いまどき新人の可能性に光を当てるOJTトレーナー育成3つの関わり方

いまどき新人の可能性に光を当てるOJTトレーナー育成で、OJTトレーナーが担うべき役割と成長とは?

2020.03.26

前回のコラムでは、新入社員の可能性に光を当てる新しいOJT施策である「ポテンシャライトOJT」により、新入社員だけでなく、OJTトレーナーや組織に好影響を与えることができると解説しました。

では、OJTトレーナーは新入社員に対して、具体的にどのような関わりをすれば良いのでしょうか? そもそも、OJTで指導をする側のOJTトレーナーを育成するためには何が必要なのでしょうか?

今回は新人とOJTの役割の中でも、OJTトレーナーと新人の関わりについて焦点をあて、OJTトレーナー育成のポイントについてお伝えします。

目次・いまどき新人の可能性に光を当てるOJTトレーナー育成で、OJTトレーナーが担うべき役割と成長とは?

  1. 新入社員の可能性に光を当てる「ポテンシャライトOJT」とは?
  2. OJTトレーナー育成の3要素
    1. OJTトレーナーがOJTを自分の仕事にする
    2. OJTトレーナーが新人との関わり方を身に着ける
      1. 絆アプローチ:信頼関係の構築
      2. 伴走アプローチ:業務指導・実践による成功体験
      3. 賞賛アプローチ:成功体験に基づく自走
    3. 1年間のOJTを通した新人、OJTトレーナーの成長をデザインする
  3. OJTを通じた新入社員とOJTトレーナーの成長とは

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1.新入社員の可能性に光を当てる「ポテンシャライトOJT」とは?

「ポテンシャライトOJT」とは、リ・カレントが考える新入社員の可能性に光を当てる新しいアプローチのOJTです。ポテンシャライトとは、新入社員の可能性(ポテンシャル)を灯す(ライト)ということを意味する造語です。

従来行われていたOJTはOJTトレーナーと新入社員が上下関係にあり、新入社員のできていないことを探して指導をする「課題解決型」のアプローチでした。
ポテンシャライトOJTでは、OJTトレーナーは新入社員と横並びの伴走者で、新入社員の可能性を追求するアプローチを行う点で異なっています。OJTでの関わり方も、新入社員が育った時代背景に基づく行動・思考の傾向にあったアプローチを行うので、新入社員が現場で萎縮したりやる気を失うことなく、ポテンシャルを感じられている状態へと導くことができます。変化の激しいVUCAの時代だからこそ、組織には新入社員が本来持っている様々なポテンシャルを引き出して活用することが必要です。

新入社員に限らず、会社組織全体にとって重要なOJTですが、OJTが配属後の現場任せになっていたり、OJTそのものがうまく機能していないという問題も多いことも事実です。

OJTを効果的に機能させるためには、新人とOJT関係も大事ですが、そもそもOJTをトレーナーも育成することが重要です。次項では、OJTトレーナー育成の3つの要素について解説します。

2.OJTトレーナー育成の3要素

新人の育成手法としてOJTが機能しない場合、OJTトレーナーを育成することで新人とOJTトレーナーの関係性が改善し、新人がOJTを通して成長をすることができるようになります。では、OJTトレーナーを育成するために必要なこととは何でしょうか。

1)OJTトレーナーがOJTを自分の仕事にする

OJTトレーナーが新入社員のトレーニングをすることに前向きでないという問題に対しては、OJTトレーナーが「OJTという役割=自分の仕事」ということを認識させることが重要です。
OJTに限らず若手社員の力が引き出されている職場を、リ・カレントでは「共育職場」と定義しています。新入社員が思う存分力を発揮し、全力で動くことでOJTトレーナーも一緒に成長しようと職場を巻き込み、共に学びあう組織になるのです。

新人若手のポテンシャルが発揮されるOJT共育職場

 

新人の可能性にフォーカスを充てたポテンシャライトOJTは、新人だけでなく、OJTを担当するトレーナー自身や職場に対しても好影響を与えます。

・対新入社員:自分自身が持っているポテンシャルにフォーカスした指導を受けることで、自分でも気づかなかった潜在的な力が発揮される実感をもち、仕事に楽しみを見つけることができます。
・対OJTトレーナー:新入社員のポテンシャルが発揮される現場に立ち会うことで、自分のポテンシャルについても自問自答する機会を得ます。そこで、自分の新しい可能性に気づくことができます。
・対組織:多様なバックグラウンドを持ち、既成概念にとらわれない新入社員や、新たな可能性に気づいたOJTトレーナーが交わることで、職場の多様性や業務の創造性がもたらされます。

このように、ポテンシャライトという側面からOJTを行うことにより、OJTトレーナー自身が自分にとって新入社員や会社全体に影響を与えられるとに気づくことで、OJTトレーナーはOJTという業務を「自分の仕事」として捉えられるようになります。

2)OJTトレーナーが新人との関わり方を身に着ける

OJTトレーナーが行う新入社員とのコミュニケーションでは、業務ができるようになるための業務指導はもちろん必要ですが、新入社員に仕事の楽しさを実感させるためには、OJTトレーナー側からの信頼関係構築のための支援が必要です。新入社員の成長過程に沿った、OJTトレーナーが持つべき新人との関係性構築のためのアプローチについて、以下の図の3つのプロセスから説明します。

新入社員がポテンシャルを発揮するOJTプロセス

①絆アプローチ:信頼関係の構築

・共通点を見つける
人は、自分と共通の好みや興味を持った人に好意を抱きやすいといいます。趣味や出身地など何か共通点を見つけることで、心の扉を開くきっかけになります。

・失敗体験を自己開示する
誰にとっても失敗は怖いものです。先輩の失敗体験を聞くことで、「誰にでも失敗はある、失敗しても大丈夫な職場だ」と新人が理解し、安心して挑戦することができるようになります。

・主語を「We」にする
新人に対して「君がやる」ではなく、「私たちが一緒にやる」と主語を変える伝えることで、新人が持っている「やらされ感」を解消し、信頼関係を構築することができます。

このように、新入社員が安心・安全を実感できる人間関係を構築することができれば、新入社員にとってもOJTトレーナーの言葉を受け入れやすくなり、新人も仕事にモチベーションを持ちやすくなります。

②伴走アプローチ:業務指導・実践による成功体験

新人との間に信頼関係が構築ができたなら、そこで新人が業務をできるようになるために適切な指導を行います。ここで大事なことは、「見て学ぶ」などあいまいな指導であったり、OJTトレーナーによって指導方法が違ったりといった属人的にならないことです。新人にはOJTトレーナーから具体的な業務の方法を伝えることが必要です。

業務指導を行う上でのOJTトレーナー側が持つべきポイントをご紹介しましょう。

・業務をおすそわけする
誰でもできる作業を渡すのではなく、OJTトレーナーが受け持つ重要な業務の一部を新入社員に依頼します。そうすることで、新入社員は「任されている」という意識を持ち、やりがいや責任感をもって業務に取り組むようになります。

・タスクとチャレンジを分ける
新人には、「必ずやってほしいタスク」と、「可能であれば挑戦してみてほしいチャレンジ」の線引きを明確にして伝えます。新人は「指示されたことをすべてやらなければならない」と思って、負担にとらえてしまいがちです。そのため、Mustでやって欲しいことと、チャレンジして欲しいことの線引きがOJTトレーナーには求められます。

・「Why」+「Return」で実践を促す
なぜこの仕事をあなたに依頼しているのか、この仕事の持つ意味をきちんと新人に伝えます。新人も何のためにこの仕事が必要か解らないと、なぜこの仕事をするのかというモチベーションが沸きません。この仕事を行うことの意味と、新人にとってどんなメリットがあるのかをOJTトレーナーから伝えましょう。

これらのポイントを意識した指導を行うことで、新人のなかにも「仕事に貢献できている」という自己効力感を育むことができます。

また、新人へのOJTにおける業務指導には、「ティーチング」のアプローチが有効です。

<ティーチングの良い例・悪い例>

新人OJTのティーチング良い例、悪い例

ティーチングの良いアプローチは、新人に対して口頭で仕事の指示をするだけでなく自ら手本を見せ、「なぜその仕事をあなたに依頼したいのか」という期待を伝えることです。いまどきの新人は、「この仕事が何のために行わなければいけないのか」を説明しないとなかなか動いてくれません。そこで、OJTトレーナーは、新人が仕事の背景や方法などを理解・納得したかを確認したうえでOJTを進めていきます。

新人が行った業務に関してはOJTトレーナーへ報連相を求め、できたことに対しては賞賛し、できなかったことを再指導します。業務を行った後は、感謝を伝えるとともに、振り返りを行い、メンバーと一緒に新人に対して仕事の成果や取り組み、姿勢などの評価を行います。

このように、OJTトレーナーが新人と信頼関係を築く関わりを行った上で、ティーチングのアプローチによる業務指導を新入社員に行うことができれば、OJTトレーナーが新人の精神面・業務面のサポートを行うことができます。

③賞賛アプローチ:成功体験に基づく自走

OJTのなかで、新人が業務指導で積み重ねた成功体験を内省する機会を作ることで、OJTトレーナーが指示せずとも、新人自ら成功法則を見つけて自走できるようになります。

新入社員が成功体験を内省するためには、OJTトレーナーのアクションがキーとなります。以下にOJTトレーナーができる新人へのアクションを挙げてみます。

・ヒーローインタビューで学びをラベリングする
実際にその業務を経験する前と後で、新人のなかにどのような変化があったかを新人自らに語らせることで、新人の成長や学びを彼ら自身で客観的にとらえなおします。

・「3褒める+1アドバイス+1気持ち」を伝える
トレーナーはまず褒めることを重視し、そのうえでアドバイスや、「仕事をやってくれて嬉しい」という気持ちを伝えます。

・通りすがりに小さく賞賛する
OJTトレーナー・先輩として「評価」や「フィードバックをする」という伝え方だけでなく、一人の同僚・ビジネスパーソンとしての賞賛もしっかりと伝えます。

3)1年間のOJTを通した新人、OJTトレーナーの成長をデザインする

OJTの育成方針があいまいで、計画性がない場合には、1年間のOJTを3つの観点からデザインすることが有効です。

①成長のデザイン
1年間のなかで新入社員は何ができるようになり、どのような考え方ができるようになるか……という新人の成長した姿を具体化します。

②経験のデザイン
1年後理想の成長を遂げるために、業務のなかでどのような経験をすることが望ましいかを考え、新人に対して計画的な仕事の依頼やチャレンジを促進します。

③関わりのデザイン
新人とOJTトレーナーだけでなく、新人の周囲の人にもどのように関わってもらうことが望ましいかを考え、計画的に新人との信頼構築・業務支援を行います。

これらのOJTの育成方法をデザインするには、下記のようなワークシートを用い、言語化・可視化して、人事、OJTトレーナーで共有できる状態にする方法があります。

新人OJTのティーチング良い例、悪い例

OJTの1年間のデザインは、トレーナーが作ってそのままにするのではなく、「新入社員が成長する」というゴール達成のために以下の3つを行うことが大事になってきます。

①OJTトレーナー・OJT上長・新入社員の三者で認識を合わせる
②OJTを進めるなかでも、定期的に振り返りやブラッシュアップを行う
③新入社員だけでなく、OJTトレーナーや職場の1年後の姿も思い描いて、それに向かった施策を打っていく

この育成ポイントで言えることは、新人やOJTトレーナーなど、誰に対しても「共通言語」で語ることと、双方向のコミュニケーションを大事にすることです。

OJTは職場全体にいい影響を与えて職場、組織をより良いものに変えられるチャンスでもあります。したがって、OJTをOJTトレーナーと新入社員の1対1の関係に終わらせるのではなく、職場全体で成長する機会ととらえ、全員で認識を合わせながら、新人の1年後の成長をデザインしてくのが望ましいと言えます。

3.OJTを通じた新入社員とOJTトレーナーの成長とは

ポテンシャライトOJTは、新入社員の可能性を育てるだけでなく、OJTトレーナー・OJT上長・組織全体を成長させるアプローチです。

OJTを通した成長の真髄は、「好きこそものの上手なれ」。仕事が楽しい、好きと思えることで、自然と新入社員も仕事に積極的になり、自ら業務を習得していくようになるはずです。

単なる業務指導者という存在だけでなく、一緒に「好き」を見つける仲間であることが、新入社員からもっとも必要とされるOJTトレーナーではないでしょうか。

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