を叶えたいのであれば、次の2つのポイントを押さえた管理職研修を実施しましょう。

  • 管理職が部下のモチベーションの「源泉」を把握する
  • 部下の内発的動機に火を灯す3つのフレーズを学ぶ

部下のモチベーションの「源泉」を知ると、管理職が彼らのモチベーションを引き上げる効果・効率が飛躍的に高まります。

なぜなら、一口にモチベーション向上といっても、何がトリガーになってモチベーションが上がるかは人それぞれ。
人によって異なる源泉を把握しないまま、汎用的に使えるテクニックは存在しないからです。

たとえば「チームでの取組みが力になるタイプ」に、個人で黙々と作業することを押し付けても逆効果を生むでしょう。

こうした仕事において重視する価値観や思考傾向は、大きく10タイプに分けることができます。
モチベーションの源泉をまとめて可視化する方法については、4章で詳しく解説します。

▶モチベーションの源泉をまとめて可視化する「モチベーション・トレンド診断」

日々の何気ないやり取りの中で、実はこうしたすれ違いが多数起きている可能性があります。

だからこそ、真に効果的なモチベーション向上研修を考えたいなら、部下のモチベーションの「源泉」を把握したうえで、実際にモチベーションを喚起するためのスキルを身につけていくのが有効です。

2.モチベーションタイプ別 管理職研修による劇的変化5例

これらのポイントを押さえれば、次のような劇的な変化を生みます。

モチベーション源泉のタイプ別に5つの例をご紹介します。

2-1.「職人気質」部下×他者関与による成長重視の管理職

コツコツとひとつの仕事を極めたい職人気質の部下と、個人の成長には他者との関わりが重要と考える管理職の事例です。

管理職は、部下の成長を考えて様々な人に関わらせようとするのですが、自身の仕事を磨きたい部下からすると疎ましく感じ、逆効果になってしまうという状況がよく起きていました。

職人気質」タイプの部下のモチベーションを引き出すには、仕事に集中できる環境を作る手助けをすることが重要です。

このケースでは、管理職が部下と周囲の架け橋となることで、周囲からの協力を得ながら部下がひとつの仕事に打ち込める環境を作りました。
部下としても「自分のために尽力してくれる上司だ」と管理職への信頼感を高め、モチベーション高く仕事に取り組めるように変化しました。

2-2.「矜持を持つ」部下×能力重視の管理職

自分なら必ずやり遂げると矜持を持つ部下と、仕事を任せるにあたってそもそもの能力の有無を重視する管理職の事例です。
近年、Z世代の新入社員と配属先の上司との間で起きているミスマッチの代表例でもあります。

管理職としては、今の能力に応じた仕事を任せることでモチベーションを上げようと試みましたが、「自分ならできる」と未来を見据える部下からすると信用されていないように感じてモチベーションが削がれてしまうという状況が起きがちです。

矜持」が源泉となる部下のモチベーションを引き出すには、彼らの持つこだわりをけして否定しないことが重要です。

このケースでは、管理職が部下の能力を踏まえたうえで成長が必要な部分を明確に伝えながら仕事を任せることで、部下が「自分のこだわりポイントを管理職も認めてくれている」と自身の成長にモチベーションを掻き立てられるように変化しました。

2-3.「連帯感」重視の部下×個人成長重視の管理職

周りの期待に応えたい連帯感重視の部下と、個人の成長に周りの環境は関係ないと考える管理職の事例です。

管理職としては「部下本人がどうしたいか」を引き出すことがモチベーションにつながると考えて対話を繰り返すのですが、周りの期待に応えたいと考える部下からすると「管理職からは問いかけられるばかりで、何を期待されているかわからない」と閉塞感を覚えてしまう状況になっていました。

連帯感」を重視する部下のモチベーションを引き出すには、彼らに寄り添う姿勢を管理職が示すことが重要です。

このケースでは、管理職が期待を伝えたうえで「それに応えるために、個人的にどんな成長を目指すか」の対話を行えるようになり、部下としても「管理職と協働して成長する」というモチベーションを得られるように変化しました。

2-4.「サバイバー」タイプの部下×計画重視の管理職

ピンチのときほど燃えてくるサバイバータイプの部下と、仕事を進めるにあたって計画を重視する管理職の事例です。
特に29代後半~30代の中核社員が部下であるケースがよく見られます。

プレイヤーとして十分な経験を積み、厳しい状況をアドリブで切り開くことに燃える部下が、綿密な計画・事前準備をしてほしい上司からの関わりをマイクロマネジメントのように感じて、思うように動けずモチベーションが下がってしまうという状況です。

サバイバー」タイプの部下のモチベーションを引き出すには、仕事における余白を管理職が許容することが重要です。

このケースでは、仕事において「これだけは外れてはならない」ボーダーラインを管理職が部下と共有することで、計画立てて仕事を進めつつ、細かな部分は部下の裁量で責任を担える体制を作り、責任を負うとモチベーションが掻き立てられる部下の特性をうまく引き出せるようになりました。

2-5.「チャレンジャー」タイプの部下×失敗は回避させたい管理職

新しいことが大好きなチャレンジャータイプの部下と、仕事における失敗はできれば回避させたい管理職の事例です。

部下が失敗を恐れずチャレンジしようとする姿が、管理職にとっては無謀な挑戦に見えてついブレーキを踏ませてしまう。そんなミスマッチがとても起きやすい組み合わせです。
部下からすると「この環境にいては、自分のやりたいことが実現できない」と離職を招きかねません。

チャレンジャー」タイプのモチベーションを引き出すには、挑戦を後押しする姿勢を管理職が示すことが何より重要です。

このケースにおいては、管理職が部下のモチベーション源泉を知り、ほんの少し接し方を変えただけで大きな違いをもたらしました。
部下が新しいことにチャレンジする際に、管理職がリスクマネジメントを担うサポート役となることで、双方の特性を活かしながら部下がモチベーション高く仕事に取り組めるようになったのです。

これらの例のように、部下のモチベーションの「源泉」を把握したうえでモチベーションを喚起するためのスキルを身につけていくことで、管理職による部下のモチベーション向上の効果は飛躍的に高まります。

3章では、部下のモチベーションを向上させる3つのフレーズについて解説します。

3.管理職向けモチベーション研修の肝! 内発的動機に火を灯す3つのフレーズ

部下のモチベーションを向上させる力を管理職研修で扱う際、注力するのは管理職の働きかけによる内発的動機付けが主となります。
内発的動機とは「人の内面的な要因によって生まれる動機」、たとえば物事に対する強い興味や探求心などを指します。

しかし、管理職向け研修でこれらを学習項目とするのであれば、知識の習得に留めるのではなく実践イメージを持たせることが重要です。

たとえばリ・カレントの研修であれば、内発的動機に火を灯すための観点を3つのフレーズとともに伝えています。

  • 関係性:「君の話を聞かせてほしい」
  • 自律性:「そもそもどうして?」
  • 有能感:「君(たち)ならできる」

3-1.「君の話を聞かせてほしい」:この人のもとで活躍したいと思わせる関係性

一つ目は「君の話を聞かせてほしい」。
日々の傾聴によって「この組織・この人のもとで活躍したい」という関係性を育てることを促すフレーズです。

なぜなら人は、自分に関心を寄せてくれる人に好感を持ち、その思いに応えようとする傾向(好意の返報性)があります。

だからこそ、管理職が部下に対しての関心を適切に示すには、表出している相手の言葉や反応だけではなく、その背景・根底にある原体験や価値観まで受け止めるのが重要となります。

研修では、傾聴について学ぶのに合わせて、管理職が日頃から部下の話に耳を傾けるよう、聞き役に回る姿勢を示すフレーズを伝えることが有効です。

3-2.「そもそもどうして?」:目的を問い、自律性を高める

二つ目は「そもそもどうして?」。
「問い」を投げかけることで、メンバー自身の目的意識を高めるフレーズです。

なぜなら「自分で決めて行動した」という自律性は、モチベーションを高める材料となります。

特に、目的についての問いは人の情動に働きかけるため、モチベーションに大きく影響します。

研修では、管理職が目的・意義にもとづいた自律的な思考・行動を引き出せるよう、部下への「問い」を習慣づけるフレーズが有効です。

▶目的を語る重要性について詳しくはこちら

3-3.「君(たち)ならできる」:承認の一言で有能感を醸成する

三つ目は「君(たち)ならできる」。
承認・賞賛を示し、部下の有能感を醸成するフレーズです。

なぜなら、人は承認・賞賛によって良い自己イメージを持つことで、望ましい行動を強化することができるからです。

管理職に伝えるべきコツは「どんな状況で」「どんな言動が」「どう影響を与えたか」を言葉にすること。

普段の業務内ではついつい成果だけの承認・賞賛になりがちですが、部下の成長や普段の振舞いにも観察の目を向けることも重要です。

だからこそ「君(たち)ならできる。なぜなら……」のフレーズを使うことで、自然と部下を承認・賞賛し、有能感を高めるやり取りが習慣づきます。

4.モチベーションの源泉をまとめて可視化する「モチベーション・トレンド診断」

ここまで解説してきた管理職向けモチベーション研修について、効果を高める&早めるには部下それぞれの源泉を把握することが一番の近道です。

源泉が違えば、管理職から部下に働きかける際の注力すべき点も変わります。

リ・カレントの研修では、モチベーションの源泉を可視化する「モチベーション・トレンド診断」を用います。

2章で挙げたような、仕事において重視する価値観や思考傾向を10種類のタイプ別に診断します。

実際に導入した企業の管理職からはこんな声をいただきました。

「部下とのすれ違いの原因が可視化され、対話がしやすくなった」(40代男性/機械メーカー)

「表出は違えど似たタイプ同士のチームだとわかり、部下間の協力を促すことができた」(30代女性/アウトソーシング)

「世代が違う社員への対応に苦戦していたが、ズレの根本にあるものが分かった気がする」(40代男性/教育)

貴社の管理職向けモチベーション研修の効果をさらに高めるために、モチベーションの源泉をまとめて可視化する「モチベーション・トレンド診断」をぜひご活用ください。

▶モチベーション・トレンド診断について詳しくはこちら

まとめ

本記事では、管理職研修で部下のモチベーションを的確に引き出す力をつける2つのポイントを解説しました。

  • 管理職が部下のモチベーションの「源泉」を把握する
  • 部下の内発的動機に火を灯す3つのフレーズを学ぶ

この2つのポイントを押さえた研修を実施することで、管理職から部下への働きかけに劇的な変化が生まれます。

2章では、モチベーション源泉のタイプ別に働きかけの劇的変化が起きた例を5つご紹介しました。

管理職向け研修でモチベーション向上について学ばせたいのであれば、知識の習得に留めるのではなく実践イメージを持たせることが重要です。

部下の内発的動機に火を灯す3つの観点を、管理職が日頃の業務で口に出せるフレーズとともに学ばせると効果的です。

  • 関係性:「君の話を聞かせてほしい」
  • 自律性:「そもそもどうして?」
  • 有能感:「君(たち)ならできる」

また、管理職向けモチベーション研修の効果を高める&早めるには、部下それぞれの源泉を把握することが一番の近道です。

源泉が違えば、管理職から部下に働きかける際の注力すべき点も変わります。

モチベーションの源泉を可視化する「モチベーション・トレンド診断」を活用することで、仕事において重視する価値観や思考傾向を10種類のタイプ別に把握することができます。

本記事にてご紹介した2つのポイントを押さえた研修を実施すれば、貴社の管理職が部下をやる気にさせ、「この会社で働きたい」という気持ちを高めるモチベーションの火付け役になります。

組織のエンゲージメント向上にも大きな役割を果たす、管理職向けモチベーション研修の設計にぜひご活用ください。

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