2023.01.20

3年目社員に貢献×提言のフォロワーシップ実践を促す組織学習サイクル

3年目社員が「働楽」しながら成果を出すためのフォロワーシップ

3年目社員はキャリアの踊り場に立つ時期。
仕事がそれなりにできるようになり、自分なりに組織の限界を知ったつもりになると「隣の芝が青く見える」ときでもあります。
また、3年目で初めての異動を経験することも多く、新たな職場での成果を期待される一方で、責任感から仕事を独りで抱え込んでしまうといった声も……。

今回は、こうした3年目社員に向けたフォロワーシップ研修施策を組織学習サイクルの視点から解説します。
彼らが日々の業務を楽しみながら、同時に成果創出する他者貢献力と提言力を職場で発揮するために、実際にどんな工夫が行われたのでしょうか。

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【解説記事】中堅層の「フォロワーシップ」が組織全体を変える!
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組織学習サイクルで変わる、研修後の職場実践

今回取り上げた事例において、従来実施されていた研修では解決しきれなかった人事のお悩みがありました。
参加者の受講意欲が低い」こと、そして「研修後に職場実践がされない」ことです。

リ・カレントの提供するフォロワーシップ研修では、学習デザインに組織学習サイクルを取り入れることで、この課題点にアプローチしました。

参加者に大きな変化を起こしたポイントは2点。「受講前の参加意欲」と「上司の巻き込み」です。
具体的に施策全体像で見ていきましょう。

ポイント1:受講前ガイダンス動画の活用

まず、受講者の参加意欲を高めるために、受講前に研修のねらい等を案内するガイダンス動画を取り入れました。

これにより受講者は研修目的を上司や他の受講者と共有し、自身の課題感が明確になった状態で研修に参加することができます。

リ・カレントが実施した調査では、受講前に参加意欲を高める工夫のある研修に参加した受講者が「職場で研修内容を実践した」割合は、そうでない者の2倍にも上りました。

研修後の職場実践を促すうえで、「受講前施策のデザイン」は重要な要素だと言えるでしょう。

ポイント2:上司を研修施策に巻き込む、ラーニング・マネジメントシステム活用

研修を受けて職場に戻ったあと、実践しようとしても一人の頑張りでは限界があり、そのうちやらなくなってしまう……。
こうした状況は、どんな研修でも珍しくはないでしょう。

今回の施策では、ラーニング・マネジメントシステムを活用し、職場実践の促進を試みました。

研修での学習内容やアクションプランを上司に共有することで、実践に上司を巻き込みやすくしました。
また、アクションプランに対する進捗を受講者同士でもシェアし、うまくいった内容や気づいた点を互いに伝え合える仕組みとなっています。

リ・カレントの調査においても、「毎回の研修で上司から支援があった」受講者が「職場で研修内容を実践した」割合は、平均の4倍となっています。

ポイント3:職場全体で受講者の実践を後押しする

職場実践の後押しには、受講者本人だけでなく実践を支える職場環境へのアプローチも重要です。

このプログラムでは、研修前後に弊社独自のフォロワーシップ診断を実施し、数値指標で定量・定性の変化を可視化します。
これにより、受講者自身が変化を具体的に感じられるのに加え、職場メンバーのフォロワーシップ傾向を把握できます。
実際にこの研修を実施した事例では、3年目社員が一人で実践するのではなく、似たような傾向のあるメンバーを巻き込んで仲間を増やしたり、自分にない視点を持つメンバーにアドバイスをもらったりと、職場全体で実践を後押しする姿勢がつくられていきました。

一人の学びを組織に拡げ、継続的に学び続けるサイクルへ

今回のコラムでは、フォロワーシップ研修を題材に、組織学習サイクルを取り入れた育成施策デザインを解説しました。

3年目社員が他者貢献や提言力を意識しつつ、日々の業務を楽しんで成果を出すには、上司をはじめとした職場の後押しが不可欠です。
研修施策を通して、3年目社員当人だけでなく上司・職場へのアプローチを取り入れてみてはいかがでしょうか。

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